ペントハウス エレファント  Searching For The Elephant 
 原題:ペントハウス コッキリ(象) 펜트하우스 코끼리 (ペントゥハウス コッキリ)<2009>

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5年間つきあった恋人に捨てられたフリー写真作家ヒョヌ(チャン・ヒョク)。背 信と 喪失感のせいで、彼女に対する執着が彼をメチャクチャにする。それでもヒョヌは、相変らずカッコいい車に乗り、ゴルフをし、毎日派手で熱い夜を送ってい る。

常に新しいパートナーと一緒にいる整形外科専門医のミンソク(チョ・ドンヒョク)は、何一つ不足ない完璧な妻がいるが、病院、風俗店など、スポーツカーで 清潭洞をあちこちを回りながら、刺激的な関係で一日一日を際どく生きている。

成功した外資系金融専門家になり友人の前に12年ぶりに現れたジニョク(イ・サンウ)は、久しぶりに集まった三人の友だちとの刺激的な私生活が続く中、長 年の初恋の 人であるミンソクの妻スヨン(イ・ミンジョン)と隠密な関係に陥り、三人の男たちの関係は、微妙に変化していく。

表面では完璧なほど派手な人生を送っているが、隠密で利己的な愛に陥った三人の友人たちは、ジニョクとスヨンの関係がミンソクに明らかになり、彼らの人 生が根こそぎ揺らぐ予想できない事件に巻き込まれる。

悪い男たちの利己的な愛がもたらした元に戻せない事件。三人の男たちの完璧な人生が崩れ始める。
【予告編】
監督 チョン・スング <2009>ペントハウス エレファント

出演

チャン・ヒョ ク(張赫)

出演作品一覧
チョ・ドンヒョク <1998>チャン、<2002>ひとまず走れ!、<2004>顔のない女、<2005>秘愛 Secret Love、
<2009>ペントハウス エレファント
イ・サンウ <2006>青 春漫画~僕らの恋愛シナリオ~、<2006>ドント・ルック・バック、<2008>腹黒い母娘
<2009>ペントハウス エレファント
ファン・ウスレ <2008>ミ スにんじん、<2008>過速スキャンダ ル、<2008>ペントハウス エレファント
<2009>渇き Tirst 、<2010>暴風前夜

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【チェ・ヒョ ヌ】
写真作家
チャン・ヒョク
【ユン・ミンソ ク】
美容整形外科医
チョ・ドンヒョク
【サ・ジニョ ク】
外資系金融専門家
イ・サンウ
【チェ・スヨ ン】
ミンソクの妻/ヒョヌの妹
イ・ミンジョン
【チャン・ミン ジョン】
精神科医
ファン・ウスレ
【レビュー&ネタバレ】
2009年11月公開。観客動員数は、約14万人。
チャン・ヒョク主演でもこの数字。
韓国でも不評でしたね。
恐らく、観た方の 80%以上がガッカリする こ とと思います。

奥が深いといえば、深い。
監督の哲学がたっぷりと詰まった映画。
しかし、映画としての趣旨があまりにもあやふや。
何が言いたかったのか、まったく理解できず。
ストー リー重視の方には、ぜーったいに勧め ません!

映画に求めるものは人それぞれでしょう。
ですから、ストーリー以外の魅力に惚れこむ方もいて当然だと思います。
ストーリーは破綻しておりますが、奇抜なアイディアや表現などは評価できると思います。
但し、極わずかな人にしか共感されないと思いますが........

予告編は、テンポよく刺激的に仕上がっていると思います。
実際の本編はダラダラとして何の刺激もありません。
なんてったって、約2 時間30分の 映画ですヨ!
こんなナゲー映画は初めてだ。
こんなにたっぷり時間があるのに、事件の謎は明らかにならないまま曖昧に。
あまりにも非現実的すぎて理解に苦しむ。

人間の弱さ、脆さ、勝手さ、狡猾さ.... 人間の奥底を深く描いています。
どんな人間にも、弱い面とズルイ面がある。
5年間付き合っていた恋人に捨てられ、未だにその傷を抱えたまま苦しんでいるヒョヌ。
一番良心的で、最も人間らしい。
それでも、自分の妹の夫であり親友であるミンソクが多くの女と関係を持っているのを黙認してしまうズルさがある。
妹にも打ち明けず、親友を制止することもなく傍観している。
そのズルさの裏側には、親友を失いたくないという弱さがあってのこと。

複数の女と所構わず関係を持ってしまうSEX依存症のミンソク。
それでも、妻を失いたくない。
どんな女と寝ても、朝は妻スヨンと目覚めたい。
しかし妻を12年ぶりに現れたジニョクに奪われてしまう。
そして、全ての罪から狡猾に逃げ、全てを自分の思い通りに治めてしまう。
人間なら誰でも持つ自己防衛がミンソクを狡猾にした。

親友の妻スヨンが長年の初恋だったジニョクは、ようやくスヨンを手に入れる。
親友の妻を奪う以外は、最もまっとうな人間。
心の中に人には言えない心の傷を抱え、姿を隠していた12年間。
人生がジニョクに数々の教訓を与えた。
ヒョヌの心の傷を理解し、心からヒョヌを応援する懐の深い男。
しかし神は、彼に慈悲を与えなかった。

いつしか夫と他人のようになってしまっていたスヨン。
成功したジニョクと12年ぶりに再会し、夫に隠れて不倫の恋へと走る。
しかしその恋にどうすることもできない終わりが訪れ、自分の身を守るために夫と再びやり直す狡猾さを見せる。
夫の真心に触れたスヨンの心は揺れた。
それは感動にも近かった。
女心が揺れたのか、それとも、単なる自己防衛と虚栄心にしか過ぎないのか。
ヒョヌは、そんな妹とミンソクを理解できない。

いろんな人間の感情が入り混じり、複雑に絡み合った人間ドラマ。
メインキャスト以外の人間からも、人間の裏側が見えます。

チャン・ヒョクは実力派俳優の看板が欲しいのでしょうか。
続けざまに文学的作品に出演していますね。

イ・サンウが男っぽく成長したのには驚き。
これからに期待。できれば、御曹司役が見たい。

チョ・ドンヒョクは、ミス・キムの10億作りでイイ味出して好きだったのですが、
イメージがガラリと変わってしまって残念。

期待通りだったのはファン・ウスレ。
彼女には正統派メローはやはり似合わない。
今回はファン・ウスレらしさが垣間見れて、なかなか良かったです。
ただ、ファン・ウスレはヒョヌを捨てた恋人マリの二役を演じているんです。
なぜ二役を演じさせたのか謎。
ヒョヌのセリフに、「彼女の顔が思い出せなかった」とありますが、それと関連があるのでしょうか。
思い出せないマリの顔にミンジョン先生の顔が重なったのか、
マリに似ているミンジョン先生に無意識に惹かれたのか、
こういう曖昧さがたまらなく不快です。

余談ですが、ミンソクの愛人の一人は性上納が原因で自殺したチャン・ジャヨンが演じています。
映画の中でも自殺してしまうのがなんとも複雑な気持ちになります。
性上納の上に入ってくる仕事も脱ぐ仕事では、あまりにも可哀想です.....

ミンソクの元愛人役で元Sugarのスジンも ちょこっと出演しております。


↓  結末まで簡単にストーリー紹介(結末ネタバレ) ↓




5年間つき合った恋人に捨てられ、未だにその傷を引きずるヒョヌ。
電話が鳴っていないのに鳴っている幻聴に苦しめられ、携帯電話が離せない。
(このシーンのアイディアは斬新で面白いですね)




常に異なる女とSEXしないといられない美容整形外科医のミンソク。
しかし何者かがミンソクに対し嫌がらせが始め、ミンソクは心穏やかでない。




そのミンソクの妻スヨンと不倫に陥り、スヨンは子供まで妊娠してしまう。




ヒョヌに「SEX依存症だ。専門医に診て貰え」と諭され、ミンソクはカウンセリングと検査を受けることにする。




ミンソクの付き添いで行った病院で、ヒョヌは自殺を図ろうとする。
それを女医に見られてしまう。ネームプレートには「精神科医 チャン・ミンジョン」と書かれていた。
ミンジョンは「話を聞くわよ」と、その場でヒョヌのカウンセリングを始める。
ミンジョンは告げる。「記憶は良いものだ」と。すぐに過去の良い出来事を再現できる。
誰でもそんな良い記憶があるはず。思い出してみてと。




SEX依存症の治療のために、ミンソクは関係を持った女性一人一人を謝罪しに訪ねる。
一方ヒョヌは、数年前に撮影した女子高生の写真を思い出し、女子高生を訪ねることにする。
その女子高生が、ヒョヌにとって良い記憶だった。
しかしその女子高生は既に事故で亡くなっていた。落胆するヒョヌ。
訪ねなければ良かった。そうすれば彼女は、俺の記憶の中、写真の中で生き続けていたのにと。




嫌がらせの相手から、今度はメールが送りつけられてくる。
それは、妻スヨンとジニョクの不倫の場面だった。
ミンソクはこっそりとスヨンの後を尾行する。
驚くことに、スヨンが入った場所は産婦人科だった。妻が妊娠したことに驚愕するミンソク。




ミンソクはスヨンに「やり直そう」と、ブレスレットを贈る。




ミンソクは、愛人のヘミにも別れを告げる。
だが、懲りずにまたもやヘミとSEXしてしまう。その上、冷たくヘミを捨てる。
その場面を、ヘミのマネージャーにみられてしまう。
ヘミのマネージャーはヘミを愛していた。




ミンソクに捨てられたヘミは、ミンソクをマンションに呼び出し自殺してしまう。
ミンソクは今までの嫌がらせの主がヘミであることを知る。
自分の痕跡をきれいに拭い逃げ去るミンソク。




しかし車で逃げ去るところをヘミのマネージャーのドンウォンに見られてしまう。
その車はミンソクがヘミに買い与えた車だった。
ドンウォンは自分を呼び出しておいて出かけてしまうへミを訝しがる。
まさかヘミが自室で自殺しているとは思わなかった。




ヒョヌは変わろうと努力しているミンソクが哀れで、スヨンを責める。
しかしスヨンもミンソクには限界だった。
ミンソクの部屋で自慰で射精したティッシュをみつけてしまったのだ。
「兄さんの妹はティッシュ以下の存在だ」と、スヨンも怒りをぶつける。
ミンソクが浮気をしているのを知りながら、ミンソクと一緒にいるだなんて兄とは思えないと。




ヒョヌは突如ミンジョンに会いたくなり、病院から連れ去る。
2人はSEXする。
しかしミンジョンはとんでもないことを言い出す。
自分はタイムマシーンに乗って未来から来たのだと。
アメリカと中国が戦争を始め、韓国にKSDをばら撒いた。KSDとは、韓民族の男性にしか効かない薬で、
韓民族の男性ホルモンを変質させ、生殖能力を奪うのだと。
民族の滅亡を恐れ、優秀な精子を体内に入れて持ち帰るのが自分の任務だと。
ミンジョンは語ると、タイムスリップ・ポイントへ向かって走り去ってしまう。




スジンはミンソクと別れジニョクについて行く決意だった。
その前にミンソクと話くらいしてやれというヒョヌの言葉に従い、四人はスジンのレストランの厨房に集まった。
しかしそこで思いもよらぬ事件が起きる。
ヘミのマネージャーであるドンウォンが、ヘミを捨てたミンソクを恨んで乱入してきたのだ。
ドンウォンはヒョヌをミンソクと勘違いし包丁を向ける。
しかし、思いもよらぬことに、誤ってジニョクが刺されてしまう。
大量の血が流れ出る。
ミンソクは思わずドンウォンの頭をフライパンで殴打し、死なせてしまう。
息の根のジニョク。
「気胸だ」
ミンソクはジニョクは助からないと言って、ジニョクの口を塞ぎ死なせる。
早く楽にさせるつもりだったのか。
それとも、スジンを渡したくなくて殺したのか。
ミンソクは2人の遺体を車のトランクに詰め、遺体を隠すために奔走する。
脳震盪で死んだドンウォンの遺体は、ビルの屋上から路上に投げ捨てた。
しかしビルの外に出ると、路上に落ちているはずのドンウォンの遺体が見当たらない。
それどころか、ジニョクの遺体が入った車が、車ごと消えていた。
(結局、この消えた車の謎は明らかにならず)




ヒョヌの元へ刑事が訪ねて来る。(冒頭へ戻ったところですね)
「行方不明者について尋ねたい」と。
ヒョヌは死んだ2人のことが頭によぎる。
しかし、出てきた名前は、「ペン・ボヒョン」という女性のことだった。
全く心当たりのないヒョヌ。
実は、「ペン・ボヒョン」というのは、精神科医チャン・ミンジョンのことだった。
精神科医などでなく、彼女は患者だったのだ。
(以降も、チャン・ミンジョンで統一します)
ミンジョンはあの病院で治療を受けていたが暴れるため、白衣を着せたら落ち着いたのだと。
医師と同じ白衣を着ることで、立場が同じだと意識し、落ち着いたのだろうと。
チャン・ミンジョンというのは、白衣の持ち主の研修医の名前だった。
呆然とするヒョヌ。




愛するジニョクが目の前で亡くなりショック状態のスヨン。
タバコを吸うスヨンをミンソクはとがめる。「お腹の子に悪い」と。
「いつから知ってたの?」
スヨンは驚く。
「俺たちの子だ。養子も考えていた。堕ろすなよ」と、ミンソクは告げる。
「家族としてやり直そう」と。
(ミンソクは無精子症のようです)
自分を泣きながら抱きしめるスヨンはミンソクを受け入れ、やり直すことを決意する。
そこへヒョヌが訪ねて来る。
「2人でハワイへ旅行に行く」
と聞いたヒョヌは怒りが湧き上がる。信じられないと。
「アイツが俺の妹だなんて思えない」
ヒョヌはスヨンを責める。
ジニョクが死んだばかりなのに、2人の行動はとてもヒョヌには理解できなかった。
ヒョヌは、ジニョクは殺されたのだと考えていた。
ミンソクはジニョクを思って死なせたのではなく、殺したのだと。




そんな時、ニュースが流れる。
ヘミのマネージャーであるドンウォンの遺体が発見されたというニュースだ。
ミンソクとヒョヌがビルから遺体を投げ捨てた時、ちょうどバスが通りかかり屋根の上に遺体が落ちたのだった。
そしてドンウォンの死は自殺として処理された。
「俺たち助かったぞ!」
ミンソクは手放しで喜ぶ。




漢江に佇むヒョヌ。
そこへ、ミンジョンが突然現れた。
「会いたかった」
ミンジョンはそう言って頭を掻く。
(このトボけた感じが、さすがファン・ウスレ!という感じですね)

ヒョヌはミンジョンを助手席に乗せ車を走らせる。
「どこへ行くの?」
ミンジョンは尋ねる。
「未来へ」
ヒョヌは微笑む。

対向車線に車がやってくる。
すれ違った瞬間、車の中からジニョクが微笑む。
ヒョヌも微笑み返す。

END

最後のジニョクはいったい何なんでしょう。
遺体はどこへ行ったんだー!

ヒョヌの妄想というか、願望のようなものだったのでしょうね。
ミンジョンと2人で未来へ向かおうとするヒョヌを、きっとジニョクは祝福してくれているだろうという。
なんだか、ジニョクだけ可哀想....



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