マイ・ファーザー   My Father 
 原題:マイ・ファーザー 마이 파더(マイ パドゥ) <2007>

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実の両親を探すために駐 韓米軍に志願した養子ジェームズ・パーカー(ダニエル・ヘニー)。5歳の時に米国へ養子縁組された彼は、和やかな家庭でしっかりした青年に育ったが、実の 両親を探したい想いだ けは、拭い去ることができない。

駐韓米軍に志願して故国を訪ねたジェームズは、KATUSA(駐韓米陸軍に派遣されている韓国軍)の友人ヨソプ(キム・イングォン)の助けで、養子縁組前 に少しの間いたチュンチョン(春川)の保育院を訪ねる。そこで自分の韓 国名がコン・ウンチョルということを知った彼は、テレビ番組に出演し、両親の行方を探す。

番組を通じて実父を知っているという神父と連絡がついたジェームズ。しかし、彼が探したかった家族... 唯一の血筋の父が... 服役10年目の死刑囚 という事 実を知り、二人は、よそよそしい再会を果たす。

海外養子と死刑囚の父の再会という記事で、マスコミの注目を浴びるようになった彼ら。面会を通して、互いを少しずつ知っていく過程で、憐憫の感情が 芽生えるようになるが、いつ死刑が執行されるかもわからない死刑囚と、除隊後、米国に帰らなければならないジェームズの出逢いは、とてももどかしい。

【予告編】 

監督 キム・サンウ <2007>マ イ・ ファーザー

出演

キム・ヨンチョル

<1981>白い微笑、<1988>業、<1989>その後も長い間、<1989>逃げた話、<1991>成熟した外出、
<1992>皆が殺したかった女、<2000>純愛譜、 <2005>甘い人生、 <2007>あいつの声
<2007>マイ・ファーザー
ダニエル・ヘニー 出演作品一覧

キム・イン グォン

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
2007年9月韓国公開。観客動員数は、約91万人。
日本では、2008年10月9日にDVDが発売になりました。

死刑囚と息子の再会。
同年に公開された息子とカブるようなテーマ。
いかにも’お涙頂戴’と伺われるような内容に、ちょっと躊躇。
息子は、チャン・ジン監督なので、見てみる か....と。
ですが、こちらマイ・ファーザーはいつになっても見る気になれず。
心ふるわすような温かい映画を探すことが困難となった韓国映画界。
もしかしたら.....
と、ちょっと期待して見てみましたが、見なくてもよかった映画でした。
残念。
もしかしたら、二度、三度観たら、心にしみてくるのかな?

韓国は、「乳児輸出国1位」や「孤児輸出国1位」と呼ばれてきました。
1988年のソウルオリンピックをきっかけに、対策に取り組み、現在海外養子は激減しているそうですが。
韓国映画においても、韓国ドラマにおいても、海外養子縁組の話は、日常茶飯事に登場します。
この映画は、その海外養子縁組で海を渡った息子が、実の両親を探す話です。
そして、驚くことに、その実の父が死刑囚だったのです。

海外養子縁組がなぜひっきりなしに行われたか。
それは、貧しさ故が最も多い理由でしょう。
そして、貧しい時代には、犯罪も多発する。
ですから、養子に出した両親が犯罪者である確率も、少なくはないのではないでしょうか。

実際、この映画は実話が基になっています。

新人監督にしては、しっかり練られたシナリオ。
ですが、どうも薄っぺらい。
まったく感情移入できず。
息子役に、旬のダニエル・ヘニーを起用したことで、
ダニエル・ヘニーのプロモーションビデオ的なシーンが盛りだくさんなのにも原因があるでしょう。
本筋から外れてばかりです。
話が散漫になりすぎ。

そして、最大の原因は、死刑囚の父にあるでしょう。
キム・ヨンチョルは芸達者ぶりを見せますが、それがヘンに上手すぎてしまい、
逆に’作り物’であることを実感してしまう。
息子との幸せな時間であることを強調したかったのでしょうけれど、
ファン・ナムチョルがあまりにも軽くて滑稽で、一体どんな人物なのかまったく掴めず。
それだけでなく、ファン・ナムチョルの心情も伝わらず。
ファン・ナムチョルの息子への想いをもっと前面に出して描いて欲しかったですね。
この映画は、いかにダニエル・ヘニーをかっこよく描くか.... が、軸になってしまっています。

息子 は、引き裂かれてしまう父と息子があまりにも悲しくて、
見ているこちらが胸が引き裂かれる想いでしたが、
マイ・ファーザーは、いつまで経っても胸に迫ってきませんでした。
あくまでも、mocaは....です。
この映画で号泣された方もたくさんいるでしょうから。

mocaは、ほとんど予備知識も持たずにこの映画を見ました。
なので、実話を基にしていることも知りませんでした。
ですので、あのエンドロールは衝撃でしたね。
実際の死刑囚の父と息子のドキュメンタリーが流されるのです。
本編ではまったく緩まなかった涙腺ですが、エンドロールで大泣きしました。
シナリオがしっかり練られていると先に申しましたが、
シナリオがよかったのではなく、実話があまりにも感動的だったのです。
あの短い時間の中で、息子の父への想いが痛いほど伝わってきました。

ファン・ナムチョルは、ジェームズの父だと名乗る資格はあると思います。
映画ではイマイチその人物像がわかりませんでしたが、
ろくでなしであっただろう男が、一人の女を心から愛し、全てを受け入れたのです。
おいそれとできることではありません。
父になる決意をしたその日から、正真正銘の父親になったのです。

こんなに美しい話だけに、mocaとしてはちょっと残念ですね。
もう一度しっかり作り直して欲しい映画。


【ファン・ナム チョル】
死刑囚
キム・ヨンチョル
【ジェームズ・パーカー】
韓国名:コン・ウンチョル
ダニエル・ヘニー
【シン・ヨソプ】
ジェームズのルームメイト
キム・イングォン
【チャン・ミノ】
ナムチョルの昔の仲間
アン・ソックァン


ダニエル・ヘニーの演技は、天性のものだと思いますね。
どの作品を見ても、人を惹き付けてやまない。

そして、別の意味ですごいのは、アン・ソックァン。
すんげーわ!この人。
あれ、どこまで演技なんです?
ドラマにもいろいろ出演してますので、違いを比べながら見るのが楽しみ。

ダニエル・ヘニーの母役は、オールインのチェ・ジョンウォンでしたが、
まともに顔を拝むことが一度もなくて残念。




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