少女たちの遺言  Memento Mori 
 原題:女子高怪談 二番目の物語 여고괴담 두번째 이야기(ヨゴグェダム トゥボンチェ イヤギ) <1999>

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少女たちの遺言

遅刻しそうになり、学校の垣根を越えて登校したミナ(キム・ミンソン)は、手洗 場で赤い表紙の日記帳 を拾う。同じ クラスの友達シウン(イ・ヨンジン)と、一年前の奇妙な行動で、みんなから除け者扱いを受けているヒョシン(パク・イェジン)の交換日記。

ミナがこっそり 読む日記の内容と、現在のシウンとヒョ シンの 話が交差しながら全体的な輪郭が明らかになる。

陸上部に所属し、いつも教室の後ろの席に静かに座っているシウン。彼女にとってヒョシンは唯一の友達。中性 的な外貌のシウンと、年齢より成熟して見える ヒョシンが一緒にいると、友達以上の関係という噂が広まるようになる。

偶然に日記を読むようになったミナは、噂と日記の中の真実との間で混乱するが、結局、二人を理解するようになる。しかし、二人の関係は、交換日記を提案し たヒョシンがシウンに過剰な執着を見せることで葛藤するようになり、ヒョシンが学校で飛び降り自殺をす ることで、学校中が混乱に陥る。

ヒョシンの自殺で衝撃を受けた生徒たちは、極端な冷笑を見せる者と、突然の同情心に陥る者に二分され、ミナは一人抱える秘 密のせいで苦しむ。

一方、ヒョシンの自殺の直前に一緒にいたシウンは疑いをかけられ、ミナはシウンを助けようとするが、シウンは容易に心を開かない。

【予告編】

監督 キム・テヨン(金兌容 ) <1999>少 女たちの遺言、 <2004>20のアイデンティティ <Pass Me>、<2006>家 族の誕生
ミン・ギュドン(閔奎東) <1999>少 女たちの遺言、 <2004>20のアイデンティティ<秘密と 嘘>
<2005>私の生涯で最も美しい一週間、<2008>アンティーク~西洋骨董洋菓子店~
<2009>五感図 segment 4 <終わりと始まり>

出演

キム・ミンソ ン(金泯洗)2009.11.26より
キム・ギュリに改名

<1999>少 女たちの遺言、<2000>海辺に行く、< 2001>24、<2001>アフリカ、<2001>ロスト メモリーズ
<2004>下流人生~愛こそすべて~、<2007> 人類滅亡報告書[制作中断]、
<2007>永遠の魂(星の光の中へ)、<2007>仮面、 <2008>美人図
<2008>アンティーク~西洋骨董洋菓子~(友情出 演)、<2009>五感図 segment3 [33番目の男]、
<2010>チョン・スンピル失踪事件、<2011>豊山犬(プンサンゲ)

パク・イェジ ン

<1999> 少 女たちの遺言、<2000>狂詩曲 THE RHAPSODY、 <2002>切り抜ければ生きられる、
<2005>高校教師 恋の教育実習、<2006>彼女はきれいだった、<2009>清潭菩薩

イ・ヨンジン (李英真)

<1999>少 女たちの遺言、<2000>01412破邪神剣、<2000>純 愛譜-じゅんあいふ-
<2001>アフリカ、<2002>サプライズ(特別 出演)、 <2003>デウス・マキナ(制作中止)、
<2003>Mirror 鏡の中(友情出演)、 <2008>待 ちくたびれて
<2008>アンティーク~西洋骨董洋菓子~(友情出 演)、<2009>4時間目 推理領域、
<2009>ヨガ教室

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【レビュー&ネタバレ】
1998年 囁く廊下
1999年 少女たちの遺言
2003年 狐怪談
2005年 声(Voice)
2009年 心中

女子高怪談シリーズの第二弾。
女子高怪談シリーズのいづれかをご覧になった方はご存知だと思いますが、
「ホラー」としては、お粗末な作品ですわ。
この<女子高会談シリーズ>が人気があるのは、
ハイティーンの女の子の、多感で危うい時期を鋭く描いているからでしょう。
そして、このシリーズは、多くのスター俳優を輩出しているの。
その演技者たちの魅力も一つだと思うわ。
この作品の主人公は、キム・ミンソン、パク・イェジン、イ・ヨンジン。
この三人はこの作品で、いくつかの映画賞を受賞しているわ。
と、同時に、一気にブレイク。
この<少女たちの遺言>を観れば、その理由がわかるはずよ。
<ホラー映画>としては、ぜーったいにオススメできないけれど、
この三人に引き込まれて、最後まで釘付けになるはずよ。
mocaとしては、キム・ミンソンが可愛くて・・・
ちょっとビビアン・スー系で、mocaは好きだわ。
パク・イェジンは、<バリでの出来事>のヨンジュ役。
映画公開時は、17歳くらい?
信じられないほどの大人っぽさ。
かなりの老け顔ねぇ。
キム・ミンソンより3つも年下なのに、どう見ても年上。
ホントに年齢詐称してないのかしら?
それでも、まだみずみずしい頃で・・
キレイだわぁ・・・と思うことが多々あったわ。
イ・ヨンジンは、エキゾチックな顔立ちなんだけれど、
好感の持てない顔立ちで、
でも、時々目を見張るほど美しくて・・・
実物を見たら、あまりの美しさに圧倒されるんじゃ?と思うわ。
主役ではないけれど、
準主役で、コン・ヒョジンもデビューしているわ。

ストーリー自体も、本当に意味のわからない場面ばかりで・・
けど、「観て損したわ」という感じでもないのよね。

この映画は、キム・テヨン監督と、ミン・ギュドン監督の共同制作。
以前二人で作った短編映画が映画会社の目に留まり、
「どっちが実力があるのかわからないから」と、
二人に声がかかったという・・・(笑)
本当に念を押すけれど、
<ホラー>としては、最低レベルよ。
そして、邦題も最低ね。
「少女たちの遺言」だなんて、タイトルに思いっきり惹かれたけど、
少しも内容に絡んでないわ。
無理矢理こじつければ、「全く」とは言い切れないけれど。
内容に近いというか・・・
この映画の鍵になるのは英題「Moment Mori」でしょう。
「死を記憶しろ」
最後のオチさえもよくわからないこの作品。
この「死を記憶しろ」というキーワードを思い出せば、
ちょっと理解できると思うわ。


映画は過去と現在が交差しているので、
映画の進行は無視しておおまかにストーリー説明致しますわ。


1日目、1人の子が死んだ。頭が空っぽのまま。たぶん真実を思い出したから。
2日目、1人の子が死んだ。脚を切断されて。たぶん真実に近づいたから。
3日目、1人の子が死んだ。耳をそぎ落とされて。たぶん真実を盗み聞きしたから。
4日目、1人の子が死んだ。両目をえぐり取られて。たぶん真実を盗み見したから。
5日目、1人の子が死んだ・・・

7日目。1人の子が死ぬ。たぶん…

というフレーズで始まるこの映画。
なんだかすごく意味ありげで、引き込まれるわよね。
この女子高では既に6人の生徒が死んでいて、
7人死んだら廃校だということらしいわ。
ただ、7人が死んだということとは別に、
この映画にちょっとした意味を持たせているわ。
このフレーズの意味に気づかない方は、
「なに?このわけのわかんない映画は」で終わっちゃうことでしょう。


では、続きを。

ある日、ミナは手洗い場で赤い日記帳を拾う。
それは、ヒョシンとシウンの交換日記。
手の込んだ作りで、ミナは読んでいるうちにどんどん引き込まれてしまう。
(mocaもちょっと読みたいかも)
ミナは続きが読みたくなって、ついつい仮病を使い保健室に潜り込む。
ベッドで日記を読みふけるミナ。
「生きるのがイヤになったら飲んでね。元気の出る薬よ」
と書かれた文字に飾られたテープを引っ張ると、金平糖が現れた。
ミナはつい舐めてしまう。
そして小さく畳まれた紙からは、粉薬が出てきた。
「私が作った毒薬よ。あなたは私を愛さなくてはならなくなるわ。
今解毒剤を作ってるの。完成したら連絡するね」

と、書かれているのを読んだミナは、顔面蒼白になる。

ヒョシンはいじめの的だった。
そして、シウンは陸上の選手で、後輩からの憧れの的。
そんな二人は、急速に親しくなっていった。
ある日、ピアノの中からヒョシンは薬を取り出した。
「一人が死んだら、雨の日にもう一人を迎えに・・・
その時、この薬が役に立つわ」

日記を読んだミナは、考え込んでしまう。
そこへ、張本人のシウンが保健室にやってきた。
ミナの隣りのベッドには、ヒョシンが寝ていたのだ。
ミナは聞き耳をたてる。
「妊娠の症状に似てるって言われたわ。私達の赤ちゃんよ」と笑う。
シウンは、「話がある」と、ヒョシンを屋上へ連れ出す。

その日は身体測定の日。
突然廊下が騒がしくなる。
皆に押されるように校庭に出るミナ。
そこには、屋上から飛び降りたヒョシンの血まみれの遺体があった。
衝撃を受けるミナ。

「保健室でヒョシンに誰かが訪ねてこなかったか?」
と、ミナは先生に尋問を受ける。
その時、シウンも呼び出されてやってきた。
ミナはシウンを庇おうと、
「シウンは私と一緒にいたんです」と、嘘をつく。

屋上で─
二人は他愛のない話をした。
その日はヒョシンの誕生日だった。
「話ってなに?」と、ヒョシンが尋ねると
シウンは「何でもない」と、教室に戻ろうとする。
「そんな風に戻ったら、私のこと避けてると思うからね」
と、ヒョシンはシウンに告げる。
「私だって、しばらく会えくてつまらなかったんだ」
と、シウンは言う。
「私が死んだらみんなはどう思うかしら?
一人の女の子として記憶されたいわ。一人の女の子が死んだと」
ヒョシンは意味深なことを言う。
ミナは二人の会話を盗み聞きしていた。

ヒョシンが死んで、生徒たちは衝撃を受ける。
ミナは、1年前のヒョシンの奇妙な行動を思い起こしていた。
教室で、突然シウンに熱烈なキスをしたのだ。
その日以来、ヒョシンは「レズビアン」と、嘲笑の的だった。

ミナの体に異変が起こり始める。
めまいもして、体調も優れない。
教室で突然、足や体をつかまれ、首を絞められる。
日記を閉じようとするが、
見えない力に邪魔され、閉じることができない。
必死で日記を閉じると、凄まじい力で突き飛ばされ、椅子から転げ落ちる。
トイレでは、誰もいないのに気配を感じ、ミナは怯え始めていた。
日記を捨てようとするが、捨てられない。

ミナは、ヒョシンがよく弾いていたピアノをみつける。
鍵盤を叩くと、音のしない鍵盤がある。
不思議に思い中を除くと、
そこには様々な飾り付けがされ、
シウンの写真や、シウンへのメッセージで埋め尽くされていた。
ヒョシンがシウンの誕生日のために準備したプレゼントだった。
ミナはそこで、薬の入った小瓶を発見する。
「これを探していたんでしょう?」というメッセージがついていた。
解毒剤だと知ったミナは薬を飲んでしまう。

ヒョシンは、いつからか国語のコ先生と肉体関係を持ち始めていた。
シウンの心が見えずに不安になった寂しさからだ。
ヒョシンはシウンに「友達が欲しかったの」と、告白する。
シウンはヒョシンを蔑んだが、結局ヒョシンの元へ戻ってきた。

コ先生とヒョシンの関係を知ったジウォンは、コ先生を問いただす。
「事実なのか?」と。
みんなの前で事実を告白するよう求めるが、
コ先生は言い逃れをしようとする
「先生は二重人格だ。汚い」と、ジウォンは痛烈な言葉を浴びせる。

体育館では、合唱部の練習が行われていた。
しかし、体育館は騒然となる。
ピアノを弾いていたのが、死んだヒョシンだったからだ。
我先にと、逃げ惑う生徒たち。
具合の悪いミナは倒れ、生徒たちに踏みつけられる。
遠くから、ヒョシンが嘲笑っていた。
コ先生は、手首を切り自殺を図っていた。

END


「レズビアン」と蔑み、いじめた生徒たちを怖がらることで、
ヒョシンは復讐したということと、
そして、自分を妊娠させたコ先生にも報復が訪れた。
真実を探るミナにも、罰を下したのよね。
冒頭の「たぶん、真実を・・・」は、全てミナに当てはまること。
他人に踏み入れられたくな場所に、足を踏み入れたことで、
ミナはヒョシンから罰を受けたの。
「7日目に死ぬ」のは、ミナだったのかもしれないわ。
最後のあの巨大なヒョシンは・・・
ホラーとはいえども、いかがなものかと・・・







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