シルミド/SILMIDO  Silmido 
 原題:シルミ島 실미도(シルミド)<2003>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×


シルミド/SILMIDO

1968年。北に渡った父のために連座制にかかり、社会のどこでも人間として扱 われなかったカン・イ ンチャン(ソル・ギョング)は、暗い過去と共に裏路地を転々として殺人未遂で収監される。そんな彼の前にある軍人が近づき「国のために刃物をつかめるか」 というとんでも ない提案をする。

殺人未遂だけで死刑が言い渡され、死刑場へ送られるインチャン。しかし、彼が到着したところは、インチョン(仁川)の人里離れた波止場の ほとり。そこには、インチャンだけでなく、サンピル(チョン・ジェヨン)、チャンソク(カン・ソンジン)、ウォニ(イム・ウォニ)、クンジェ(カン・シニ ル)など、真っ黒な男たちが集まっていた。

同様に、大韓民国の西部、人里離れた実尾島(シルミド)に強制抽出された31人が集まる。わけが分からず髪を切って軍人になった31人の訓練兵た ちの前に 現れたキム・ジェヒョン准尉(アン・ソンギ)は、戸惑った彼らに「主席宮に侵入しキム・イルソン(金日成)の首を刎ねてくることが君達の任務だ」という一 語を皮切りに、 冷徹なチョ中士(ホ・ジュノ)の引率下に31人の訓練兵に対する苛酷な地獄訓練が始まる。

「落伍者は殺す。逮捕されたら自爆しろ!」というスローガンの下 に、シルミ島には人間はなく、キム・イルソンの首取るという明らかな目的だけが存在して 行く。

【予告編】
監督 カン・ウソク(康祐碩) <1993>トゥ・コップス、<1996>トゥ・コップス2、< 2001>公共の敵、 <2003>シルミド
<2005>公共の敵2 あらたなる闘い、 <2006>韓半島、<2008>カン・チョルジュン 公共の敵1-1
<2010>苔、<2010>マイ・ウェイ

出演

ソル・ギョン グ(薜景求)

出演作品一覧

アン・ソンギ (安聖基)

出演作品一覧

ホ・ジュノ (許埈豪)

<1999>ラブストーリー 遺 失物編、<2000>リベラ・メ、<2001>火山高、 <2003>シルミド
<2005>おまえを逮捕する、<2006>レストレス~中天~、<2008>最後の贈り物... 帰休
<2008>神機箭(シンギジョン)
チョン・ジェ ヨン 出 演作品一覧

<< HOME

【レビュー&ネタバレ】
1200万人を動員という、とん でもない記録を残した本作品。
韓国国民の4人に1人が見た計算。
パッケージやあらすじなどからは、惹かれるものを感じにくいですが、
友情、ヒューマンドラマ、悲劇・・・心を揺さぶる熱い映画です。
「殺人兵器」となる訓練生たちを描いた作品ですので、
暴力映画に近いものもあり、
女性には苦手とする部分、血や殺しなどのシーンも多々登場しますが、
女性こそ、ラストは涙なくては見られないと思います。
そういうmocaも、この映画を観たのは随分昔で、
けれど、あのラストを思い出しただけで涙が止まらなくなるのです・・・
この映画のスゴいところは、
最後には、観客は指導する指導兵たちの気持ちと同調してしまうこと。
だからこそ、最後には泣かずにいられないのです。
最初は、「社会のクズ」である彼らに全く好感を持てないでしょう。
劇中の指導兵たちと全く同じ場所から観客もスタートするのです。
しかし最後には、訓練兵たちに情が沸き、愛着が生まれてしまうのです。

あまりの理不尽さ、
あまりの惨い仕打ちに、誰もが憤りたくなるでしょう。
しかも、これが実話だということを聞けば、なおさらです。
ただ、あくまでも「映画」なので、全てを信じてはいけないようです。
この映画をきっかけに、意見の食い違いが多々起きているようです。
まだ30年ちょっと前のことですから、
事実を知る人もいるでしょうし、明らかにして欲しいですね。


さて、この映画には、実力派俳優が多数出演しております。

684部隊と呼ばれる訓練兵には、
第一組長ハン・サンピルに、チョンジェヨン。
第二組長チョ・クンチェには、カン・シニル。
第三組長カン・インチャンにソル・ギョング。
有名スターですから、この辺は説明の必要はないですね。
カン・シニルは、Mr.ソクラテスや、ドラマ<グリーン・ ローズ>など
必ず目にしているでしょう俳優さんです。

そして、炊事兵チャンソクには、
アタック・ザ・ガス・ステーション のカン・ソンジン。
その他訓練兵には、
最近知名度も上がってきたオム・ジョンファの弟オム・テウン。
<台風太陽>などの、キム・ガウン。
イム・ウォニは・・・この映画が一番有名な感じで・・・
知っている方は顔を見ればわかるでしょう・・・

そして、訓練兵を指導する指導兵には、
キム・ジェヒョン准尉には、国民的俳優アン・ソンギ。
誰よりも厳しく、非情なチョ二曹には、オールインなどのホ・ジュノ。


この映画は、死刑囚など、この世から葬られる人間を生存させ、
北朝鮮のキム・イルソン首席を暗殺するために<殺人兵器>として訓練させる物語。
ちょっとユリョンを彷彿させますね。

前半は訓練の様子。これが半端ではない。
アン・ソンギらに集められた31人の兵士。
死刑囚やらチンピラやら、ろくでもない者ばかり。
この31人が船に乗せられ、インチョン(仁川)沖の無人島シルミド(実尾島)へ向かう。
島に近づいたと思えば、そこから否応なしに泳がされる。
そして、船は爆破される。

訓練はマンツーマンで、31人の訓練兵に対し、
31人の指導兵がつかされた。
ランニング、筋力トレーニング、泥水の中の前進、射撃訓練など
ハードな訓練に加え、どんな拷問にも負けないようにと、
砂浜に上半身裸で正座させられ、背中に焼いた刻印を押し付けられる。
悲鳴を上げ、海に飛び込む訓練兵たち。
そんな中で、最後まで耐え抜いた3人の男がいた。
カン・インチャン(ソル・ギョング)、ハン・サンピル(チョン・ジェヨン)、チョ・クンチェ(カン・シニル)
「なぜ耐えた?」というチェ隊長の質問に、
カン・インチャンは「金日成の首を奪るためです」
ハン・サンピルは「奴(カン・インチャン)が耐えたから」
チョ・クンチェ「自分は長年ヤクザの頭目を張っていたので、大抵のことは耐えられます」
三人三様の答えが返ってくる。
チェ教育隊長(アン・ソンギ)は、三人を班長に任命し、三人を中心に班編成を行う。

キム・イルソンのクビを獲れば、
過去の罪は取り消され、報奨金を得て、一生英雄。
失敗すれば、自決のみ。
訓練兵たちは、一切人間扱いされない。
名前さえも呼ばれない。

ハン・サンピルは短気な男で、何かといえばカン・インチャンに食って掛かる。
「負けた奴は死ね。そこまでの覚悟があるのか?」と仲裁に入り、
殴りかかってきたサンピルを一発KOしてしまうのが、元ヤクザの親分クンチェ。
個性派ばかりの31人。

作戦会議の末、北への潜入は海からと決定される。
そして加えられたのが潜水の訓練。
息苦しくて水面から顔を出せば、銃で撃たれる。
皆、死に物狂いだ。
雪上のランニングでは、実弾射撃、そして、爆弾を仕掛けられ、
岩場の綱渡りは、65秒で渡りきらねば、これまた銃殺。
落ちれば当然、ただではすまない。
一人が転落死し、一人が骨折。
この骨折したのがチャンソク(カン・ソンジン)
役に立たない殺人兵器は用はない。
チャンソクは送還されそうになるが(死刑囚に逆戻り)
「雑用係がいれば、我々も訓練に集中できます」と
クンチェが庇い、チャンソクは炊事兵として残ることになる。
また、自分の班員が転落死したことで落ち込むインチャンをサンピルが励まし
二人の間にも友情が芽生え始める。

精神的にも肉体的に厳しい訓練が三年続き、
29名の訓練兵(+炊事兵)は、韓国一の精鋭兵へと成長していた。
そして遂に、作戦決行の時が来た。
士気が高まる兵士たち。
翌日の夜、兵士たちはゴムボートでシルミドから北へと向かう。
しかし、その頃チェ教育隊長の下へ「作戦中止」の連絡が入る。
「このまま生かせてください」
と兵士たちは懇願するが、島へと戻される。
南北に友好ムードが漂い、過激な暗殺計画は不要になったのだ。

再び作戦決行の指令が下りることを信じて疑わない兵士たち。
過酷な特殊訓練を三年間も続けてきた強靭な男達を生殺しにしておくのはよくないと、
684部隊をベトナムに派遣してくれるよう、チェ教育隊長は上層部に掛け合うが却下される。
機密が公になるからだ。
「28名全員を抹殺せよ」
チェ教育隊長への指令が下る。
一週間以内で殺さねば、28名以外の指導兵も全員殺害すると宣告される。
もし抹殺しなければ、別の部隊がシルミドに派遣され処刑される。
どのみち684部隊の隊員は抹殺される運命にあった。
この事実をチョ二曹(ホ・ジュノ)と、パク二曹に伝えるチェ教育隊長。
今まで684部隊に非情だったチェ二曹が激しく抵抗する。
「手塩にかけ育て、心も通じ合っている彼らを殺せるものか!」
チョ二曹は、任務に忠実に厳しく鍛えていただけであり、
彼らのことを一人の人間として見ており、誇りに思っていたのだ。
逆に、今まで彼らの友好的だったパク二曹は、
「もうすぐ子供が生まれるのに、自分まで一緒に死んでたまるか!」と、抹殺を促す。
「貴様はこんな卑怯な命令に従うくせに、これまで善人面してたのか!」と
パク二曹に掴みかかるチョ二曹。
「命令に従わなければ俺たちも殺される。もうすぐ生まれてくる赤ん坊の顔も見てないのに死ねるか!」と、
パク二層は譲らない。
それを、水を持って帰ってきたカン・インチャンが陰で聞いていた。
いや、チェ教育隊長が聞かれるよう、わざと取り計らったのだ。
カン・インチャンは、母親の写真をこっそりと所持していたのを見つかり独房入りになっており、
独房から出てきたインチャンを、チェ教育隊長は自室に呼び、水を取りに行かせたのだ。
チェ教育隊長は、不意打ちで殺すようなことはしたくなかったのだ。

チェ教育隊長やチョ二層の苦悩を察し、インチャンはあることを決行する決意をする。
そして、チェ教育隊長は、彼らを庇うチョ二層がいては問題が起きると、
「上層部に再度取り消しを願い出る」という口実をつけて出張させた。
厄介払いされていると は知らず、本気で訓練兵を助けようと出張 に出かけようとするチョ二層。
チョ二曹を乗せた小船 がシルミドを出て行こうとすると、カン・ インチャンらが駆け寄る。
帰りはいつなのか尋ねると、明日だと。
684部隊の抹殺は今夜行われるのだと悟るインチャンたち。
動揺が隠せないサンピ ルをチェ教育隊長が訝しげに見たのに気づ いたクンジェは、
「こいつは甘いもので も買ってきてくださいと頼もうとしたんで しょう」と、誤魔化す。
チョ二曹に敬礼し、心 の中で永遠の別れをするインチャンたち。
甘いものを買って帰ってきてくださいと、チョ二層を見送る。

「奴らの寝込みを襲い、明け方までに全員片付けるぞ」と、指導兵に命令するパク二曹。
しかし、先に銃撃を始めたのは、訓練兵たちだった。
次々と殺されて行く指導兵たち。
訓練兵たちにとっては、情の通った指導兵を殺すことは胸の張り裂ける思いであり、
指導兵たちにとっても、自分たちが育ててきた教え子たちを殺すことは耐え難いことであった。
訓練兵たちに囲まれ、逃げ場を失ったパク二層は、衝撃的な事実を告げる。
「お前らは、既に戸籍も抹消され、死んだものとして扱われているのだ」
そう、初めから彼らは殺される運命だったのだ・・・
例え、キム・イルソンのクビを獲ったとしても・・・
国家に裏切られていたことを知った訓練兵たちは、愕然とする。

「わざと盗み聞きさせ、反乱を起こさせたのですね」と、
チェ教育隊長を問い詰めるインチャン。
「国家命令だったが、お前らを裏切ることはできなかった」
チェ教育隊長は「さぁ、撃て。撃たなければ私が撃つぞ」と言い放つが、
インチャンは引き金を引くことができず、部屋を出る。
しかし、チェ教育隊長は、自分で頭を撃ち抜いて自殺してしまう。

自分達は国家の為にこれだけの過酷な訓練を耐え
犠牲者まで出してやってきたのに、
それが何と、国家に裏切られるとは。
大統領に直訴しに行こう。
残った20数名の兵士たちは、この事実を伝えようと、
完全装備し、軍服に着替えソウルへと向かう。
しかし、民間バスを乗っ取るが、軍隊に囲まれてしまう。
バスのラジオでは、「北朝鮮から侵略してきた武装共産ゲリラ」だと
報じているではないか。
厳重なバリケードを突破し、銃撃戦が始まる。
窓ガラスは割れ、銃撃を受け、皆血まみれだ。
その時、ニュースを聞いたチョ二層が駆けつける。
「彼らは共産ゲリラなんかじゃない。愛国的な韓国軍だ!」
チョ刑事はジープから飛び降り、叫ぶ。
持っていた紙袋が破れ、飴がこぼれる。
チョ二曹は約束を守っていたのだ。
「インチャン!サンピル!」
チョ二曹は、彼らの名前を叫びながら走り出す。

戸籍を抹消され名前を失った彼らは、
腕から滴る血潮で、バスの壁に自らの名を記す。
ハン・サンピルは、カン・インチャンに写真を差し出す。
先日見つかってバラバラに破られた母親の写真をテープで貼り付けたものだった。
カン・インチャンは初めて涙を流す。
インチャンらは乗客たちを降ろし、手榴弾で自爆をはかる。

END

レビューを書いているだけでも涙が止まりません。
バスに乗っていた23人の訓練兵のうち4人が生き残り、
軍事裁判にかけられ1972年に死刑になったそうです。
ただ、劇中のインチャンに当たる人物は、アメリカで生存しているとか・・・
他にも、脱走した兵士がいるという噂もあります。
真実が明らかになれば、糾弾されるでしょうから、
生きているのであれば、それだけでいいじゃないですか・・・

最後の飴がこぼれ落ちるシーンには涙が止まりません。
最後は、非情だったチョ二層の本意が明らかになり、
彼らのためにちゃんと飴を買っていて・・・
シルミ島でチョ二層から飴を受け取り、笑顔を見せる訓練兵の姿が見たかった・・・
彼らは三年間、死に物狂いで訓練に耐え抜き、
飴玉一つどころか、母の写真まで取り上げられ、
性欲もひたすら我慢し・・・
途中、二人の兵士が脱走してレイプしますが、
女性はもちろん気の毒ですが、彼らの方が気の毒になってしまう・・・・・
元は人間のクズだったとしても、
彼らの悲劇は、とても許せるものではありません・・・
彼らの人間らしい一面を、見ればそうでしょう?
私は、パク二層のような人間になってしまうのが怖い・・・
チェ教育隊長にしても、あまりにも悲しい・・・
人間らしく在ることが許されないなんて・・・・
この世には、腐った人間が溢れているというのに・・・






<< HOME

inserted by FC2 system