うちへどうして来たの   My Home  
 原題:うちへどうして来たの 우리 집에 왜 왔니 (ウリ チベ ウェ ワンニ)<2009>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

 笑い

名作

 映像

×

×

×

×



3年間ずっと自殺に失敗してきたビョンヒ(パク・ヒスン)。いよいよ本当に死の うとした瞬間!正体不明の女性イ・スガン(カン・ヘジョン)が「ただいま!」と言ってビョンヒの家に堂々と攻め込む。

怪しい彼女スガンは、庭に必ず埋めなければならないものがあると言い、ビョンヒに静かに過ごすことを強要する。いったい彼女は、うちにどうして来たの だろうか?

好きなように死ぬこともできず、全身を縛られたまま自宅に監禁される身分になったビョンヒ。スガンがうちに攻め込んでから3週間があっという間に過ぎ、食 事の時間になれば食事の用意をするスガンのおかげで、監禁生活に慣れていくビョンヒ。

ところでスガンは、食べて寝る時間以外は一日中オペラグラスで窓の外の誰かの家を監視している。いったい彼女は、何をしているのか?

ビョンヒは監視が手薄になった合間を利用し、自分を縛っている紐でスガンを捕縛するのに成功する。警察にスガンを通報することもせず、うちから逃 げることもないビョンヒは、彼女に対する好奇心からスガンを助けることに乗り出す。そして、イ・スガンの怪しい秘密が明らかになる。
【予告編】
監督 ファン・スア <2009>う ちへどうして来たの

出演

パク・ヒスン 出演作品一覧

カン・ヘジョ ン

<2003>オー ルド・ボーイ<2004>美しい夜、 残酷な朝(割愛-Cut)、< 2005>南極日誌
<2005>恋 愛の目的、<2005>、親切なクムジャさん、 <2006>とかげの可愛い 嘘
<2005>トンマッコルへようこそ、<2007>ハーブ、<2008>うちにどうして来たの
<2009>キル・ミー、<2009>トライアングル、<2009>ガールフレンズ




【キム・ビョン ヒ】
パク・ヒスン
【イ・スガン】
カン・ヘジョン
【パク・ジミ ン】
スンリ(BIG BANG)
【幼いジミン】
イ・デビッド

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【レビュー&ネタバレ】
2009年4月公開。動員数は約22万人。
ありゃりゃ... 大ゴケですな....
なのにmocaったら、◎つけてるヨ(笑)

内容は地味かもしれませんね。若者にはウケないでしょう。
内容的にも、それほど面白くないのですが、
観終えた後に、この映画の良さがわかると思います。
なんともいえないせつない余韻.... mocaはこの余韻が大好きです。
この余韻のために◎です(笑)
よくよく考えても、◎は高すぎかと... あははは。
でも、「うちへどうして来たの」というタイトルには二重の意味があって、それが胸にジーンと響きます。

同名のドラマがありますが、全く無関係です。

3週間に渡る「監禁同居生活」は特に面白くもなく、
徐々に明らかになっていくスガンの秘密も特に面白くなく、
見所はラストに差し掛かる辺りからでしょうか。
それまでは、ご馳走を食べるための下準備と思ってくださいませ。
とは言っても、そんな豪勢なご馳走じゃありまへんがぁ。
独特の斬新な料理。
そして、ちょっとハートフル。そして、せつない。
ラストはちょっとファンタジーが入っててシラけますが......
一番の問題は、時系列が複雑でわかりにくい!
なので、日付も入れてみました。

なんといっても、パク・ヒスンがカッコいい!
大好き。
そして、どんなキャラクターでも自然なんですよね。

カン・ヘジョンの演技は文句なし!
今回もちょっと難しい役どころ。ホームレスの미친녀!(イカレタ女)
この役を演じこなせる女優はそうそういないでしょう。

これで、顔さえ元に戻してくれれば...

今まで脱ぎまくりだったカン・ヘジョン。
この映画も下着姿になるシーンがあったのですが、下着にすらならず。
ちょうどタブロと交際している頃ですね。
チョ・スンウは俳優なので理解があったけど、タブロはヌードNGだったのかな。
脱ぐ時は脱ぐ、脱がないと決めたら脱がない。
潔いですね。

結局、スガンがなぜあのような最期を迎えねばならなかったのか....
最初にボタンをかけ違えてしまったように、人生がズレていってしまったように思います。
スガンも、ミス・にんじんのヤン・ミスクのよう だと思います。
まだ幼いうちから、山奥のボロ屋に一人で暮らし、寂しく育ち、誰からも愛されず...
だから、優しくしてくれた相手に異常に執着してしまう。
愛しているのではなく、愛されたくて相手を執拗に追い回してしまう。
彼女に罪があるのではなく、彼女の成長過程の問題が罪なのです。
孤独故の....
不幸に生まれた者は、とことん不幸なのだと.....
そんな気がしてしまいます。



特別出演のオ・グァンノクとチョ・ウンジ。  

極楽島殺人事件のイ・デビッド。子 供から少年になりましたね。
しかし、デビッドって名前は....
BIG BANGのスンリも出演しておりますが、出演分量は少ないです。
「息もできない」のヨニことキム・コッピが妻の末の妹。


↓  結末までネタバレ。ご注意を ↓





ビニールハウスから、若い女性の変死体が発見される。
警察は遺体を担架に移し、ビニールでくるまれる。
女の顔、妙に笑っている。




刑事はある家を訪ねる。ビョンヒという男の家だ。
ビョンヒは「鍾路警察署から来ました」と名乗った途端、ドアの鍵を閉め逃走する。




しかしタフな刑事を巻くことはできず、ビョンヒは力尽き手錠をかけられる。
警察で尋問を受けるビョンヒ。




「どこかで見たような...」
ビョンヒは変死体の写真を見せられても、曖昧に誤魔化すだけだ。
「しっかり見ろ!」
刑事は痺れを切らし、写真を突きつける。
ビョンヒは不愉快な表情を浮かべ「笑ってるじゃないですか」と、露骨に写真から目を背ける。
そう言われ、刑事も気味が悪くなる。
写真をしまい「去る土曜と日曜、どこにいた」と尋問する。
「家にいました」
ビョンヒは答える。
「家にいたのに、なぜ、さっき逃げたんだ!」
刑事は問いただす。
「ですから、私は事故に遭って... 病気があるんです」
ビョンヒは言い訳する。
「それは念入りに調べることにする。4日前に束草(ソクチョ)から協力公文書が来た」
刑事が告げると、「その話はさっき聞きました」と、ビョンヒは話を折る。
「そうだったな。聞き漏れがないか、よく聞いてみろ」
刑事は話し出す。

事件のあらまし。
明け方。ビニールハウスが黄色く光っている。

2007年12月23日

このビニールハウスの持ち主チェ氏。
目が覚めてトイレに行くと、ビニールハウスの電球がついたままだ。
嫁が昨夜消し忘れたんだな... と、電球を消しに入る。
電球を消そうとしたが、そばに置かれた段ボールが気になり、中を覗き込む。
すると、中に変死体があったというわけだ。
嫁の服を着ていた変死体を見て、チェ氏は嫁かと思い込み激しく揺さぶった。
しかし、服は嫁のものだったが、見たことのない女だった。
それで警察に通報した。
そして、200メートル落ちた山道で、女のものとみられるリュックサックが発見された。

汚れたリュックサック。中学校の運動着一枚。
くしゃくしゃの汚い下着。男物のセーターとズボン。そして、厚い書類綴。
書類綴には各種公課金告知書、各金融機関から送られてきた延滞督促状、保険管理公団の案内文等.....
現金二百四十ウォン。
「一般的な路上生活者カバンだ。 ところが、おかしなものがあって」
刑事は告げる。
「100通余りの郵便物が出てきた。 その郵便物の受け取り人が全て同じだった。キム・ビョンヒ..」




留置場に入れられたビョンヒ。
「俺がなんで!」
腑に落ちないビョンヒ。
「まさか!」ということが、1日も開かずに起きる。
3年間毎日毎日がこんなだ。 不幸は人間の想像力を超越する。殺人者...

ふと、ビョンヒの脳裏に変死体の女の顔が浮かぶ。
 
  イ・スガン(1979年~2007年) 窃盗、脅迫、家宅侵入、監禁及び暴行。青少年セクハラなど、前科3犯。

2006年11月1日

その年春ゾっとする事故で妻を失い彷徨っている頃でした。
インターネットで集団自殺を試みたこともあったが結果は失敗... ちくしょう、自殺旅行を6度も行ったのに...
トボトボと家に向かって歩くビョンヒ。
目を開けば死ぬつもりしかしないのに、また新しい一日がやってくる。
そのような時間らがとても耐え難いその時、その友人に出会いました。
出会ったというよりは.... ふいに... 突然... ヒョッコリと....

門の鍵を開けるビョンヒ。しかし、鍵は開いていた。
そんなはずがないが... 門を押して中に入る。

小さな浴槽で小さくなりながら、しくしく泣くビョンヒ。
遺書を書き天上から縄を吊るし首を吊ろうとする。
もはや... その時、「ただいま」と、あの変死体の女が家に入ってくる。スガンだ。
あまりにも予想できない状況に驚くビョンヒ。
 「誰だ?!女?どのように入ってきただろう?もしや...強盗?女強盗?
ところで...何だろう?この臭いは?」
朦朧としながらも、考えるビョンヒ。
死にかけたビョンヒを見てスガンは慌ててビョンヒを床に降ろす。




助けられたものの、ビョンヒは縄で縛られ監禁された。
スガンといえば、時間さえあればオペラグラスで何かを監視している。
かと思えば、突然ビョンヒをオペラグラスで一瞥すると、一人でブツブツ言い出す。

「何日か前にアルバムで見た」
スガンの言葉にビョンヒは驚く。
「何日か前?じゃあ、今日初めてここに入ってきたというわけでないのか?」
「10月のいつだっただろう?死にに行くと... ウーン. 全羅... 北... 道...?」
ビョンヒ、スガンの言葉に首を縦に振る。
「とにかく、そこへ行って他の人らと死ぬのだと、手紙書いて出て行ったではないか。
みなソウルの人らで、全羅北道に行って死ぬと。なぜ集まって死ぬの」
スガンの言葉に、ビョンヒは言葉に詰まる(心の言葉ね)

「4月に夫人が事故で死んだと?」
スガンは尋ねる。
ビョンヒ、ゆっくりうなずく。
「それはあのノートで見た」
「あのノート?何だろう?あのノートが?」
ビョンヒは気になる。

「まだ夜だから、もう少し寝る方が良いのだけど、私はTVが見たいから」
スガンの言葉に、ビョンヒは頭を左右に振る。
「眠くないって?」
スガンの問いかけに、ビョンヒは遠慮がちに首を縦に振る。
ビョンヒは縄を解いて欲しいと体中で訴える。
「解いてくれと?」
スガンの問いかけに、ビョンヒは必死に首を縦に振る。
「ダメに決まってるでしょ」
スガンはあっさり言い放つ。
全身をねじって抵抗し始めるビョンヒ。
スガンは面倒そうにビョンヒを見ると、オペラグラスでビョンヒのこめかみを力いっぱい打ち下ろす。
気絶するビョンヒ。

翌朝。
あたかも道に横になったように床に横になってTVを見ているスガン。
ビョンヒは猿ぐつわは解かれ言葉は自由になったものの、体は柱に紐で縛られていた。
「私はいつ... 解いてくれますか」
恐る恐る尋ねるビョンヒ。
スガンは答えない。
「ひょっとしたらと思って差し上げるお言葉ですが...
何の目的でここにおられるかは分からないが、私は.. 絶対通報のようなことしません」
ビョンヒは懸命に訴える。
「わかってる」
スガンは言い放つ。
「それでは.... 解いで下さるので?」
ビョンヒの目に希望が浮かぶ。
「わからない」
スガンは言い放つ。
スガンの言葉に、さすがにビョンヒも耐えかね声を荒立てる。
「わからないって... 無責任な!」
「無責任?笑わせる。当分死なないと約束すれば解いてあげる」
スガンは言い放つ。
「ただ気になっただけで... .他の意はありません。
昨夜からずっと考えてみたが、私が死んではいけない理由でもありますか....」
ビョンヒは問う。
「ないけど」
スガンはあっさり告げる。
「ところでは、なぜ...」
ビョンヒは腑に落ちない。
「私が死んではいけないと言った?当分はダメだと言ったでしょ?」
スガンは言い放つ。
ビョンヒは納得がいかない。
「死んでしまえば... その死体をどうしろというの?
そのまま新聞紙で覆って置いておけば腐敗臭のために確実に人々が集まるし、
臭いが出ないようにしようとするならどこか埋めなければならないけれど.... 庭はダメだから」
スガンは語る。
「庭はダメ?」
ビョンヒはわけがわからない。
「庭は別の人を埋めなければならないから」
スガンはしれっと言い放つ。
「我が家の庭ですか? 誰を...?」
ビョンヒは驚く。
「それは知らなくていいの」
スガンは答えない。
「これでもないあれでもなければ... 遠くに運んで捨てる方法があるだろうか。
運ぶ車が必要だが、コールタクシー呼んで乗せて行くだろうか?
私は、死んだ人が嫌いなの」
スガンの言葉にビョンヒは何も言えない。
「私はあなたの命を助けた恩人だ。命の恩人じゃないの。
はるか昔の話ではなく、昨日の話だ。
なのにあなたは... 恩人のために少し後で死ぬこともできない?」
スガンはあっけらかんと言い放つ。
ビョンヒは驚きで何も言えない。
「死ぬなって言ってるわけじゃないじゃない!」
とうとうスガンはキレる。
「私も.. 女じゃない?私も女なの。死体が嫌いで。理解できない?」
スガンはしおらしく尋ねる。
「.....します」
ビョンヒはそう答えるしかなかった。

「あの映画見たか?」
スガンは唐突に尋ねる。
「何の映画... ですか?」
「ウーン.. ぼってりしたアジュマが出てくる... ミ... ミ... 」
スガンはタイトルが思い出せない。
「ミザリー?」
ビョンヒは尋ねる。
「.....!ミザリー!見たか?」
スガンは興奮したように尋ねる。
見たというのが有利だろうか。 見なかったというのが有利だろうか。
ビョンヒは思い悩む。
「見たか?」
ビョンヒは頷き、「ところで、その映画が何ですか....」と、尋ねる。
「ただ... こういう状況をどこかで見た気がして。私たち、絶対にミザリーのようだ」
スガンの言葉に、ビョンヒは言葉を失う。




サバの缶詰を包丁で叩いて開けようとしているスガン。
スガンの腰に紐が縛られていて、その先にはビョンヒが繋がっている。

当分死なないという誓いから、全てのことに徹底的に協力するという誓いまで百種類はしたでしょう。
とにかくこうして、初めて一緒に夕食を食べようと準備する真っ最中でした。
初めには路上生活者特有の臭いのために、ほとんど口で息をしながら過ごしたが、
何日が過ぎるからなじむようになるんだそうです。
一緒にご飯も食べることができるようになりました。

「ちょっと手伝おうか?」
ビョンヒは声をかける。
スガン、一瞥するが答えない。
「いや、ちょっと手伝って差し上げようと....」
ビョンヒは言い訳する。
「黙って見てなさい。それが助けになるの」
スガンは言い放つ。

食卓に並べられたサバの缶詰とピクルス、ご飯は二人で一人前。
スガンは箸で、ビョンヒはピンク色のアイスクリームのスプーンで食べている。<br>
スガンは目を閉じる。
「ホパン(호빵)が食べたい」
スガンの突然の言葉は、いつもビョンヒを困惑させる。
目を開けるスガン。
「我慢しなきゃ。全てが終われば買って食べるの」
スガンは語る。
「はい...」
ビョンヒはそう答えるしかない。
「五個買って食べるの。 五個一度に全て食べるの」
スガンは嬉しそうだ。
「それでは、私も一つ食べなければならない...ホパン...」
久しぶりの明るい話題だからか、ビョンヒは話を合わせる。
「どうせその時は死んでるでしょう。どうやってホパンを食べるの?」
スガンは無邪気に言い放つ。

※「肉まん」は「チンパン」というのかと思ったら、「ホパン」ともいうんですね。どちらでもOKだそうで。

「あの... ちょっと... 尋ねてもかまわないだろうか?」
恐る恐るビョンヒは尋ねる。
「1つだけね」
スガンは言い放つ。
1つだけと言われビョンヒは思い悩む。何を聞いたら....
私をなぜ知っている?いつからここに?それとも名前?....色々なことを知らなければという気になるビョンヒ。
スガンはしびれを切らしてビョンヒの質問を待っている。
「なぜ、何のために、我が家にいらっしゃったことか.... あるいはワイフ... 妻と、以前知り合いだったのか..... 」
ビョンヒは尋ねる。
「一つじゃないじゃない!」
スガンはキレる。
「もう一度質問し直しなさい」
スガンは言い放つ。
「なので.... ここで何をしておられるのか....」
ビョンヒは、今度は1つだけ質問する。
「三日も経ったのにわからない?」
スガンは尋ねるが、ビョンヒには全くわからない。
「あの家を監視しているの。あの家に、私の人生で最も重要な登場人物が住んでいるから」
スガンは言い放つ。
「重要な... 登場人物というのは....」
ビョンヒは尋ねる。
「私を二度も刑務所に送ったヤツ」
スガンは言い放つ。
「け、、刑務所です?」
ビョンヒは驚く。

回想──

駅の隅に置かれている大型 引越し荷物ボックス。
その中に横になっている路 上生活者のスガン。ボックスの取っ手の穴から何か見える。
スニーカーにマジックでイ ニシャルが書かれた運動靴が歩いていく。
「PJM」
驚いてからだを起こすスガ ン。
ボックスを少し開いて外を 見れば、大学生の男女が腰を抱えながら前を過ぎ去る。
「私をこのようにさせ て.... くそ野郎!」
二人の後ろ姿を見ながら、 スガンは心の中でつぶやく。

「復讐してやる。今度は完全犯罪だ。チャンスをうかがって、拉致し山奥へ埋めてしまうのだ」
スガンは余裕の笑みを浮かべる。
「そういうのをなぜ、わざわざ我が家で...」
ビョンヒは尋ねる。
「よく見えるじゃない」
スガンはあっさり言い放つ。
スガンは昔話を始める。

1998年10月11日
7年ぐらい経っただろうか?高校3年... 秋だったよ。
10月ぐらいであったのに。秋としてはかなり熱い日だったよ。とにかく本当に熱かった。
そんなに熱い日ではなかったら多分... 惚れなかったかもしれない...




江原道束草市の中高学校付近の停留所。
制服を着た学生たちがバス停留場の前にたくさん立っている。
大部分の学生たちがジャケットを脱いだり腰に縛っている中で、頑なに汗を流して立っているスガン。
誰も話しかけたり周辺に来ない。
その時、スガンの額に小石が飛んでくる。
血がダラダラと流れ出す。
道の向こう側で、数人の男女が笑っている。
悔しいスガン。
血も拭わず立ち尽くす。
バスがやってきても、乗り過ごしそのまま立ち尽くす。
その時、誰かの手が額に伸びる。
ふと見ると、中等部の男の子だった。
ハンカチをスガンの額に押し当ててくれたが、親切とか温かい人とかではなく、面倒そうに見える。
名札には、‘パク・ジミン’と書かれている。.
「押さえて」
ジミンは告げる。スガンは意味がわからない。
「ハンカチ押さえろって。腕が痛いから」
慌ててハンカチを押さえるスガン。
軽蔑の目で見るジミン。
「ほんと、バカだね。噂じゃなかった」
ジミンは言い放つ。

スガンとジミン、バスの最後部に並んで掛けている。
「誰が、私がバカだと?」
スガンは尋ねる。
「誰っていうわけじゃなく、学校全員が皆知っているのに。文句あるか?
いくら叩いても泣かない女の子がいると。お前は... 我が校一番のキチガイ女だ」
ジミンは告げる。
「知らなかったの?」
ジミンは尋ねる。
「一番であることは知らなかった」
スガンは答える。
「お前、山頂で一人で暮らしてるんだって?」
ジミンは尋ねる。
 「てっぺんではなくて...中腹ぐらい」
スガンは見栄を張る。
「あんなところで、人間が暮らしてるんだな」
ジミンは遥かを見やる。
「山に住んでいるが、私は金持ちだよ。警護員もいて、大きい犬もいて、家政婦のアジュンマも二人もいて」
スガンは更に見栄を張る。
「キチガイ女に間違いないな」
ジミンは軽蔑の目で観る。
ふと、スガンに囁くように話すジミン。
「それで、そうするのが事実なのか?」
「何が?」
スガンには何のことかサッパリだ。
「山の中腹まで乗せて行ってくれと言って、一度与えるのか?」
ジミンは好奇心でいっぱいの目を輝かせながら囁く。
「欲しいの?」
スガンはあっさりと尋ねる。
慌てて止まった停留所から降りるジミン。
バスの窓からジミンを見るスガン。
ジミンは”ファック・ユー”のポーズをとる。




ジミンとは気まずいと思っていたスガン。
しかし翌朝、ジミンは近くのバス停でスガンを待っていた。
嬉しさに駆け寄るスガン。
二人は照れながら微笑み合う。

バスの中でぎこちない二人。
スガンは年上だということを知らしめようと、自らジミンの手に触れようとするが、
先にジミンの手が伸びてきた。しかも、手ではなく、太ももに。
私はバカじゃなく、他の子よりも大人なだけだ....
スガンはそう言い聞かせ、思いっきり両足をガバっと開く。
そして二人は、運動道具小屋でSexをするようになる。
だが、二人の関係は長くは続かなかった。
学校一のキチガイ女とつき合っていることが噂になり、
ジミンは制服の背中に落書きされたりと、嫌がらせを受けるようになる。
一方スガンは、愛する人ができる全てのことをした。
ジミンの食べたお菓子の袋をスクラップしたり、
下駄箱に「PJM」とイニシャルの入った靴を洗ったりと。
(干さないで水浸しで戻しちゃうのよねぇ... だから、パボ)
靴箱から水浸しの靴を取り出したジミンは泣き顔になる。

ある日、サッカーをしているジミンら。
スガンは飲み水を大きなヤカンで運んでいた。
そのヤカンにサッカーボールが直撃し、スガンは転んで水浸しになってしまう。
走り酔ってくるジミン。
「いったい、どうしろっていうんだ!」
ジミンは怒鳴りつける。スガンは何も言えない。
「どうしてこうもバカなことをするんだ!」
ジミンは更に怒鳴りつける。
「わかってるじゃない...」
スガンはジミンの勢いに驚く。
「何が?」
ジミンは尋ねる。
「そのままの私を見て...」
スガンは答える。
ジミンは何も言えない。
「ただ、あんたが毎日見てくれたら....」
スガンがそう言おうとすると、ジミンは悪口を並べ立てる。
その声もウンザリだ、そうやって転んだり...
ジミンは頭を掻き毟って怒り狂う。
そんなジミンをスガンも友人たちも呆然とみつめるだけだ。

そのことで、アイツはこっそり転校して行った。
私に挨拶もなく離れるとは信じることができなかった。
あいつの友人らに「どこへ行ったのか?」と尋ねると、
スガンには絶対に絶対に知らせないでくれと言っていたと。自分が情けなくて...




スガンは転校して行ったジミンを追いかけて行くために、コンビニに強盗に入る。
(これが前科一犯)
住所はわからなかったものの、春川(チュンチョン)だということはわかった。
スガンは中学校の校門でジミンを待つ。
しかし会いに行ったジミンには、あからさまに不快な顔をする。
「ジミン!あんたが私になぜこうするのか全てわかった。
私待つから。お前が大人になる時まで。 待つから。
皮膚管理も上手にして... お金たくさん儲けておくから。 約束する」
スガンはジミンの背中に向かって必死に叫ぶ。
しかし振り返ったジミンは、「ファック・ユー」のポーズをとり走り去ってしまう。
呆然とその姿を見るスガン。

そのことでまた、どこかに転校してしまうのではないかと心配したが、そんなことはなかった。
そしてそれが私の学生時代の最後の冬だった。




1999年5月5日。

豪雨の中、レインコートを翻し、熱心に歩いているスガン。
ふと派出所の前をすぎるスガン。
うっかり過ぎてまた戻ろ派出所前の手配広告を見る。
隙間なく埋められた手配写真の中で、傾いて片隅が落ちたままついている広告が。
中学校卒業写真なのか?あどけなくて攻撃的人相のスガンの写真と、
CCTVに映されたホパンをほうばるスガンの写真が並んでいるビラが
何人かの手配犯人ビラの間に貼られている。
「束草Lコンビニエンス・ストアー窃盗容疑者。満20歳、身長160cmほど。細い体に小さい顔」
スガンは手配内容を読み上げる。
笑う姿がぎこちなく... インド系混血...?目を疑うスガン。
その時初めて知った。 私がインド系混血とは...
とても幼い時だったが、オンマと一緒に暮らしたことがあったが
オンマは一度もそのような話をしたことがなかった。
頻繁に引越したりしたが、保育園でもそのような話をしたことはなかった。
アッパがインドの人とは... いったいうちのオモニはどんな人であったか?

派出所から警官が出てくると同時に離れるスガン。
警官が公告版を整理すれと、インド系混血はスガンでなく、
スガンの下に貼られたインド系混血男の人相着衣内容であった。

更に強まった豪雨の中で、ぐっしょりぬれたスガンが歩いている。
あいつがおとなになる前には探さないという約束を破ったこと。
何というか... 人生最大のショックというか。 なんだか一人でいたくなかった。
そのまま一人でいればすぐにでも死んでしまいそうだった。
車にはねられたり、建物から落ちたり勝手に。

濡れたまま電信柱の下に立っているスガン。
塾の送迎バスが止まり、ジミンを降ろす。
会わない間、随分成長したジミンがスガンの前を過ぎ去る。
こっそりとジミンについてゆっくり市場路地に入り、スガンはジミンを呼び止める。
「ジミン!」
ジミンは暫しの間呆然とし、後ろも振り返らず走り出す。
スガンも市場路地を走る。
するとジミンは止まっていたパトカーに助けを求めてしまう。
慌てて立ち去ろうとするが、スガンは掴まってしまう。

とにかく... これが... 私の青春の最後の春だった。

2000年2月10日

刑務所。
正面に向かって目をとじているスガン。
「2914。イ・スガン。出なさい」
目を開くスガン。そして、パっと部屋から出て行く。

塀の外から、懸命に中をのぞき込んでいるスガン。
恐る恐るチャイムを鳴らす。
若い女が赤ちゃんを抱いて玄関の外に出てくる。
「ここは、パク・ジミンの家だと....」
スガンは尋ねる。
「そのような人はおりません。私どもが引っ越してきてからまだ間もないです」
女は答える。
「失礼ですが、どこへ行ったのか分かりますか?」
スガンは尋ねる。
「わからないです。誰にも分からないよう、夜逃げするように行ったが...。ソウルに行ったとか....」
赤ちゃんが泣き始める。
「とにかくよく分からないです。 私も....」
女は泣く赤ん坊をなだめて中に。
呆然と残されたスガン。




2000年10月29日。
ソウル駅。
ソウル駅を眺めて立っている大きな広告看板。
大小の紙に色とりどりに埋め尽くされた「オンニ歓迎!宿泊提供」などの広告。
一つ一つ注意深く見ているスガン。

現在のスガンとビョンヒの声が入る。

 「絶対にアイツを追ってきたのではない。
 春川(チュンチョン)でずっと過ごすのが大変で、ちょっとにやっと上に上がってきてみると、
 どうしてか、ソウルだった。
 そしてまたアイツに会う時までの話は長く、話したくなくて」
 スガンは語る。
 「そのように言ったが話は本当に... 長かったです」
 ビョンヒは語る。

ネオンサインが光るカラオケ。派手な化粧に衣装のスガン。
球場で客引き屋、ダフ屋、カラオケでアジュンマに混ざってコンパニオンをし、歌を歌う。
あらゆることをして暮らしてきたスガン。
しかし、経営者が急に廃業して夜逃げした。愕然とするスガン。




2002年ワールドカップ。赤い悪魔Tシャツを着て市庁前で応援する人々。
赤い悪魔服を着て、マッサージサービス店の広報に出たスガン。
偶然ジミンを発見し、後をつけて行き警察に連行。
またもや刑務所。今度はジミンの高校のジャージを着て出所。
(前科三犯に)
両替のアジュンマに混ざって座っていると、バッグを盗まれた。
絶望するスガン。
長い段ボールをズルズル引きずり流れて来るスガン。
死体のように中に入って横になるスガン。

現在に戻る。

「長くて..... ちょっと... 悲しかったです」
ビョンヒの声が入る。




眠りから覚めたビョンヒ。しかし、様子がおかしい。
「どうしたの?」
スガンは尋ねる。
「トイレ....」
ビョンヒは告げる。
「また!?」
スガンは声を荒立てる。面倒そうだ。
「ならば、紐を解けば良いでしょう。 解けば面倒なこともなくて...
自分の話を最後まで聞き入れれば解くと約束したのではないですか」
ビョンヒは悔しくて仕方が無い。
「寝たではないか」
スガンは言い放つ。
「....はい?」
ビョンヒは意味がわからない。
「途中で寝たじゃないか」
スガンは言い放つ。
「話が非常に長いから.... それで解いてくれないということなので?」
ビョンヒは落胆する。
「当然だろう」
スガンは言い放つ。

両手は自由だが紐で縛られたまま、用を足すビョンヒ。
スガンといえば、シャワーカーテンに隠れ、紐を握って監視している。
「今、何歳なの?」
スガンは唐突に尋ねる。
「三十...七です...」
ビョンヒは答える。
「え?三十七なの?」
スガンは驚いてシャワーカーテンを開けてしまう。
「それでは、タメグチで話して。
いつまで一緒に過ごすかもわからないのに、私たちもちょっと親しくなった方が互いに良いだろう」
スガンは告げる。
「いったい、いつまで... この姿勢で暮らさなければなりませんか?」
ビョンヒは尋ねる。
「ちょっと!尊敬語!三週ぐらい過ぎれば慣れるだろう」
スガンはあっさり言い放つ。
 
オペラグラスから見えるマンションの廊下。
女が到着すると、玄関を開けるジミン。
気に障ったように床をごろごろ転がるスガン。
「水!」
ビョンヒはそんなことも知らず、TVを見ながらスガンを促す。
止む得なく居間をガンガン歩いて行きペットボトルの水を持ってくるスガン。
しかし虫の居所の悪いスガン。
まるで八つ当たりをするかのように、ビョンヒの口から溢れるほど水をガンガン注ぐ。
「何をするんですか!息が詰まって死ぬところだったじゃないか!」
ビョンヒは声を荒立てる。
スガンは答えず、また布団を被って床に転がる。
「また?そうなんだ」
ビョンヒは意味ありげにつぶやく。
スガンは何も答えない。
「あの女来たんだ、また」
ビョンヒは、今度はハッキリと言い放つ。
またもやスガンは答えない。答えないのがその証拠だ。
死んだように動かないスガン。肩だけが静かに揺れる。
「泣いてるのか?」
ビョンヒは尋ねるが、スガンはやはり答えない。
「本当に泣いてるのか?」
ビョンヒは真剣に尋ねる。
「うん...」
スガンは今度は答える。
「どうして?他の女と会うのが気に障って?」
ビョンヒは尋ねる。
「うん...」
スガンは答える。
見かねたビョンヒは提案する。
「私が手助けしようか?」
その声に、スガンは振り向く。
スガンはジミンの部屋に隠しカメラを設置したいと言い出す。
「左手!」
躊躇するビョンヒにエサを与えるかのように、左手を自由にしてやると言い出すスガン。
「何を迷うの?左手だけ解放されても脱出できる機会は十倍ぐらい多くなるはずなのに。
かえって私が損をする商売だ」
スガンは言い放つ。
「右手!」
立場が逆転したかのように、ビョンヒは強気に言い放つ。
「うわぁ。ますます図々しくなるこのアジョシ」
スガンは呆れる。
「どうせ逃げるつもりもないし... いや、ここが我が家なのに、どこへ行くと?」
ビョンヒは告げる。
「必ず死ぬと意気込んでた覇気はみなどこへ行ったの?」
スガンは呆れる。ビョンヒは全く動じない。
「右手!」
と、勝ち誇ったように言い放つ。
悩むスガン。

結局、隠しカメラを設置することを手伝うことになったビョンヒ。
右手は自由になったが、左手と括られて、中途半端な自由だ。しかも体も紐で縛られている。
ビョンヒは門に設置していたCCTVを取り外す。




「前に...ワイフに事故が起きてすぐに... その時、買ったよ。
ビデオフォンで見ることができる部分がとても小さくて.... 苦しくて....」
ビョンヒは苦しい胸の内を吐露する。
「私に境遇を嘆くならば、夢も見るな。 私は自分の仕事一つだけでも手にあまった人だ」
スガンは冷たく言い放つ。
「本当に...世知辛い」
ビョンヒはスガンを凝視する。
「既にあらまし全て読んだよ。そのノート、部屋にある」
スガンは告げる。
ビョンヒはオペラグラスでジミンの部屋を観察する。
すると、女が怒って部屋から出てきた。それを追うジミン。
何度も説得するが、女はジミンを突き放して去って行く。




ここからは、ビョンヒの過去に 戻ります。

立派なビルから人が溢れてくる。
その中で凛々しい自身に満ち溢れたビョンヒの顔が見える。
「今考えてみれば、とても自信があったしとても愚かだった。
世の中に何か不幸なことが起きるのか、どこで誰が死んでいくのかそんなことには関心なかった」
ビョンヒは心の中でつぶやく。

「私が買った株式は指数と関係なく毎日毎日上がったし、
アパートの代わりに果敢に購入した一戸建て住宅はまもなく再開発が進行される予定だ。
国の経済を持ち上げている誰より有能なサラリーマン中の一人であり、もうすぐ昇進するだろう」

家に戻ったビョンヒ。
偶然に引き出しから母子手帳を発見する。
微笑ましい顔で寝ている妻を見る。
「妻は私に秘密にしているけれど私は知っている。 7ヶ月後アッパになるということも」

2005年4月9日

お祝い用のホールのケーキを買い家に向かうビョンヒ。
途中、妻からメールが。
「赤ちゃんのことなら、既に知っている」
と返信するビョンヒ。
遅くなるという妻が帰る前に、全ての料理の仕度をし妻を待つ。
すると、妻からメールが。
“知ってたんだ... あらかじめ話できなくてごめん。だけど、今日する話はその話でなく他の話だ。.......”

玄関のチャイムが鳴る。
ビデオフォンで確認すれば、妻だ。
ビョンヒは鏡で自分の姿をチェックし、眼鏡を外し、電気を消し、ケーキにロウソクをつけた。
そして門を開けに行くと、妻の姿はなかった。
地面には買い物した食料が散らばっている。
まるでかくれんぼをするかのように、微笑みながら妻を捜すビョンヒ。
妻の姿をみつけたかと思ったその時、銃声が。
ビョンヒは足を撃ち抜かれる。
そして妻は、その場で射殺された。
呆然とするビョンヒ。

撃たれた足の怪我のため入院しているビョンヒ。
6人部屋のTVで、うんざりするほどニュースが流れた。

‘鍾路区 体府洞 住宅街でキム某氏夫婦に銃を撃って自身も自殺。
キム某氏は脚に銃創を、夫人チョン某氏は頭に銃撃を受け現場で死亡.‘

死よりものすごい罪悪感が押し寄せた。
なぜ、早くドアをあけなかったのだろうか。ロウソクの灯りだけでも点けなければ。音楽だけでも替えなければ。
鏡だけでも見なければ... .そうだ鏡だけでも見なければ....
路地に入るや否や、あの野郎を襲ったらどうだったのだろうか。
妻と赤ん坊は生かすことができたはずなのに。違う。私を殺して殺したかも知れないだろう。
やはり始めに早くドアを開けなければいけなかったんだ。
静かに耳をふさぐビョンヒ。

病院の霊安室。不便な足で喪に服し妻の霊前写真のそばに立っているビョンヒ。
「何度も玄関のチャイムを押したのに....その時掴まったのだろう?
そんな時に備えて不法で銃を持つべきだった。
あらかじめそんな法を作るべきだった。
銃器所持反対国会議員から一人ずつ撃って殺そうか、
いや、警察だ。のろまな対処したその警察署の奴らを一人ずつ撃って殺さなければならない。
ところでどうして...私たちだったのだろうか.. .死ぬつもりなら一人で死ねばいいのに....」




休憩室で女子社員がなにやらヒソヒソと話している。
「奥様と同じ教会に通っていた男だったって」
ある社員が語る。
「それでは偶然の事故ではないというの?」
他の社員が尋ねる。
「それはわからないでしょう。狙ったことなのか、それも偶然なのか」
女子社員らの後ろで、自販機でコーヒーを選んでいるビョンヒ。
ビョンヒは聞いていないように明るい顔で軽快に休憩室を去って行く。

「偶然だったのか?でなければ....二人は... どんな関係だったのだろうか?
もしかしたら初めには私を狙ったかもわからない。妻の後に隠れていたかもわからないだろう。
だが、私が早く出てこないから計画に支障が生じたのだろう」
ビョンヒはそんなことを考えた。

居間いっぱいに広がる妻の持ち物。
本、服、アルバム、CDとビデオテープ、化粧品等...
ノートと本の合間合間を確認しているビョンヒ。

「何度もチャイムを押したのは妻が押したのでないかわからない。
ところが妻は妊娠中であったのに.....」

 “ごめん、あなたの子供でないの”、“もう離れてくれたら良いのに”、“若い男ができた。 このバカ”
ノートには、想像もできない文字が。

“あなた... すぐに死んでくれなくては。”
そして、銃の絵が描いてあり....  “バンっ!”.

「いったい... あの日... 妻は何か話をしようとしたのか?」

鏡台、服、本.....
妻のあらゆるものを庭の隅へと放り出すビョンヒ。

「事故から二ヶ月.... 死より苦しかった感情は痕跡もなく消えた。
そして少し後.... そのことが始まった」

死んだ妻の妹三人が突然訪ねてくる。
泣きながら何かを訴える。
妻の妹がハンドバッグから何かを取り出す。銃だ。
そして、ビョンヒに向かって銃を撃つ。
驚いて立ち上がるビョンヒ。
しかし、単にティッシュを出し鼻をかんでいただけだった。
我に返って呆然とするビョンヒ。

ビョンヒは、我 が家の門にコードレスCCTVを設置する。

熱を帯びた会議中、一人で不安な顔でネクタイを触るビョンヒ。
正面の男性の膨らんだ書類綴が気になるビョンヒ。
書類綴をめくる男性。書類を広げれば銃。動揺が隠せず目をとじるビョンヒ。

「幻覚だ。一時的な脳の問題だ。...1、2ヶ月過ぎれば大丈夫になる」
自分を落ち着かせるビョンヒ。

しかし、幻覚はまだ続く。仕事をしていても....
いつのまにか男性が銃を額に当て引き金を引く。「バンっ!」流れ出る血。
驚いて自分の席からフラフラと飛び出して行くビョンヒ。

予想は見事に外れたし、不幸は終わらなかった。
株式は底を打ったし、再開発は不発になった。
会社はおろか家の外に出ることもできなかった。
私に保障されたことは、6ヶ月間の失業手当て。
どうにか6ヶ月中に死ななければならない。 さらに不幸になる前に...

自殺クラブに入り、青酸カリを分け合って死のうとする。
精気がないビョンヒが飲もうとする瞬間、警察が押しかける。逮捕されてしまうビョンヒ。

相手が何かを出そうとすると、全て銃に見えてしまうビョンヒ。
どうにもならないほど苦しい毎日。

「不幸は人間の想像を超越する」




現在に戻る。

CCTVでジミンの部屋の様子をTVでみつめるスガン。
「こんなことしておいて、いつ拉致して、いつ埋める?」
ビョンヒの言葉にスガンはキレる。
「完璧な瞬間を待ってるんじゃないの!」
「なんで?逃げたらいい。人を縛って拘束することは息苦しい」
スガンは訴える。
「君、本当に笑わせる。ここは我が家だ。私がなぜ逃げる」
ビョンヒは言い放つ。

床にゴロっと横になりビョンヒをみつめるスガン。
「私に惚れたな?」
スガンは自信たっぷりに言い放つ。
「なので通報もでず、逃亡もしない。私の魅力にそろそろ参ったんだろう?」
ビョンヒは呆れて言葉も出ない。
「もう誰ともつき合えず、お金も儲けられないで....
中身もいいだろう。美しいだろう。 生活力強いだろう。 何も劣るものがないでしょう」
スガンは、しれっと言い放つ。
「いったい誰の話か?」
ビョンヒは尋ねる。
「私たちの話」
スガンはあっさり答える。
「誰が君のようなキチガイ女が好きだと?」
ビョンヒは言い放つ。
「あんたが」
スガンは少しも引かない。
「ただの乞食だと思ったが、今見ると完全にキチガイ女だね」
ビョンヒは言い放つ。
「あんたにはもう何も生じない。
自殺もできないし。 就職もできないし。 ちょっとあれば飢えて死ぬ?
運が悪ければ、このまま老いて死ぬかも知れないだろう。 死ぬ時もあんたのそばには誰もいないのだ」
スガンは言い放つ。
「オイ!」
ビョンヒは不愉快そうに声を荒立てる。
「何?」
スガンは少しも悪びれない。ビョンヒは黙ってしまう。
「だから、何!?」
スガンは促す。
「アジョシと呼ぶように」
ビョンヒはそう言ったが、本当はそうではなかった。
どうせ正常ではない女の言葉だから気にすることもないのに、妙にその言葉が心に突き刺さった。
なんだか本当にそのようになるようで....怒ることができなかったのだ。




2005年11月26日

ようやく紐を解かれ、自室のベッドで眠るビョンヒ。
すると、ドアを激しく叩く音が。スガンだ。
「助けて!」
スガンは尋常でない様子だ。








ジミンの部屋が火事になったのだ。
必死にジミンを救出しようとするスガン。自分の怪我など構わずに。
そして、気絶したジミンをビョンヒの家へショッピングカートに乗せ運ぶ。




助け出したスガンを愛しそうにみつめるスガン。
そして、自分が真っ黒に汚れていることに気づき浴室へ行く。
泣き出すスガン。
ビョンヒがスガンの泣き声に気づき、浴室を覗く。
「突然火が... だから、私驚いて... 死んでしまうものと思って......」
そう言って泣くスガンを、ビョンヒは抱きしめてやる。




ビョンヒは、スガンの汚れた髪をシャンプーしてやる。
まるでペットのようだ。
ビョンヒは、突然スガンの頭を叩く。
「何?」
スガンは意味がわからない。
「一体最後にいつ洗ったんだ?何度シャンプーをしても、泡が出ない」
ビョンヒは言い放つ。
スガンはビョンヒの首に腕を回す。
「水が傷に飛ぶの」
スガンは言う。
「偉くなったもんだ」
ビョンヒは言い放つ。
「髪を洗い終わったら、背中をマッサージして」
スガンは言いたい放題だ。
ビョンヒの首に腕を回したままリラックス。

「私たち映画のようだ」
スガンは告げる。
「何?ミザリー?」
ビョンヒは尋ねる。
「いや... こういう映画見たようだ。 男が女の髪を洗う.....」
スガンは、またもや思い出せない。
「アウト オブ アフリカ」
ビョンヒが答える。

スガンは目を閉じる。
そのキレイな顔をジっとみつめるビョンヒ。
「黙っているとぎこちないでしょう?」
スガンはそう言って目を開ける。
みつめ合う形になってしまった二人。
ささやくように声を掛けるスガン。
「ずっと見ていたの?」
スガンは尋ねる。
「うん?」
ビョンヒは言葉に詰まる。
「ずっと見ていたでしょ。私、どう?大丈夫?」
スガンは尋ねる。
「正直に?」
ビョンヒは尋ねる。
「...うん。殴らないよ....」
スガンは断言する。
「そうなだ.... まぁまぁだ」
ビョンヒは答える。
「どんな女が好き?」
スガンは尋ねる。
「気が利く女性?」
ビョンヒは迷いながら答える。
「.......私は完全遠いね」
スガンは残念そうだ。
「......うん」
ビョンヒは正直に頷く。




スガンはビョンヒのセーターとズボンを着ている。
(遺留品の服ですね)
居間の窓際で、二人並んでタバコをふかす。
「家で吸うのは、10年ぶりだ」
ビョンヒはつぶやく。
「ほんとに?」
スガンは尋ねる。

「以前は、健康管理のために....(何かを思い出す)初めて団体で死にに行く旅行に行ったが。
共同購買で買った青酸カリをちょうど回して飲む時だった。ある奴が言うんだ。
「私たち、タバコ一本を分けて死にましょう。
心は死ぬことだけなのに、願いを言われるとすぐに聞き入れたくて一度吸った。
一度吸ってから、また他の奴が...
その時、誰かが自分は必ずマルボロメンソールを吸わなければならないと言い出した。すぐ買ってくるって。
群れの中の一人がすぐ買ってくると無理に抜け出る。
なのに、時間が過ぎても来ない。なので次の奴が探しに行くといって行って。
そうするうちに私もお腹がすいてそのまま降りてきた」
ビョンヒは語る。
「共同購買した青酸カリはどうしたの?」
スガンは尋ねる。
「群れから出る時、最後に残った二人に任せてきた」

「めちゃくちゃだ」
ビョンヒはつぶやく。
「何が?」
スガンは尋ねる。

「君は完全犯罪で埋めてしまうという子を助けに火の中に跳びこんで、
私は我家に侵入したお前を助けてやり、
既に死んでいたかもしれない奴は我家で寝ているし」
ビョンヒは告げる。
「それでは私たち、完全に乞食になったのか」
スガンはつぶやく。




1998年11月2日

日ざしが入って来るスガンの家の縁側。
13歳のジミンと21歳のスガンがゴロゴロしながら見詰め合っている。
(スガンは何年か遅れて入学したとか言ってたけど、よく覚えてない/笑;)
ジミンが原稿紙をおいて読書感想文を書いている.

「20歳を過ぎたなら完全大人じゃないか」
ジミンは告げる。
「完全大人と言えるね」
スガンも頷く。
「カッコいい」
ジミンはつぶやく。
スガンはジミンの顔に触れながら、「カッコいい?」と尋ねる。
「どうして人々がお前を嫌やがるかわからない」
ジミンは言い放つ。
「どうして私をキチガイだと言うかわからない」
スガンも同意する。
「ホントにわからない?」
ジミンは尋ねる。
「山奥で一人で生活しているからだよ」
ジミンは告げる。
「それ...違うのに。住むところがなくて、ここに住んでるだけなのに」
スガンは心外だ。
「他人からは、キチガイやバカに見えるんだ」
ジミンは告げる。
「そうだね」
スガンは笑う。
「バカだと言われて嬉しいのか?」
ジミンは尋ねる。
「お前に言われれば、全て嬉しいの」
スガンは答える。ジミンは言葉に詰まる。
誰が先にというのもなしに、互いに近付く二人。




「この二重人格者!私の人生をこんなに台無しにしておいて、お前は小娘にフラれたと自殺するのか?!」
目覚めたジミンをスガンは怒鳴りつける。
「本当に死のうとしたのではないと何度言えば.... お前が助けなければ、あの子と仲直りできたのに」
ジミンは訴える。
「お前、いつまでそのように生きるのか?!私でなければ、お前はもう死んでいたの!」
スガンは言い放つ。
「笑わせるな。お前でなければ、このようなことにはならなかったんだ」
ジミンは否定する。
「この顔の傷。覚えているか?
俺はこの傷のために、友達もまともに付き合う事ができな.... お前にそれがわかるか?」
ジミンは顔の傷を突き出す。
「私が.... そんなことを?」




2002年6月23日

2002年ワールドカップ観戦にマッサージ店の売込に出かけたスガンは、そこでジミンをみつけ後をつける。
人気のない路地で、スガンは後ろからジミンに抱きつく。
必死に振り払うジミン。
「死んでしまえ!この野郎!」
ジミンは怒鳴りつける。
「いったいなぜそうなんだ....監獄にいる間、私に申し訳ないと手紙も送ったではないか」
スガンは訴える。
「お前が、俺の兄弟を誘拐して、俺の家族みな殺すと脅迫するからそうしたんじゃないか」
ジミンは否定する。




ジミンは携帯電話で警察に通報しようとする。
それを止めようと、咄嗟に石でジミンを殴りつける。
その時にできた傷だ。
「結局、あんたも通報したじゃないか!示談も最後までしなかったし。 私がそのことで何年買ったと思う?」
スガンも言い返す。
「俺がなぜ転校したと思う?お前が怖くて?笑わせるよ。
お前と寝たという噂が立ち、学校の友達が俺とはご飯も食べなくなったからだ」
ジミンは言い放つ。
「なんで?私がキチガイだから?」
スガンも引かない。
「それを私に尋ねるのか?お前、梅毒かかったって?」
ジミンは尋ねる。
「は?」
スガンは思いもよらぬ言葉に驚く。
「そうとも知らずに.... 俺がその話を聞いてどれくらい洗ったと思う?」
ジミンは言い放つ。
「私、お前とが初めてだって」
スガンは告げる。
「笑わせるよ。 今はもちろん、で、その時も信じなかった」
ジミンは告げる。
「.....本当に?」
スガンは力なく尋ねる。
「当然だ、このキチガイ女。お前なんて、ほんとウンザリだ」
「あの時... 私は判断を間違えた」
ようやくジミンに愛想を尽かすスガン。
「何だと?キチガイ女......」
ジミンは不愉快そうに顔を歪める。
スガンは、ジミンのあごにげんこつを飛ばす。




雨の中、庭に穴を掘るスガン。
縛られたまま、ワナワナ震えているジミン。
「本当に埋めるつもりか?」
ジミンは脅える。スガンは無心で穴を掘り続ける。
「助けてくれよぉ」
ジミンは懇願する。泣きながら「アジョシ、アジョシ」と、ビョンヒに助けを求めるジミン。
一人傘を差してじっと見守っていたビョンヒ。
「我が家に埋めるのは困るんだが」
ビョンヒは告げる。
「それは、私にこの雨の中に山にでも行けという意味なの?」
スガンは言い返す。
「人間はな、思い通りにはならないんだ」
ビョンヒは告げる。
「私にどうしろという言葉なの?あのように言うことを聞かないのに?」
スガンは受け入れない。
「お前はいくら好きでも、相手は違うんだ」
ビョンヒは説得する。
「三十七にもなって、まだそんな言葉が出る?」
スガンは言い返す。ビョンヒは黙ってしまう。
「あの子を見て。あの子は私より若くて、勉強もたくさんして、親兄弟もすべているのに、女に毎日蹴るの」
スガンの言葉に、ジミンも黙ってしまう。
「アジョシだって、職場もあって、結婚もしたが今は一人じゃないの。
私の好きな人が私を好むようにすることは奇蹟だ。
それまで待っていたら、老けてしまってたまらなくなるの」
スガンは告げる。
「俺たちだって奇蹟だろう。他の人々はすべてあのように暮して」
ビョンヒの言葉に、今度はスガンが黙ってしまう。
「俺はまた誰か愛することができなかったし、お前は誰かに愛されることができなかった。
俺らは失敗作だが... この子はまだ子供だから... 返そう」
ビョンヒは説得する。ビョンヒの言葉に胸が痛むジミン。
だが、スガンはまた穴を掘り始める。

その夜、誰かが騒音被害で我が家を通報した。
ジミンは病院に運ばれ、私たち二人は警察に連行された。
監禁されたことが認められた私は、丸一日ぶりにまた家に帰り、彼女だけが一人で警察署に残りました。




2005年11月28日

一人警察から解放されるビョンヒ。
その後ろ姿をスガンは警察の窓からみつめていた。




停留所でバスを待つビョンヒ。ふと、ホパンが目に留まる。




ホパンを五個、警察にいるスガンに届けるビョンヒ。
いつかスガンが言っていた言葉を思い出したのだ。いつかホパンを五個一気に食べるのだと。
5つのホパンを見て、胸が熱くなるスガン。




帰っていくビョンヒの後ろ姿を、スガンはみつめ続ける。

家に戻ったビョンヒは、干されたスガンの衣服を大切そうに眺める。
そしてソファに座り、力なく考え込む。




現在に戻る。

警察で尋問中のビョンヒ。
刑事は、几帳面に整理された郵便物を突きつける。
「私があなたの話を信じることができないというわけではなくて、
イ・スガンがあなたの家に泊まったのは2005年11月の一月余りなのに、
郵便物はイ・スガンの三回目の出所後の2006年12月から、つい一週間前までと言うことだ。
アジョシが集めて渡したのではなければ、毎日来てこっそりと取り出して行ったということだ。

その時、ビョンヒのアリバイを証明してくれる手がかりが発見されたと連絡が入る。
「それが... 南揚州で....」
背の高い刑事が告げる。
「南揚州?」
背の小さい刑事も首を傾げる。
ビョンヒはさっぱりわからない。南揚州...?




「束草署から送られたメールによれば、イ・スガン死亡の前日である土曜日の朝には、
キム・ビョンヒの家に立ち寄ったことと思われます」
背の高い刑事が報告する。

2007年12月22日 am7:00

どこかへでかけるビョンヒ。
しばらくしてスガンが現われ、悠悠と歩いて行ってポストを物色する。
告知書郵便物頭痛を取り揃え、悠悠と去って行く。
「私はずっと家にいたが...」
ビョンヒは告げる。
「とにかく、そこを出て束草の自分の家まで歩いて行こうと思ったことと思われます」
背の高い刑事は報告する。
「誰もいない自分の家になぜ?」
小さい刑事は首を傾げる。
「同僚路上生活者たちの証言によれば、クリスマスを家族と過ごすとか、そんな話をしたと...」
背の高い刑事は報告する。
 “そのオンニ、普段もちょっとウソをつくが、クリスマスなので家族たちが集まると...
あら....そのオンニ死にましたか?なぜだか.笑わせる。
そのオンニの恋人に尋ねてみてください。
毎日手紙をやりとりしてそうな恋人がいるみたいだが”
路上生活者の女は語る。
 
町内のレンタルビデオ店。
空のカートをひいてビデオ店に来るスガン。
スガンが近付くと、青年は何か話を交わした後中に入って行き、大きいボックスを二つ持って来る。
古いビデオテープがたくさん積まれたボックスをカートに積む。
ボックスに先ほど取り揃えた郵便物を差しておく。
「誰なの、その恋人なの?」
小さい刑事は尋ねる。
「違います。ただの町内ビデオ店のバイトです」
背の高い刑事は答える。
リュックサックを担いで、カートをひいて....
鐘路、清凉里... いよいよ南揚州にやってきたスガン。力尽きる。
コンビニの前で座って休憩するスガン。
”束草物産”と書かれた大型トラックがコンビニの前に止まり、トラックに乗りこむスガン。
スガンはカートをそのまま置き去りにして。
「ところで....キム・ビョンヒ氏のアリバイはどこある?」
小さい刑事は尋ねる。




パトカーが到着し、警察がカートをあちらこちらに見る。
「カートに、キム・ビョンヒ氏の郵便物があったんです。
住所地を見てこちら管轄で知らせて来ました.受賞した品物があると」
背の高い刑事は報告する。




TVの前に集まっている背の高い刑事、小さい刑事。何人かの警官、そしてビョンヒ。
ボックスに積まれているビデオは大昔の映画から非正規商品など色とりどり。
ビデオ店青年がぎこちなく立って説明している。
「ここをよく見れば、テープ下段に番号が決められています。 これが日付です」
デッキにテープを入れる青年。
白黒CCTVにつけられたビョンヒの家の居間だ。
驚くビョンヒ。
画面下段に2007/12/22 AM1:00日とある。
ソファでごそごそ寝ついているビョンヒ.。
「これが何なの?」
小さい刑事は尋ねる。
「私もよくわからないです。ある女がやってきて、自分の人生に一番重要な登場人物だと見守りたいというので」
青年は答える。
「いくら貰った?」
小さい刑事は尋ねる。
「いくらも受けませんでした。1ヶ月に5、6万ウォン程度であり。 お金よりも恐ろしくてしたのです」
青年は告げる。




回想、レンタルビデオ店──
薄暗いビデオ店ショーケースの後隈でCCTVでビョンヒを見ているスガン。
「録画は何故した」
小さい刑事は尋ねる。
「主人アジョシが夜に眠ってしまうので、その時間は見られないから録画してくれと」
青年は答える。




相変らず画面の中で寝ているビョンヒ。
「これを毎日来て見ていたということ?」
小さい刑事は尋ねる。
「ほとんど毎日なのにこれない日もあって。来ても見なくて寝るだけする時も多かったです。
お手伝いだけさせて食べて」
青年は答える。
その話に突然クククと笑うビョンヒ。
皆、ビョンヒに視線を集中する。
「申し訳ありません」
ビョンヒは謝る。
「そしてこれ... 探していた日曜日のテープです」
青年はテープをデッキに入れる。
画面の中でビョンヒがTVを見てハハハ笑っている。
鮮明につけられている2007/12/23 am06:45。
静かにその画面を見ている人々。
「あの時間ならば、既にイ・スガン死亡した後だ」
小さい刑事はつぶやく。その話に静かになる室内。
ビョンヒ、無表情にTVの中の自身を見ている。

2007年12月28日pm9:30。事件終了。




門を開いて外に出てくるビョンヒ.。
小さい刑事がビョンヒに手をあげて銃のようなものないというジェスチャーをする。
そしてすぐに、ショッピングバッグを渡す。
「何ですか?」
ビョンヒは尋ねる。
「被害者の遺品なのに。他のものはみな焼いて処分したが... ところであのことを思い出しますか?
同僚路上生活者が恋人と手紙やりとりしたと。
信じるわけではないが、これはどうもその手紙のやりとりのような気がして」
小さい刑事は告げる。
中には、告知書綴りと顔なじみであるノート一冊。
「あ!来月の連休終わって4日に無縁故死体地域合同葬儀があります。
その時、時間があったら行ってあげてください」
目礼して路地で消える刑事.
ショッピングバッグと共に残されたビョンヒ。

ノートを向き合って座ったビョンヒ.
ある日‘そのノートで見た’と話すスガンを思い出す。
自身の文字で遺書が書かれている。
そうだ。初めて自殺しに行った日。 遺書を書いた。
どうせ死ぬことだが言いたい話を全部言って死のうと考え、何と24ページの遺書を書いた。
キチガイ.... 結局死ぬこともできないのに。
そのようにパラパラと渡すのに見慣れない文字が目に見える。
やっと調べてみることができるほどの一文章を捜し出す。
“Out Of Africa...”その文字と複雑なビョンヒの表情の上。

アジョシが間違ってる。私考え出した。アウト オブ アフリカ。
アジョシはまた誰かを愛するのが正しくなかったし、私は誰に愛されることは正しくなかったという話。
その話は... アジョシが正しいようで。
それでも... その反対はどう?
私はまた誰を愛することになって、アジョシは誰かに愛されることになること。
それならば、私たちも完全失敗作ではなかったんだろう?

回想──

”束草物産”のトラックの荷台に乗っているスガン。
ある人は疑うのが愛することで。
ある人は困らせるのが愛なの。
思いのままに調節できないのにどうする?

困らせたい心が少しもなくて、相手が苦しむのに、私はどうしたらいい?
他人を咎めるわけではないよ。私自身を恨むの。
なぜかおじさんは困らせたくなくて。
それでもう、この家を出て昔の我が家に行くのだ。




「ただいま」
壊れそうな我が家に帰ってきたスガン。
もしおじさんが死ぬ前に私が気になって私を一度見たいならば我が家に一度きてくれる?
ひょっとして場所がわからないから。 ひょっとして来たくなるかも知れないか、
離れる日アジョシの家に立ち寄って、牛乳袋の中に略図を入れておいたよ。
何の住所なのか気になって一度来てみることにならないだろうか?




キャンドルとマッチを取り出して明かりをつける。
リックザックを背負ったまま中央に立って静かに見回すスガン。




スガンの我が家を訪ねるビョンヒ。
「今 になって誰かがまた少しでも好きになったこのと違うかと尋ねるならそうでもない」
足を止めるビョンヒ。
倒れそうなスガンの家の前に立っている。
しばらく中を見回すビョンヒ。
めちゃくちゃだった家が結構整理されている。
懐中電灯であちこち照らしてみて、外に出て行く裏口を発見。
ビョンヒは、そこから出て行く。くねくね曲がっている山道が広げている。

そうでないのならば、なぜ異執に来たかと敢えて尋ねるならば....
最後の機会という気がして....
あの丈夫な子が死んだとすれば.... 私もすることができる....
私も上手にすれば死ぬことができて..... そんな考えが30%......

暗くなり始める山道をぐにゃぐにゃ降りてくるビョンヒ。
スガンも倒れたその場で足を踏み外す。
びっくりしてそばの木を捕まえる。
木が折れながら下へ転がる。 リュックサックが転がり落ちる。

真っ暗な中、遠く明るいあかりがうっすら見える。
目印のように遠く見える黄色いあかり一つ。
ゆっくりのろのろと山を降りてくるビョンヒ。
山を降りてくるのに前に誰か見える。
静かに見れば、スガンだ。
遠く見える小さいあかりに向かって歩いていく。
黄色いあかりが正体を表す。 ビニールハウスだ。




ビニールハウスの中のスガン。
見て回れば、ビニールハウスの床にビョンヒの我が家の居間にあったソファが置かれている。
洗濯紐には嫁トレパンの代わりに自分がビョンヒの我が家で洗ってかけておいた服がかかっていて....
洗っておいた服に着替えてソファに座っているスガン。
その時ビニールハウスのドアを開けて中に入ってくるビョンヒ。
静かに目が合う二人。




「ただいま」
スガンはビョンヒに告げる。 ビョンヒの家にあったソファに洗濯物。
ここはスガンにとってビョンヒの我が家だ。 我が家に帰ってきたのだ。
「まさか....私を見にきてくれたの?」
スガンは尋ねる。
ビョンヒ、素早くコクンと頷く。
「本当に?」
スガンは尋ねる。
「うん」
ビョンヒは答える。
スガンは感無量だ。




静かににっこり笑うスガン。そのまま目をとじて眠ってしまう。
ビョンヒが我に返ると、そこはガランとしたビニールハウスだった。
一人ビニールハウスの中に立っているビョンヒ。

私の好きな人が私が好きなのは.... 私たちにだけ奇蹟なのではない。
それは本当に... 奇蹟だ。
スガンの声が聞こえる。




合同葬式。11人の遺影の中にスガンの写真が見える。
みすぼらしい葬式なのに、喪服をキチンと着用してきたビョンヒが見える。




喪に服したビョンヒがすごすご居間に入ってくる。
しばらく居間に立っていて底にスガンのように横になって布団を被る。
その時、玄関のチャイムの音。

ビデオフォンモニターを覗くと、白い帽子を被ったスガンが経っている。
呆然として、門を開けるボタンを押す。
玄関のドアを開くのに同時に銃口がビョンヒの頭に打ち込まれる。
「バンっ!」
騒がしい声とともにビョンヒ耳をふさいで目をとじる。




ビョンヒ静かに目を明ければ、銃口から魔術のように真っ赤なバラ一輪が咲いている。
(パク・ヒスン。まつ毛ながー
「メリークリスマス。そして、ハッピー・ニュー・イヤー。そして......」
照れたように笑ってその先を言わないスガン。

END

「うちへなぜ来たの?」
それはビョンヒがスガンに対する疑問だったけれど、今度はビョンヒがスガンの我が家を訪ねる。
それはなぜ訪ねたのか。
そしてスガンの存在により、銃で撃たれる幻覚も消えた。

それにしても、会話や独白が多すぎ!
マジでじがれたぴょん.........



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