ソウルが見えるか? Unforgettadle |
原題:ソウルが見えるか? 서울이 보이냐 (ソウリ ボイニャ)<2008> |
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監督 | ソン・ドンユン | <2008>ソ ウルが見えるか? |
出演 |
ユ・スンホ |
<2002>お
ばあちゃんの家、<2003>チャ・テヒョンのハッ
ピー☆クリスマス、<2004>非日常的な彼女、 |
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【レビュー&ネタバレ】 |
2008年5月公開。観客動員数は、約5万人。 映画館へ行ってまで見たいと思える映画ではないのだ。 TV放送ならば、見てみようかな... という気にはなるでしょうけれど。 面白いわけでも、感動があるわけでも、泣けるわけでもないけれど、心の温かくなる小作品。 人里離れた島の分校にやってきた新米教師ウニョン。 村や島民という小さな集団は仲間意識が高くよそ者を受け入れないという場合はよくあることです。 ウニョンも、「教師」ということで崇められても、やはりよそ者で受け入れてもらえない面もあります。 その中で、孤軍奮闘する新米教師の姿。 そして、徐々に理解を示し、ウニョンを受け入れる島民たち。 純朴で心温かい島民の人間らしさに触れ、一つになっていく。 そして、同じく純朴な子供たち。 その中で、アル中の父と、島から逃げた母を持つギルスとヨンミ兄弟がクローズアップされていきます。 現在では感じられなくなった「教師らしさ」 聖職と呼ばれていた頃の教師を見ることができます。 自分の想いだけで突っ走ってしまい、結局ギルスたちを傷つけてしまったのも、新米ゆえの浅はかさでしょう。 熱意と失敗。 ウニョンを通じ、喜びや悲しみを感じることができます。 そして、ギルスとヨンミの兄弟愛も、心温かくさせてくれます。 今では忘れられた「恩師」というものを、見ることができます。 教師はぜひ見て欲しいです。 ↓ ストーリーを簡単に。結末ネタバレですのでご注意を ↓ ギルスは教え子想いの小学校教師。 児童の一人、ミヌの母親は病気で入院している。 ギルスはミヌを常に気遣った。雨が降れば傘を手渡してやり、励ましの言葉をかける。 ギルスは校長に、自分の故郷であるシンドへ、 子供たちを学習旅行に連れて行きたいと願い出ていたが、却下される。 そういった行事は父兄が嫌がるのだと。 余計なことは考えるなと叱責される。 1970年代.... ギルスはシンドの分校の小学生だった。その分校へ赴任してきた心配教師ウニョン。 ウニョンは、自分の父が捨てた島へ戻ってきて教師になったのだ。 村人たちは褒め称える者もあれば、いつまで続くか...と、若者の気まぐれのように思う者もいた。 ギルスは一人シンドへと向かった。 懐かしいシンド分校.... ウニョンは黒板に自転車の絵を描いた。子供たちにとっては、見るのも聞くのも初めてだ。 ウニョンはソウルには、自転車がたくさん走っていると子供たちに教える。 そして、ソウルへ修学旅行へ行くことを発表する。 ソウルの菓子工場が、シンド分校の生徒12名を招待してくれたのだ。 ギルスとヨンミ兄弟は、来る日も来る日も海岸に座り、島を出て行った母を待っていた。 ギルスのアル中の父は、そんなギルスらを叱責する。 そんな風に待っても帰って来ないと。 翌日、子供たちの表情が皆暗かった。 修学旅行の話を持ち出し両親に叱られたり叩かれたりしたのだと。 ウニョンは一軒一軒子供たちの親に会って説得するが受け入れられない。 ウニョンは自分たちで旅費を作ろうと、アサリを掘り売ることを思いつく。 しかし思惑はハズれ、アサリは全く売れない。 しかも村長に遭遇し、「教師がみっともない真似をしてくれるな」と、とがめられる。 子供たちはアサリを掘ることも禁じられ、ウニョンはたった一人でアサリを掘り続ける。 そうするうちにウニョンは熱を出して寝込んでしまう。 それを見て心を痛めた島民らは、心を入れ替え「これからは優しくする」と言って、 アサリ掘りに自ら参加し始めた。 ウニョンは残るギルスの父を説得する。「お金が負担ならば、自分が出す」とまで言って。 しかしギルスの父は首を縦には振らない。 そして修学旅行当日。ギルスは「一度だけオンマの顔を見てくる」と置手紙を残し、 ヨンミと共に修学旅行に出かけてしまう。 ギルスは母から届いた手紙を感慨深げに眺める。 果たして、母には会えるのか。 ようやくソウルへ到着し、苦心の末に宿をみつける。 子供たちにとっては、冷蔵庫やテレビなど、物珍しいものばかりだ。 シンドの分校で同級生のユンボクに出会ったギルスは、ウニョンの消息を尋ねる。 ギルスとヨンミ、ユンボクは、自転車をみつけはしゃぐうちに皆からはぐれてしまう。 中華店の店主に出会った三人は、 「自分の言うことを聞けば、飯も食わせてやるし、金もやる、自転車も修理してやる」と言われ、 中華店で働くことに。 ギルスは中華店にユンボクだけ残し、母を捜しに向かう。 ユンボクはなけなしの金をギルスに与える。 「絶対にオンマをみつけろよ」と。 一方、ウニョンはギルスらを捜すために子供らを先輩の勤務する小学校に預ける。 しかし子供らは、ソウルの都会っ子に、「乞食」といじめられ、ワンワン泣き出してしまう。 ギルスらを捜すウニョンは、ギルスの父の言葉を思い出す。 「ワシは皆に嘘をついていた。ギルスの母はソウルへ生活費を稼ぎに出て、火事で亡くなった」 ギルスはそんなことも知らずに、手紙の住所までやってくる。 しかし、母の店は存在しなかった。 雨が降りしきる中、ウニョンはギルスらを捜す。 ようやくギルスとヨンミをみつけたウニョン。 ギルスとヨンミはウニョンに抱きつき泣き出す。 ウニョンもまた、真実を話さずにこんなことになってしまい「ごめんね、ごめんね」と、泣きながら謝る。 成人したギルスはある場所に呆然と立ち尽くす。 そこには、ウニョンの墓があった。 ウニョンは、最後までギルスらのことを心配しながら亡くなったと。 ギルスはウニョンの墓にすがり、涙を流す。 夏休みが終わった。 夏休みの思い出を発表することが宿題だ。 誰もが楽しい夏休みを過ごしていた。 その中で、病人の母を持ったミヌだけが子供らしい夏休みを過ごすことができなかった。 しかし、ミヌは母が家に一時帰宅し一緒に過ごし嬉しかったと話す。 子供たちは、ミヌの話にまったく興味を示さない。 「先生は、ミヌの思い出が一番よかったと思うが、どうだ?」 ギルスは子供らに尋ねる。 すると、子供たちは拍手喝采でミヌの思い出を褒め称えた。 END |
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