スカウト  Scout 
 原題:スカウト 스카우트(スカウトゥ) <2007>

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華麗なる休暇を夢見た大学野球部職員ホチャン(イム・チャンジョン)に、不可能 なミッションが下される。 ライバル大学との3連敗という恥辱を晴らすため、当時、世の中を沸かせた光州一高3年ソン・ドンヨル(宣銅烈)をスカウトしてこいという命を受 けたこと。

光州へ突然派遣されたホチャン。ライバル大学の陰険な妨害工作の気勢まで感じられる中で、捉えに来た怪物投手ソン・ドンヨ ルの代わりに彼が出会ったのは、7年前に別れた恋人のセヨン(オム・ジウォン)。ブルース・リーが死んだ日に、突然別れを宣告して消えたセヨンは、7年ぶ りに再会したホチャンを 気まずく思い、セヨンに片想いする町内一の力自慢ゴンテ(パク・チョルミン)は、ホチャンを威嚇し始める。

決定権を握っている怪物投手の両親は、びくともせず、ソン・ドンヨルがライバル大学にスカウトされたという噂にソウルはひっくり返る。ドン ヨルの顔もまだ見ることすらできないホチャンは、ゴンテを引き込んだ連合作戦「ソン・ドンヨル ポッサム作戦」まで繰り広げる。

ホチャンは、果たして怪物投手のスカウトに成功できるだろうか。彼女は、7年前に本当にブルース・リーのためにホチャンと別れたのだろうか。ホチャンが ソン・ドンヨルを探し回った9泊10日の最後の日、世の中が知らなかった秘密が明らかになる。
【予告編】
監督 キム・ヒョンソク <2002>爆裂野球団!、<2005>クァンシクの弟クァンテ、<2007>スカウト

出演

イム・チャン ジョン(任昌丁)

出演作品一覧
オム・ジウォン <2002>オー バー・ザ・レイン ボー、<2003>トンケの蒼い空、 <2004>ス カーレット・レター
<2005>美しき野獣、 <2006>秋へ、<2007>奇 談、<2007>スカウト、 <2008>良い奴、悪い奴、変な奴
<2008>知りもしないくせに

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【レビュー&ネタバレ】
2007年11月韓国公開。
観客動員数は、約30万人という、なんともみすぼらしい数字。
ゴミ映画は、観ると余計にストレスが溜まるだけなので、
興味のない映画は観ないと決めたmoca.
しかし、この映画が光州事件について描かれていると知り、
これは見ないと!と、気が変わったわけでございます。

同年7月に公開された光州5・18は、700万 人近い動員を記録した大ヒット作。
光州5・18は光州事件を真っ向か ら描いた重く、涙なしでは見られない感動作。
一方このスカウトは、光州事件が1つのモチーフとなった、コメディー風の感動作。
もちろん、涙なしで見られます(笑)
光州事件は重いテーマですが、気軽に楽しめ、そして、胸にズシンと残ります。
光州5・18と、このスカウト、 セットで見て欲しいですね。
この映画を観ただけでは、光州事件はわかりませんから。

実は、2008 百想芸術大賞 シナリオ賞 を受賞しているのです。
(イム・チャンジョンは最優秀男子演技賞を受賞)
脚本よければ... と、ちょっと淡い期待はしてました。
このところ満足できる映画がなく、ゴミ映画として捨てようとしていた映画に当たりが(笑)
ちょっと得した気分。
だいそれた映画ではありませんが、しっかり練られたヒューマンドラマ、
そして、ちょっとラブストーリー、興味深いテーマに満足できることと思います。
前半はコメディータッチで笑えますが、後半は重いテーマに突入します。
笑いたいだけであれば、避けた方がよいでしょう。
悲しくせつない愛の物語だったりするのです。
愛する人を守るために戦った男の物語。
タイタニックのような大作でもなく、シザーハンズのようなファンタジーではないけれど、
これらに通ずるせつない余韻が残ります。
久々の心温まる映画。

タイトルやポスターなどからして、有力選手のスカウト話がメインだと思うでしょう?
「ホチャンは、果たして怪物投手のスカウトに成功できるだろうか」
が、話のメインではなく、
「彼女は、7年前に本当にブルース・リーのためにホチャンと別れたのだろうか」
の方が映画の軸になります。

実は、この映画に出てくるソン・ドンヨル(宣銅烈)は実在の人物。
日本で中日ドラゴンズで活躍したこともある、韓国のスーパースター。
エンディングでは、現在のソン・ドンヨルが映し出されます。

あらすじにあるイ・ホチャンが憧れた’華麗なる休暇’は、光州事件のことではありません。
(華麗なる休暇とは、光州事件の鎮圧軍の作戦名)
この映画は、光州事件の10日前からの10日間を描いております。
イ・ホチャンは、溜まっていた有給休暇を全部使い切るつもりで休暇届けを出しますが、
部長の入院により、急遽光州へ行かされるハメに。
華麗なる休暇が、別の意味で華麗なる休暇になるとは、なんともまぁ、見事(笑)

イム・チャンジョンは、この役は自分のイメージではないと、2回も断ったそう。
確かに、イム・チャンジョンのキャラではないかもですね。
前半はイム・チャンジョンお得意のコメディーですが、後半一気にシリアスムードになります。
ですが、この映画はイム・チャンジョンの出演がなければ、
中途半端な映画に終わっていたかもしれません。
ペク・イルソプとのキャッチボールシーンがありますが、
アンダースローのピッチングも見事!
惚れ惚れします。

逆に、ミスキャストなのが、パク・チョルミン。
そもそもこの映画はコメディーだと思っていたので、
パク・チョルミンがメインキャストに上り詰めたことに、心より喜んでおりました。
しかし、出てきた瞬間ヒゲ面のヘンテコな容貌、ガックリきましたね。
そして、見れば見るほどミスキャストぶりが目に付いて.....
パク・チョルミンは最高のコメディ俳優です。
光州5・18 はハマっていたんですけどね。
男らしいソ・ゴンテには役不足だったようです。
話によれば、パク・チョルミンはキャスティングされたわけでなく、
「自分がやる!」と、うるさくてしつこいので、やらせたそうです(^-^;;;
どうりでね........

キャスティングに成功すれば、半分は成功を約束されたようなもの。
この映画は、キャスティングは素晴らしい。

ペク・イルソプやヤン・ヒギョン、イ・ゲインらのベタラン陣のおかげで、
映画は安定し、ぬくもりとおかしみが溢れました。
映画では拝むことのできないイ・ゲインが特別出演しているというのもすごいですね。
ヤン・ヒギョンとの、愛の群像での夫婦役があってのことでしょうか?
イ・デヨンも、カメオ並みの短い出演ですが、さすがのインパクト!

ペク・イルソプ、ヤン・ヒギョン夫婦は情深い夫婦で、
笑顔で終われる映画にして欲しかったです。
まるで裏切ってしまったかのような最期が悲しい。

納得がいかないのが、ライバル大学のスカウトマン。
キム・ヒウォンは、2007年に突然湧いてきて3本の映画出演。
しかも、3本とも、イム・チャンジョンの主演作。
何度見ても忘れそうな薄い顔に、個性も無く味もない演技。
こんな大役ありえません。
おかしいって!
コネ出演?キム姓なら、奥さんがらみ?

【イ・ホチャ ン】
イム・チャンジョン
【キム・セヨ ン】
オム・ジウォン
【ソ・ゴンテ】
パク・チョルミン
【体育支援部競 技部長】
イ・デヨン
【ドンヨルの 父】
ペク・イルソプ
【ドンヨルの 母】
ヤン・ヒギョン
【チョン・ピョ ンファン】
キム・ヒウォン
【インチキ牧 師】
イ・ゲイン

+ + + + +

ストーリーは、大学野球部職員のホチャンが、有力選手のスカウトのため
光州に行かされることから始まります。
そこで、7年前に突然別れを告げられたセヨンと再会。
ホチャンがスカウトしにきたソン・ドンヨルはライバル大学へ既に内定しており、
会いたくても、ライバル大学のスカウトマンの妨害で会うことすら叶わない。
そんな時、セヨンが母の還暦祝いにホチャンを招待。
気が進まないホチャン。
見知らぬオバさん軍団の席に座らせられ、
酒豪オバさんたちを相手にひたすら飲まされる。
そんな時、オバさんの中の一人がドンヨルの母であることを知り、
ドンヨルのことで苦労しているホチャンを見かねたセヨンの気持ちだということを知る。
セヨンのおかげで、ドンヨルの両親に接近できたホチャン。

ついには、ドンヨルの父と、契約の口約束までこぎつける。

さぁ、これから契約だ。

ホチャンは礼と別れの挨拶のために、セヨンの職場を訪ねる。
しかし、そこでデモが勃発。
ホチャンはデモと鎮圧軍の争いに巻き込まれ、警察へ連行されてしまう。
ホチャンはドンヨルのスカウトのために光州に来ただけだと確認が取れ釈放されるが、
そこで、取調べを受けるセヨンに会ってしまう。
ホチャンを庇って「こんな人知らない」と、セヨンは言い放つ。
そのおかげで、ホチャンは釈放され、ドンヨルたちとの約束の場所に向かう。
ドンヨルの父を待つ間、ドンヨルのユニフォームを見ながらホチャンは思い出した。
大学時代、シマのユニフォームを着たことがあったと....
シマのユニフォームがキライだと言っていたセヨンの言葉が蘇るホチャン。

↓ 結末ネタバレ、ご注意を↓

そう、シマのユニフォームを初めて着たあの日.....
突然告げられた。
ゼッケンとマークを剥がせと。
そして、わけもわからず、校内デモの鎮圧に借り出された。
金属バッドで学生らを殴りつける野球部員。
ホチャンはうろたえてどうすることもできない。
そんな時、ケガをしていた部員の一人が暴行されているのを見て、ホチャンは逆上。
部員を助けるつもりが、いつのまにか学生らをバッドで殴り倒していた。
そして、その学生デモ隊の中にセヨンがいたのだった。
ホチャンの行動を信じられないという表情で涙を流しながらみつめるセヨン。
そう、そして、あんな人はホチャンではないと、別れを告げられたのだ。
その日はブルース・リーの亡くなった日。
ホチャンは、思い出したくない記憶をすべて消し去っていたのだった。
あの日の記憶、セヨンの涙、すべて蘇るセチャン。
セチャンはドンヨルを店に残し、飛び出した。
ゴンテの力を借り、警察へ乗り込みセヨンを救出したホチャン。
ゴンテにセヨンを任せると、ドンヨルの元へ向かった。
ある約束をゴンテと交わして。

ドンヨルの待つ店へ電話をするホチャン。
しかし、そこで警察に捕まってしまう。
セヨンはゴンテに守られ無事だった。
光州事件の10日間、セヨンはゴンテの監視下に置かれた。
セヨンとしては不本意でも、そのために命が救われた。
それが、ホチャンがゴンテと交わした約束だった。
ドンヨルとは契約できず、ドンヨルはライバル大学へ進学。
そして、韓国のスーパースターとなった。

ホチャンの消息は時々耳にするが、あれ以来会うことはない。
セヨンは今では二人の男の子の母となっていた。
そして、TVに映るドン・ドンヨルの姿に涙を流すセヨン。
ソン・ドンヨルがいなければ、あの短い春の再会すらなかっただろうと......

END

なんせ、あの光州事件ですからね....
ホチャンは殺されてしまったのでは?と心配になりましたが、
生きていたことがせめてもの救いですね。
ホチャンも可哀想ですが、ドンヨルの父のあの寂しそうな後ろ姿も忘れられません。
裏切ったわけではないことを、知らせて欲しい。





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