パラレルライフ   Parallel Life   
 原題:平行理論 평행이론(ピョンヘンイロン)<2010>

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最年少部長判事として出世街道を走るソッキョン(チ・ジニ)。美貌の妻(ユン・ セア)と可愛い娘まで... 他 人を羨むことなどない人生だが、ある日、妻のユンギョンが残酷な変死体で発見され混乱に陥る。

ソッキョンの法律大学同期であり、ユンギョンに片思いしてきたガンソン(イ・ジョンヒョク)は、事件を自ら進んで引き受け、ソッキョンの判決に不満を抱い てきたチャン・スヨ ン(ハ・ジョンウ)を殺害犯として検挙し、急いで事件を終結させる。

一方、失意に陥っていたソッキョンは、事件担当の女性記者からソッキョンが過去の人物のハン・サンジュン判事と全く同じ人生を送ることになる<平行理 論>に巻き込まれ、犯人として検挙されたチャン・スヨンが脱走し、ソッキョンとソッキョンの娘を殺害するという衝撃的な警告を聞くことになる。

ソウル大学法律学部を首席で卒業。最年少で部長判事に任命、美貌の妻の殺害まで... 自分がハン・サンジュンと30年の時差を置き、日付まで同じ生活を 送っていることを知ったソッキョンは、しだいに平行理論を確信し、30年前のハン・サンジュン事件を暴き始める。

しかし、誰かが30年前の資料を意図的に破棄し、捜査を助けた女性記者までが首を絞められ殺害された状態で発見される。

弱り目にたたり目で、ユンギョン殺害犯として逮捕されたチャン・スヨンまで、30年前の犯人と同じ日に逃亡する。

日本公式サイト:http://www.parallel-life.jp/

【予告編】
監督 クォン・ホヨン <2010>パ ラレルライフ

出演

チ・ジニ(池 珍煕)

<2002>H [エイチ]、<2003>もし、あなたなら~六つの視線~
<2005>如果愛(Perhaps Love) [香港映画]、<2006>チ・ ジニ×ムン・ソリ 女教授
<2007>なつかしの庭、<2007>ス SOO、<2007>まぶしい日に(特別出演)、
<2009>楽園-パラダイス、<2010>パラレルライフ、<2010>家を出た男たち

イ・ジョンヒョク <1999>シュ リ、< 1999>アタック・ザ・ガス・ステーション!、 < 2004>マルチュク青春通り
<2004>シン・ソッキ ブルース、<2005>Mr.ソクラテス、 <2006>卑劣な街
<2006>ある日突然 4番目の話-死の森、<2007>浮気す るのにいい 日、<2007>用 意周到 ミス・シン
<2007>ラジオデイズ、<2008>ミスにんじん、 <2009>パラレルライフ





【キム・ソッ キョン】
高等裁判所 部長判事
チ・ジニ
【イ・ガンソ ン】
検事
イ・ジョンヒョク
【ソ・ジョンウ ン】
ソッキョンの事務官
パク・ピョンウン
【ペ・ユンギョ ン】
ソッキョンの妻
ユン・セア
【ソン・ギチョ ル】
教授/殺人犯
オ・ヒョンギョン





【イ・チョル ヒ】
高等裁判所 長官
パク・クニョン
【ペ・ビョン ホ】
ユンギョンの父/判事
チョン・ハニョン
【パク・ウンボ ン】
元刑事
コ・インボム
【チャン・スヨ ン】
被告人
ハ・ジョンウ
【ハン・サン ジュン】
判事
キム・ギョンイク

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【レビュー&ネタバレ】
2010年2月韓国公開。観客動員数は、約93万 人。
日本でも、2010年7月24日に公開。
本国公開から半年で日本公開はかなり早い方。
こりゃあ、秀作だな?
と、勝手に期待。
しかし、秀作になりそこねた凡作という感じでしたね。
ひじょーに残念。素材がいいだけに。
時間を経て、全く別人が、全く同じ人生を歩んでいるという「平行理論(パラレルライフ)」
この題材はとても斬新で、興味をそそります。
見始めた頃は、「久しぶりに期待できる映画だぁー」と、ワクワクしたのですが、
中盤から失速し中だるみするわ、説明クサいセリフのオンパレード。
説明クサいのに、わかりづらい。
衝撃のラストが待っているのですが、説明云々を理解するのに必死で、
その衝撃すら、シラける結果に。
もっとテンポよく、観客をぐいぐい惹きつけ、衝撃のラストを迎えて欲しかったですね。
いかに「同じ人生を繰り返しているか」ということを説明しようとするあまりに、
映画に入り込めませんでした。
だらだらと中だるみして、緊迫感がまったくありません。
見せ方も下手ですね。
新人監督なんかでなく、優秀な監督に任せて欲しかった。
かなりの秀作になる可能性を秘めた作品でした。
動員数100万人を突破できなかったのも、致し方ない。
こじつけ、こじつけ、欺き、欺き...
観客を惹きつけるつもりが、逆にソッポを向かれてしまいましたな。

矛盾もひじょーに多い。
例えば、司法と検察は共存する立場ではないのに、当時検事だったパク長官が、
司法の英雄を守らなければならなかったと発言するのも、ちょっとおかしい。
ジョンウンが殺されてしまったのも納得がいかない。
制作陣は、「平行理論」を立証するために生まれた矛盾に気づかないのだろうか。

有能な監督はカットもウマい。
作品を客観的に観ることができるのだ。
よく、DVD特典に削除シーンが納められていたり、ディレクターズカット版を観たりすると、
見事に余分なシーンがカットされている。
そのシーンをカットしたことにより、テンポよくまとまっているのだ。
無能な監督は、これができない。

有能な監督の手でリメイクしてみて欲しいですね。
絶対に秀作になると思います。

「ダヴィンチ・コード」は大ヒット作なので、ご覧になった方も多いかと思います。
「ダヴィンチ・コード」のような映画がお好きな方に向いている作品だと思います。
萌香は、小説を読まずに映画を観てしまったからいけないのかもしれませんが、
「ダヴィンチ・コード」は、まーったく面白くありませんでした。
大ヒット作だというのに。
この手の映画は萌香との相性が悪いのかもしれません。
あまり萌香の言葉を鵜呑みにせず、気になったら観てみてください。

この映画で、ソン・ギチョル教授が、「レッドアイ」と、言い放ったエピソードにはゾクゾクしました。
あとは、説明くさい内容で、惹きこまれませんでした。

この映画は、全く別の人物が全く同じ運命を生きる「パラレルライフ」に焦点を当てています。
興味深いといえば興味深いし、こじつけといえばこじつけですね。
この長い歴史の中で生きてきた人間の数は天文学的数字でしょう(?)
その中で、全く同じ運命を辿った人間が存在したとしても、奇跡とは思えない部分があります。
そして、「パラレルライフ」を題材に、同時に、腐った司法も糾弾しています。

この映画で容疑者として出演しているのがハ・ジョンウですが、
メインキャストから外れている助演級の出演です。
しかし、ハ・ジョンウをキャスティングしたのはチ・ジニだそうです。
ハ・ジョンウは既に二度も犯人役を演じており、ハ・ジョンウを見ただけで恐怖感に駆られると、
「君しかいない。君が演じなければ、他に誰が演じるんだ?」
と、自らハ・ジョンウを尋ねたと。
ハ・ジョンウはある条件を提示した。
自分が今撮影している低予算映画に、「兄貴役」として出演してくれたら出演してもいいと。
こうして、ハ・ジョンウのキャスティングが決まった。
この役のために、髪まで伸ばしたそう。

ジョンウンは、インフルエンスのオッドアイ。
初めての大役ですね。

ハン・サンジュン判事は、赤と黒(原題:悪い男)のキム・ナムギルの聾唖の父。




↓  結末まで簡単にストーリー紹介(結末ネタバレ) ↓

って言いながら、かなり細かく紹介してしまいました..... DVDだって発売されてるってのに.... ←あほ





妻を毒殺した罪で捕らえられたソン・ギチョル教授。
教授は、「これは運命だ。避けることができない」と、主張する。
自分は、ゲーテルと同じ運命を歩んでいるのだと。
教授は自ら「平行理論」という、パラレルライフについて述べた本の著者である。




リンカーンとケネディも、「パラレルライフ」であり、同じ運命を歩んだと。
「フォード」の車の中で暗殺されたケネディと、「フォード」劇場で暗殺されたリンカーン。
下院議員に当選した年、大統領になった年、ピッタリ100年という時差で同じ運命を歩む。
副大統領の名前も同じ。




そして、二人とも金曜日に暗殺された。
(詳しく知りたい方は、http://www.kjsei.net/example/04.htmlが 参考になると思います)




ソウル高等裁判所の敏腕判事キム・ソッキョン。
最年少で部長判事に任命される。




任命式をにこやかに見守る妻ユンギョン、娘イェジン、ソッキョンの事務官ジョンウン。
そして、陰でひっそりと見守るソウル大学の同期の検事ガンソン。




任命式の後、ソッキョンの家で祝賀パーティーが開かれた。
「検事や弁護士が控訴しても、すべて棄却。コイツはただ者じゃないと思った」
ソッキョンの上司でもある長官は、有能なソッキョンの自慢話に花を咲かせる。
ソッキョンの義父でもあるペ判事も、「我々判事のロマンだ」と、婿をベタ誉めだ。
「だから、うちの婿にしたんだ」と、負けずに自慢する。
それを陰で見守る検事のガンソン。密かにソッキョンの妻ユンギョンをみつめながら。
キム家には、幸せな空気が満ち溢れていた。
美しい妻のユンギョンも、ソッキョンに細やかに心配りする良妻賢母だ。
そこへ、事務官のジョンウンが顔を出す。
「見合いした相手は連れて来なかったのか?」
ソッキョンは尋ねる。
「お見合いされたの?」
ユンギョンは驚き、冷やかすように尋ねる。




そこへ、女記者のナム記者がソッキョンに声をかける。
「最年少部長判事で、奥様は美人。羨ましいですね。
そう... ご存知ですか?
最年少の部長判事ですが、初めてではないことを。
ハン・ジュンサン判事のことですよ。
30年前の今日、あなたと同じ歳で最年少判事に...」
ナム記者は語る。
一方的に好き勝手語るナム記者に、ソッキョンは不快感を露にする。




その時、ソッキョンの携帯に電話が。
「あぁ、おめでとうございます。今日は任命式ですね?のん気なもんだ」
その言葉に、ソッキョンは硬直する。
「どこかの誰かは地獄にいるのに、どこかの誰かは部長判事で祝賀パーティだ。世の中、腐ってる。
判事さん。娘さん本当に可愛いですね」
その言葉にソッキョンは驚愕する。
慌てて娘のイェジンの姿を捜すが、見当たらない。
しかしイェジンは書斎に隠れていて無事だった。安堵するソッキョン。




しかし妻のユンギョンと義父のペ判事が激しく言い争っているのを目にし、驚くソッキョン。
ペ判事は穏やかで、あんなに怒った姿は初めてだ。
「とぼけるな!確かな話を聞いたんだ!デタラメじゃない」
ペ判事は娘を問いただす。
しかしユンギョンは「後で話しましょう」と、話を打ち切る。
気にかかるソッキョン。




その夜、ソッキョンは殺人犯ソン教授の取調べの様子を映像で観察する。
自らをゲーテルと同じ運命を辿っているという「平行理論」に関心を持ったソッキョンは、
リンカーンとケネディについて主張される「平行理論」をインターネットで検索する。




インターネットの資料では、リンカーンとケネディが、100年という時差を経て同じ日に同じ結果を得ていることが
立証されていた。




ソッキョンは義父のペ返事と、事務官のジョンウンと三人で登山へ出かける。
山で不審な人物とペ判事は衝突する。
ぶつかってきた男を訝し気に振り返るジョンウン。




連なる山並みを見渡しながら、ペ判事は語る。
「これがヨンマ山だ。しかし昔は、この辺り一帯は全部合わせてアチャ山と呼んでいた。
名前が変わって紛らわしい」と。




検察庁に出勤したソッキョンは、ガンソンに「おめでとう」と呼び止められる。
「ソン教授に逮捕令状は出るだろう?」
そう尋ねるガンソンに、「精神鑑定が先だろう?」と、ソッキョンは答える。
「あれは、猿芝居だ。逮捕後にイカれたフリをしている」と、ガンソンは否定する。
「捜査の原則は非拘束だということを忘れるな」
ソッキョンはそう言い残して立ち去る。




事務室に戻ったソッキョンは、机にサンドウィッチが用意されていることに首を傾げる。
「さきほど食事を頼みましたよね」
ジョンウンは答える。
ソッキョンには、まるで記憶にない。
「最近物忘れがひどくて困る」と、ソッキョンは苦笑する。




帰宅したソッキョンは、自室で仕事に打ち込む。
そんな仕事熱心なソッキョンに、妻のユンギョンは珈琲を勧める。
珈琲を飲んだソッキョンに、眠気が襲い掛かる。
その頃、監視カメラに不審な人物が映されていた。




そのまま眠り込んでしまったソッキョン。そこへ、携帯電話が鳴り、起こされる。
相手は名乗りもせず、ソッキョンを脅す。
「てめーの家族を皆メチャクチャに斬り殺してやる」と。
慌てて妻のユンギョンを捜しに寝室へ向かうが、ユンギョンはいない。
胸騒ぎがするソッキョン。
翌日、妻のユンギョンがヨンマ山で惨殺死体にて発見された。
ショックで酒に溺れるソッキョン。




ペ判事は、ガンジンを呼び出す。
「大変だとは思うが、非公開で捜査して欲しい」と。
そしてガンジンに詫びる。
「我が家に検事の婿を迎えたかったが、我が家も事情があってできなかった。すまなかった」と。
ガンジンはユンギョンに片想いしていたが、ユンギョンはソッキョンの妻となったのだった。
「うちのユンギョンは...」
ペ判事は何かを言いかけたが、ペ判事は言葉を濁す。




娘のイェジンを連れ車で外出しようとするソッキョンの車の前に、ナム記者が飛び出してくる。
「遺体は本当に奥様ですか?なぜ捜査を非公開に?」
ナム記者の質問で、イェジンは母が死んだことを悟ってしまう。憤るソッキョン。
ナム記者も、自分が犯してはならない失敗を犯したことを悟る。




帰宅したソッキョンは、郵便受けに切手の貼られていない封筒をみつけ海風する。
そこには、1枚のメディアとナム記者の名刺が...
「これで許してください」というメモと共に。
そこへ、またもや脅迫犯からの電話が鳴る。
電話は、ガンジンらの手により逆探知されていた。
脅迫犯に憤り怒鳴りつけるソッキョン。
「まだ何も始まっていないのに、もう興奮しているのか?」
脅迫犯は笑う。
「理由を言え」
ソッキョンは言い放つ。
「理由?おまえの判決で、人生台無しだ」
脅迫犯は告げる。
「「よく聞け、これからが始まりだ」
脅迫犯は再び脅す。




逆探知は成功する。電話がかけられた公衆電話を張り込むガンジンら。




ソッキョンは、自分が判決を下した裁判の記録を片っ端から調べる。
しかし、誰もが犯人に思えてしまう。




その頃、ガンジンらが張り込んだ公衆電話で、脅迫犯の声がキャッチされる。
声紋が一致した。犯人だ!




一方、判決記録を片っ端から調べているソッキョンの元へウンジョンが。
少し休むようにと。
そして、記録を手にしてハっとする。
「この男、ヨンマ山で見た」と。




その頃、ガンジンらも脅迫犯を追い詰め逮捕していた。
男の名はチャン・スヨン。




ガンジンらは、スヨンを起訴する。
しかし調書を読んだソッキョンは激怒する。
「犯人をでっち上げる気か?」と。
調書には、ユンギョンの右手にハメられていた指輪を埋めたとなっているが、
ユンギョンは左利きで、指輪は右手にハメていたと。
そして、スヨンから脅迫電話がかかってきた時点では、スヨンはユンギョンが殺害されていることを知らなかったと。
捜査が非公開で行われていても、ユンギョン殺人犯であれば、それを知らぬはずがない。




ソッキョンの元へ、ナム記者から電話が。
「犯人は今日逮捕で?」
ナム記者は尋ねる。
ソッキョンと同じ日に同じ歳で最年少部長刑事になったハン判事の妻の殺害犯も、
30年前の今日、逮捕された。
そして、資料を調べていて気づいたことだが、ソッキョンとハン判事は、
30年の時差を経て、平行理論のように同じ人生だとナム記者は語る。
ナム記者の言葉に、ソッキョンも関心を示し、ソン教授の元を訪れる。




「ゲーテルと同じ人生を?ならば、あなたは今日餓死するはずだ。なのに、なぜ生きている?」」
ソッキョンは言い放つ。
「その程度の頭で、よくも判事が務まるな」
ソン教授は侮蔑する。
「レッドアイ」
ソン教授はそれだけ言うと、口をつぐむ。




翌朝、ソッキョンはソン教授が亡くなったことを知らされる。
「死因は栄養失調による心臓発作。餓死したのも同じだ」と、医師は告げる。
ゲーテルと同じように餓死したソン教授。
しかし日付が....
ソッキョンはソン教授の言葉を思い出す。
「レッドアイ」
それは、時差により充血した目を表す言葉だ。
「時差...」
ソッキョンは愕然とする。
ゲーテルとソン教授の人生の間には、時差が存在したのだ。
ソン教授は、まさにゲーテルと同じ人生を送った。
ソッキョンも「平行理論」を無視するわけにはいかなくなった。




ハン判事と自分の人生を調べ始めるソッキョン。
ナム記者が言った通り、ソッキョンもハン判事と同じ人生を送っていた。
驚愕するソッキョン。
そして、ハン判事一家が虐殺されたことを知る。




ソッキョンは長官を訪ねる。ハン判事と長官は大学の同期だった。
「何者かに脅迫され、家族を殺された。それ以外は知らない」
長官は告げる。
「ユ・ヒョンソンが脅迫していたのですか?」
ソッキョンは尋ねる。
「ユ・ヒョンソン?あぁ、そんな名前だったな」
長官は告げる。
ハン刑事が脅迫されていたことまでソッキョンと同じだった。
やはり平行理論なのか。




ソッキョンはハン判事の事件の記録を調べ始める。
しかし、ハン判事の資料が見当たらない。
ソッキョンはふと気づく。
閲覧室の中に別室があり、そこに保管されている資料があることに。
職員に尋ねると、そこは許可がないと入室できないと。
先日、女記者も入ろうとしたが入れなかったと。
「ナム記者だ」
ソッキョンは直感する。




ソッキョンはナム記者に電話をかける。
「そこは機密室です。ハン判事の資料の原本はそこにあるはず」
ナム記者は告げる。
ソッキョンはナム記者に会いたいと告げ、アパートを訪ねることに。
ナム記者のアパートで足を引きずった男とすれ違うソッキョン。




そして、ナム記者はアパートで何者かに殺害されていた。




一方、逮捕されていたスヨンは、刑事を襲い脱走してしまう。




ハン判事一家の陳述書を調べるソッキョン。
しかし重要な部分が破りとられていた。
悔しがるソッキョン。
わかったことといえば、ハン判事の妻コ・ウナもユンジョンと同様に鈍器で撲殺されたということだ。
しかも、ユンギョンが殺された日と同じだった。
だが、コ・ウナはアチャ山で発見された。発見された山が違う....
「ハン判事の妻以外の三人は、別の場所で殺害された」
ソッキョンはジョンウンに語る。
「では、子供は二人で?」
ジョンウンは尋ねる。
「いや、息子が一人。ハン判事の事務官が一緒に殺害された」
ソッキョンは告げる。




ハン判事一家殺人事件の担当刑事が判明し、ソッキョンは今では刑事を辞めたパク・ウンボンを訪ねる。
パク・ウンボンは当時の様子を語る。
ハン判事を脅迫していたユ・ヒョンソンは、妻のコ・ウナを殺害し、他の三人も殺害した。
手口も嫌疑も明らかだったため、捜査は楽だった。検挙から刑が決まるまで、最短だっただろうと。




帰りの車の中で、パク・ウンボンから聞いた情報を手帳にまとめるソッキョン。
しかし、スヨンとヒョンソンの検挙日が異なることに気づく。




その瞬間、何者かによりソッキョンの車は追突される。




殺されかけたソッキョンは、血まみれのままガンソンの元へ。
「俺は殺されかかった!スヨンが拘束中にだ!犯人は他にいる!」とソッキョンは怒鳴りつける。
しかしそこで、スヨンが脱獄したことを知らされる。
「これでもスヨンが犯人でないと?」
ソッキョンは返す言葉がなかった。




ソッキョンはパク・ウンボンに電話する。
「ユ・ヒョンソンは脱獄しなかったか?」と。
パク・ウンボンは脱獄し再び検挙したことを告白する。
当時は軍事政権で、クビにされないよう、脱獄したなどという事実を公にできなかったと。
「それでは、最初に検挙した日は1月17日ですね?」
ソッキョンの問いに、ウンボンは確かにその頃だったと認める。
これで検挙日も一致した。




ハン判事の事件を調べるソッキョン。しかし、行き詰ってしまう。
ソッキョンは、ナム刑事から貰ったメディアを思い出す。
メディアには、いくつものファイルが。
そしてそこには、ハン判事一家殺害事件の判事が、ユンギョンの父ペ判事である記録が残されていた。
驚愕するソッキョン。




ソッキョンはペ判事を訪ねる。
未だにハン判事の事件を追っているソッキョンをペ判事はとがめる。
「また平行理論か」
それでもソッキョンは主張する。
30年前と同じだと。
「知れば阻止できるのか?
ユンジョンの遺体が発見されたのはヨンマ山。ハン判事の妻が発見されたのはアチャ山だ」
ペ判事は、ソッキョンに言い聞かせる。
それを聞いたソッキョンはほくそ笑む。
「ご自分がおっしゃったんですよ。ヨンマ山も、昔はアチャ山の一部だったと」と。
返す言葉がないペ判事。
「判決文の一部が破り取られています」
ソッキョンは資料を差し出す。
「ワシは判決文にサインしただけだ。詳しいことは知らん」
ペ判事は何も語らない。資料も誰かに引き継いだと。




その頃、スヨンはイェジンの幼稚園のバスのガソリンに火をつけ、幼稚園を爆破していた。




一方ソッキョンは、ウンボンの家で捜査資料をみつけた。そして、ウンボンが帰宅したのを見て愕然とする。
ウンボンの車は、自分を襲ったトラックだったのだ。
そして、ハっとする。
ウンボンの引きずった足... それは、ナム記者が殺された日にすれ違った男....
自分とナム記者を消そうとしたのは、ウンボンだ!




幼稚園が爆破されたことを知り、ジョンウンは幼稚園に駆けつける。
そして、スヨンに連れされれるイェジンを発見し追跡する。




ソッキョンはウンボンともみ合いになる。
「俺は常に、お偉いさんの使い走りだ」
ウンボンは言い放つ。




スヨンを追い詰めたジョンウン。
弾みでウンボンを死なせてしまうソッキョン。




スヨンから逃げようとスヨンの手に噛み付いたイェジン。
その弾みで、イェジンは倉庫の外へと放り投げられてしまう。
だが、山積みにされていた資材がクッション代わりになり、イェジンは無傷で助かった。




その晩、ジョンウンはイェジンを守るためにソッキョンに申し出る。
「イェジンは、僕の娘も同然です。今夜は僕もここに泊まります」と。
しかしソッキョンは制止する。
俺たち三人は今夜は一緒にいてはいけないと。
30年前の明日が、ハン判事一家殺人事件の日だった。
三人一緒にいては、平行理論を繰り返すことに....




ソッキョンはウンボンの家から入手した捜査資料を調べる。そこには、事件の様子を収めた写真のネガがあった。
写真を画像にスキャンするソッキョン。
驚くことに、ハン判事の息子と事務官には銃殺痕があり、ハン判事の首には絞殺痕があった。
三人とも撲殺ではない。




そして、何よりもソッキョンを驚愕させたのが一枚の写真。
長官とウンボンが並んだ写真だった。
(こんな写真燃やしとけよ)
「俺は常に、お偉いさんの使い走りだ」
ウンボンの言葉が甦るソッキョン。




翌朝、ソッキョンはガンソンを呼び出し「イェジンを預かってくれ」と頼み家を出る。




ソッキョンは長官の元へ。
「パク・ウンボンをご存知ですね?足を怪我してから揉め事が多く、それをいつも誰かが面倒みたと。
彼が退職するまで、後見人は長官でしたね?
彼にナム記者を殺させ、私まで殺そうとした理由は何ですか?」
ソッキョンは問いただす。
「真実を明かすわけにはいかなかったのですね!
記録では”鈍器で殴打”
しかし、ハン判事の首には絞殺の痕跡が。息子と事務官の胸には銃痕が。
ユ・ヒョンソンが、銃で殺人を犯すと思いますか?
ユ・ヒョンソンが犯人なら、隠蔽する必要はありません。
長官はハン判事と同期でした。しかし、常に先を越され、妬んでいたのでは?」
ソッキョンは、長官を激しく追及する。
「当時の司法部は体制の言いなりで、英雄が必要だった。ハン判事は、司法部の権威を代弁する英雄だった。
しかし、妻のコ・ウナが殺されてから、おかしな噂が広がり始めた。
我々の英雄を、汚れた噂の犠牲者にするわけにはいかなかった」
長官は弁解する。
「司法部の権威のためにユ・ヒョンソンを凶悪犯に?」
ソッキョンは問いただす。
「全員死んでいて、現場にはユ・ヒョンソンが!」
長官も負けない。
「それは作り話でしょう!嫉妬心から一家を殺害した後、
事件を隠蔽するために、判決文まで捏造をされたんじゃありませんか!」
ソッキョンは追及の手を緩めない。
だが、その言葉を聞いて長官は冷静になる。
「判決文を捏造?ワシは担当検事だった」
長官は言い放つ。
「検事?」
ソッキョンは驚愕する。そして、同時にガンソンの姿が思い浮かぶ。
常に怪しい空気を漂わせていたガンソン。ソッキョンは慌ててジョンウンに電話する。




「ガンソンだ!イ・ガンソン!すぐにイェジンを連れ戻してくれ!」




その頃、イェジンはガンソンに追い詰められていた。
それを発見したジョンウンは、窓ガラスを割って侵入し、イェジンを救出する。




ジョンウンは、イェジンが常に抱えていたぬいぐるみのポケットから落ちた指輪をみつける。
それは、ユンジョンがはめていた指輪だ。
ジョンウンは、何かを悟る。




家に戻りジョンウンに電話しようとしたソッキョン。しかし、嫌な予感が頭に浮かび、電話を切る。
「妻が死んだ後、妙な噂が広まった」
常に自分らと共にいたジョンウン。ジョンウンとユンジョンの関係を疑う。まさか... 犯人はジョンウン?




そこへジョンウンから電話が。
「なぜ、そちらへ?(別宅があるのか???)危ないところでしたよ」
ジョンウンは告げる。
「俺たち、会って話そう」
ソッキョンはジョンウンを諭す。
「そばにいるだけでも息が詰まりそう。何でも持っていて完璧。入り込む隙間もない人」
それがあなたの妻の言葉です。
ジョンウンは告げる。
「後輩から始まり、判事の尻拭いをする立場になって、もう10年です。
平行理論通りなら、僕は判事の尻拭いをする運命らしい。
理論通り一緒に死ぬのなら、僕の人生も判事と似るのかも。
1つヒントを。
犯人は、犯行現場に再び現れる」
ジョンウンはそう言って電話を切ってしまう。
混乱するソッキョン。
コ・ウニ、アチャ山....
ユンギョン、ヨンマ山....
息子と事務官、自宅の別室....
「別室?」
ソッキョンは何かを察知し、車を走らせる。




自宅に戻ったソッキョン。(さっきはどこよ?)
そして、隠し扉があることに気づく。扉を開くと、そこには秘密の別室があった。




「ヒントが良かったようですね」
背後からジョンウンが声をかける。
「ハン判事と同じ状況は避けたいと言っていたのに、先輩のおかげで全員揃いましたね」
ジョンウンは、サラリと言い放つ。
「けど、おかしくありませんか?全員一緒に死にました。互いに殺しあうのかな?
それとも、他の誰かに殺されるのか?
目をつぶればよかったのに。
チャン・スヨンに罪をきせれば、僕も先輩も、ここまでこなかった。なのに、なぜだ?
ジョンウンは問う。
「わからないのか?ユンジョン殺害犯を捕まえるためだ」
ソッキョンは言い放つ。
ジョンウンは薄笑いを浮かべる。
「なぜ、おまえが善良なユンジョンを?」
ソッキョンはワナワナと震える。
「善良?」
ジョンウンはその言葉に異議を覚える。
「善良な女が、夫に内緒でこんな別室を作って男を連れ込むか?」
ジョンウンは嘲笑う。
ユンジョンとジョンウンは不倫の関係だった。
しかしジョンウンはソッキョンに申し訳ないと別れを切り出した。
「だからお見合いを?私から逃げたくて?そうはさせない」
ユンジョンはジョンウンを手放そうとしなかった。
しかしソッキョンは受け入れない。
「ユンギョンが淫らなことは、父のペ判事も、イ検事も事実を皆知っていた。
(ペ判事がユンジョンと言い争っていたのも、ガンソンに告げようととしたのも、ジョンウンとの関係ですね)
あんただけが知らずに騙された。有望な判事に事実は言えなかった。
自分だけが賢そうにしていたが、皆が嘲笑っていたんだ」
ジョンウンは言い放つ。
ジョンウンの言葉に憤ったソッキョンは、ジョンウンを殴り倒す。




そこへ、イェジンが目を覚まして現れる。
「イェジン!」
イェジンに近づこうとするソッキョン。
「触れるな!キム・ソッキョン!イェジンは、俺の娘だ!」
ジョンウンが叫ぶ。




「本当に終わりにしたかった。離れたかった。そうできなかったのは、イェジンのためだ。俺の娘だから」
ジョンウンは、せつせつと語る。
言葉を失うソッキョン。
「パパ」
ソッキョンは、自分にすがる娘を愛おしそうに抱きしめ去って行く。




だが、ソッキョンの後頭部をジョンウンが瓶で殴りつけた。
倒れるソッキョン。
割れた瓶を持ち、正気でない形相でイェジンに近づいていくジョンウン。




そこへ銃が....
ジョンウンへ向かって銃が撃ち込まれる。ジョンウンと共にイェジンも撃たれた。




撃ったのはガンソンだった。
息絶えたイェジンを抱きしめ泣き叫ぶソッキョン。




娘を失ったショックから立ち直れないソッキョン。
イェジンが大事にしていたぬいぐるみを撫でながら、悲しみに打ちひしがれる。
そして、ぬいぐるみのポケットの中身に気づく。
そこには、ユンジョンの指輪が。




指輪を見て、記憶が混濁するソッキョン。忘れていた記憶が甦る。
ユンジョンの淫らな姿...「起きないわ。あれを飲ませたから」と、夫を蔑む言葉。
ソッキョンは慌てて薬棚(あんなに薬置いてる家って....)をまさぐる。
そこには、「幻覚、幻聴、記憶喪失...」と記載された薬があった。
ソッキョンの物忘れのひどさもこの薬のせいだった。
(判事の夫に何て薬を!)




ソッキョンは全て思い出す。自分が犯した罪を。事実を....
ユンギョンを殺したのは自分だった。




罪の意識に苦しんだソッキョンは、記憶を忘れるために大量の薬を服用する。
意識と記憶が混濁するソッキョン。




30年前、事実に耐えられなくなったハン判事は、自ら首を吊った。
ソッキョンは、朦朧とする意識の中で、資料を全て燃やしてしまう。




その時、背後から首を絞められるソッキョン。
スヨンだ。
「ここまでしたくなかったけど、怒りが収まらない」
スヨンはソッキョンの首を絞める。




意識が朦朧とするソッキョン。
目に入った時計の針。時計は、今日一日の終わりまで1分のところを指していた。
平行理論通り、ソッキョンもハン判事と同じ運命を送った。

END

ハン判事は自殺で、ソッキョンは絞殺。この違いは何か意図があるのでしょうか。
平行理論が存在するか否かは、観客に委ねるということでしょうか。
それとも、平行理論とはいえ、単に微妙に違いがあるというだけのことでしょうか。
ソン教授が餓死ではなく、餓死と同等の栄養失調の心臓麻痺で亡くなった様に。




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