モダンボーイ Modern Boy |
原題:モダンボーイ 모던 보이(モドォン ボイ)<2008> |
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監督 | チョン・ジウ | <1999> ハッピー・エンド、<2005>親 知らず、<2008>モダンボーイ |
出演 |
パク・ヘイル (朴海日) |
出演作品一覧 |
キム・ヘス (金恵秀) |
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キム・ナムギル | 出演作品一覧 |
パク・ヘイルは、1977年1月生まれ キム・ヘスは、1970年9月生まれ 二人の間には6歳もの年齢差があるわけですが、その年齢差を感じさせないほど、 キム・ヘスが若く美しく見えてしまう。 恋をしているからでしょうか?(謎) 主演はパク・ヘイルでありながら、キム・ヘスの方が主演のような目立ちぶり。 スイングダンスを踊るは、 日本語のブルースをせつせつと歌うわ。 それでも、パク・ヘイルは地味ながらも、どんな役も自然に演じきる、 名優だと痛感させられます。 キム・ナムギルは勿体ないですねー まだブレイクする前とはいっても、この程度の役に納まるような器ではないのにー 日本人役だから、これまた日本語の違和感もあり、残念で仕方がありません。 「おおがい」役は、ドラマ【魔王】のソクチン、【このろくでなしの愛】のボック兄ミング。 うっすーい顔の上に、扮装しているような役柄なので、気づきませんでしたワぁ。 mocaの大好きなシン・グ씨 なんかいつもと雰囲気が違う(髪の色&キャラ?)ので、いまいち嬉しくない。 「美しいなぁ」と思ったら、イ・カニ。 でも、やはり老いには逆らえないのでしょうか?以前のまばゆいばかりの美しさとは、また一風違った熟女の雰囲気。 |
【レビュー&ネタバレ】 |
2008年10月韓国公開。観客動員数は、約77万人。 2008年は、ワンス・アポン・ア・タイム、 ラジオデイズなど、近代京城をモチーフとした映画が多い。 この映画は、約100億ウォンの制作費が投入された大作。 しかし、その制作費のほとんどは、「近代京城の街並み」を制作するのに使われたのでは? という感じですね。 既存の近代京城のセットでは満足できず、納得いく街並みを作ったそうで... そんなことに力を注ぐより、映画の内容に力を注いで欲しかったですねぇ.... ハッピー・エンドでは、ゾクゾクするよう な才能を感じたのに、親知らずでガッカリ。 ハッピー・エンドだけが、ま ぐれだったとしか思えない。 モダンボーイは、 週末ボックスオフィス1位を記録。 当時、同時期に公開され争っていたライバルは、Go Go 70's どちらも、たいした映画ではありませんで..... しかし、1週目の累積観客40万9千504人。1週目で全累積観客数の半数以上を越えてしまっている。 観客数が、しりすぼみになっていく作品は、観客の反応が良くなかった証拠。 見応えのない映画であることは、断言できますとも!←ホントか? 見所といえば、キム・ヘスだけですね。 スイングダンスまで踊り、日本語でブルースを完璧に歌い上げました。 キム・ヘスが歌った曲は、日本の「Ego-Wrappin」が 1930年代ダンスホール音楽をモデルに作ったという「色彩ブ ルース」 1936年代にアメリカで作られヒットしたジャズ曲「Why don't you do right !」 キム・ソウォル詩人が1930年代初期に発表した詩に、 イ・ヒモクが曲を付けた「小川」の韓国語と日本語バージョンの計4曲。 「色彩ブルース」は、3ヶ月間のボーカルトレーニン グで、半分以上の時間と努力を費やしたそうだ。 吹き替えだと思ってしまうほど完璧。 日本語のアクセント、透明感のある声で抑揚たっぷりにせつせつと歌い、 それとは相反するパワフルな歌声も披露する。 この映画は、「モダンボーイ」というタイトルからイメージする内容とは、かけ離れた映画。 一目惚れした女性ナンシルに何度も裏切られ、苦渋を舐めさせられても、 結局、ナンシルの元へと心は戻ってしまい。 ナンシルを失った後には、ナンシルの意思を引き継ぐ男の純愛。 しかし、この純愛ぶりも薄っぺらい。 危険を承知で、命を賭けてナンシルを愛するヘミョンの一途さが、 一番の見所であるはずなのに、「朝鮮独立運動」を描く上での背景と化してしまっている状態だ。 「朝鮮独立運動」が、いかに悲しい出来事であったか、 それを心の琴線に訴えるためだけの... 結局は、この映画は「日帝時代」の朝鮮人の痛みと、 「朝鮮独立運動」の悲しみがメインになっている。 訴えたかったのは、そこなのだ。 この映画は、相当な 反日映画です。 食客の反日描写ですら、「反日描写を 削除せねば買い入れない」と随分モメましたし、 この映画は、丸ごと反日描写な上に、特に見応えのある作品ではありませんので、 日本輸入は難しいかもしれませんね。 日本人の国民性は生真面目で善良だそうです。(一部除外) この映画を観たら、ナンシルに感情移入してしまい、自虐的になってしまうと思います。 韓国人だって同じです。 この映画を観れば、反日感情が高まるでしょう。 何といっても、朝鮮人は朝鮮人で、日本人は、「皇国臣民」 一つの国になったわけではないのです。 「朝鮮人」と侮蔑される心の痛みがわかりますか? その屈辱を長い間味あわせられたら、人間、精神がおかしくなりますよ.... 国を奪うべきではありません。 今大切なのは、過去を掘り起こすことよりも、未来に向かうにはどうすべきかです。 日本人ばかりが自虐的になりすぎてもよくありませんし、 韓国人が過去にこだわり反日精神を持ちすぎることもいけません。 そして、痛みだけではなく、日帝時代に受けた恩恵も認めるべきでしょう。 歴史は深いです。 一つの映画に感情を左右されてはいけません。 映画を観るに当たって、これはフィクションだ!と、心得て、映画を楽しむだけに留めるべきですね.... 単に、「悲しいラブストーリー」として、捉えて鑑賞してくださいませ。 「悲しい」というほど、深い映画じゃないですが。 悲しいのは、ラストだけ(苦笑) この映画を一言で言えば、「朝鮮独立運動の、とある1つのエピソード」というところでしょうか。 京城一のモダンボーイが、「朝鮮独立運動」に関わっていく過程を描いた。 そして、日本人である高等検事シンスケとの友情。 国を越えて結ばれていた二人の友情は、ヘミョンがナンシルを愛してしまったことで、崩れてしまう。 ヘミョンは、シンスケの敵を愛してしまったのだから。 けど、この友情劇もまた、うすっぺらーいのよね、描き方が。
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