Mirror 鏡の中  Into the Mirror 
 原題:鏡の中へ 거울 속으로(コウル ソグロ)<2003>

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Mirror 鏡の中

1年前の疑問の火災事件後、再OPENを前にして、あるデパートで奇怪な連続殺 人事件が発生する。デ パー トのトイレで自分の首をピザカッターで切り自殺した女。耳から頭までボールペンで突かれてエレベーターで死んだ男。駐車場の自分の車の中で手首が折れたま ま死んだ男の死体まで発見される。

デパートの保安室長のウ・ヨンミン(ユ・ジテ)は、1年前の刑事時代に、鏡に映った犯人を誤認し親しい同僚を失ったつら い記憶を思い出す。ウ・ヨンミンは、鏡の前で起きたこれらの殺人事件全てから、一貫して発見される非現実的で奇異な死の形態が人間の犯行でないということ を直感する。

一方、事件の担当刑事ハ・ヒョンス(キム・ミョンミン)は、精神病歴があるイ・ジヒョン(キム・ヘナ)が、デパート火災事件で失った姉の復讐 を行っていると信じ、彼女を有力な容疑者 だと目星をつけるが・・・

【予告編】


監督 キム・ソンホ <2003>Mirror 鏡の中、<2005>まぶしい一日(ep1 宝島)

出演

ユ・ジテ(劉 智泰)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
コレ、面白いわ。なのに、反応は イマイチね。
動員数は約56万人。
ホラーは100万人達成すればヒットと言われるので、まずまずの成績。
ホラーはやはり夏が本場なのか、同時期に2本のホラーが上映。
狐怪談は173万人。4人の食卓は約70 万人。
他の2本は、どちらも’美少女ホラー’と呼ばれる人気映画。
それを考えると、この映画は’作品’勝負で、なかなかの出来なのでは?
ユ・ジテとキ・ジュポン(サンドゥ@オールイン)くらいしか、
顔の知られた俳優が出演していないのに大健闘だと思うわ。
やっぱり、ホラーには’美少女’が出演しなければ、興行的に難しい・・・という感じかしら。
それは残念よね・・・・・・・
イ・ジヒョンを演じたキム・ヘナが他の美少女俳優だったらよかったかしら?
キム・ヘナは、まだ助演が多く、逆転の名手 では一応ヒロインで・・・・
整った顔ですが、加藤夏希のようなキレイだけど・・・な女優。

この映画にユ・ジテに出演してもらうために、当時日本に語学留学していたユ・ジテに
わざわざ監督自らシナリオを届けたそうよ。

とにかく、’コリアンホラー’というのは、内容が破綻しているのが当たり前。
ただ、グロテスクだったり、悲鳴をあげるだけの内容がなく、つじつまが合わず、
不快感の残るものばかり。
けれど、この映画は筋がなかなかしていて、ホラーというよりサスペンスやミステリー要素が強く
謎解きに最後まで惹かれるものがあるわ。
箪笥カルのよう な驚きの結末と、その衝撃による余韻・・・
けれど、この映画はちゃんと作品内で解決されているわ。
不完全燃焼にはならないので、オススメ。
とはいっても、細かいことをいえばきりがなく・・・・
神経質な方はいろいろと追求したくなってしまうかもしれませんが・・・・・
mocaは、まいっか・・・で終わらせられる程度でしたが。
’世にも不思議な物語’のように楽しんで頂ければよいのでは?
結末近くの格闘シーンはちょっと陳腐でお粗末ですが・・・・

’鏡’ということで、キム・ヘナは双子の姉妹だったり、キ・ジュポンの実の兄キ・グクソが
警備員役で出演していたりと、小さな遊び心も。
謎解きに出てくるレオナルド・ダ・ヴィンチが’鏡の中の人間’というエピソードや
ファン・エイクの’アルノルフィーニ夫妻の肖像’も楽しめるわ。


この映画では、mocaの好きな俳優が死んだりと・・・ちょっと悲しい・・・
二番目に殺された・・エレベーターで耳からボールペンを貫通させられたキム・イルファン。
ユリョンでも壮絶な殺され方をし て・・・・・・・・
この映画でも、元気そうな姿に喜んでいれば殺されちゃって・・・・・・・・
ちなみに、最初に殺された女性、チェ・ミジョンは
少女たちの遺言のボーイッシュな女 の子イ・ ヨンジン。
別人みたい・・・・かなり普通になっちゃったわね。



ネタバレしますが・・・・・・・・・


火災事故で亡くなったイ・ジョンヒョンの双子の妹イ・ジヒョンが、
デパートの社長(キ・ジュポン)を襲って逮捕され、
連続殺人についてもジヒョンの仕業だとヒョンス刑事は決め付けて・・・
イ・ジヒョンはチェ・ミジョンが殺された現場をビデオで撮影し、マスコミに流したり、
チェ・ミジョンの社員証を首から提げていたりと、かなり怪しい人物ですが・・
イ・ジヒョンの部屋は鏡だらけで、「鏡の中に姉さんがいる。助けなきゃ」と、
意味不明なことを訴えるばかりで・・・
ハ・ヒョンス刑事は、イ・ジョンヒョンの遺体は身元が確認できるような状態ではなかったこと、
今回の連続殺人の被害者全員が、イ・ジョンヒョンの死亡診断書の身元確認に署名した人間だということ、
火災事故で死んだ従業員は、イ・ジョンヒョン一人だけだったということを掴む。
一方ヨンミンは、ジヒョンの入院していた病院のロッカーから出てきた帳簿に挟まれていた写真から
一連の犯人がこの写真を撮影した人物だと気づく。
そして、その写真を撮ったのは、チェ・サンギ部長だとジヒョンから聞かされる。
犯人がわかった。しかし、今度はヨンミンが逮捕されてしまう。
ジョンヒョンの診断書に署名したうちの一人が殺され、その銃からヨンミンの指紋が出たのだ。
それでも、ヨンミンは執拗にチェ部長を調べろと訴える。
そして、ジヒョンの病院から入手したジヒョンのデータの書かれた紙を突きつける。
そこに書かれていたジヒョンの血液型はAB型。
一卵性双生児である二人は、血液型も同じはず。
しかし、ジョンヒョンのものであるとされた遺体の血液型はB型だった。
ハ・ヒョンス刑事も、ヨンミンの言葉を信じ始める。

ここで、ヨンミンのミスのせいで命を落とした同僚刑事の話も出てきて・・・
遺体の額には何もないのに、鏡に映った遺体の額には、
間違いなく銃で撃たれた後が映っていたと・・・
これが伏線にもつながって・・・ 凝ってるわよねー


結局、一連の事件はチェ部長の仕業。
デパートを乗っ取ろうとしていたわけで・・・・・・
イ・ジョンヒョンは、チェ部長に頼まれ裏金を流していて・・・
それは、妹の入院費のため仕方なく・・・
けれど、良心の呵責に耐えられなくなったのか・・・全てを明らかにすると・・・
それで、チェ部長に殺されてしまった。
遺体に不審な死因があれば殺人がバレてしまうから、
他の死体を用意し、デパートに火をつけて身元をわからなくし、
裏金に関わった総務部の人間に身元を証明させ・・・
口封じのために殺されたのが今回の事件。
しかし・・・毎日アラームは鳴るだろうに・・・・
なぜ今まで誰も気づかなかったのでしょうか???
夜だから、誰もそこにいなかった?

mocaは、キ・ジュポン演じる社長が可哀想で・・・・
ヨンミン(ユ・ジテ)のことも無能呼ばわりしたりして・・・・
人間的にちょっと問題あるだろうけれど・・・
再OPENしたものの、客が誰も入ってこず・・屋上から金をバラまく姿・・・
ジョンヒョンの幽霊のせいでファッションショーから客が逃げ出し
必死に客を止めようとする社長の姿・・・・
それを見ているだけでせつなくて・・・可哀想で・・・・
というより、キ・ジュポン씨が大好きだから・・・見ていられなくて・・・
どれほど一緒に苦労を背負って、助けてあげたいと思ったか・・
それなのに・・・・ 自殺しちゃうなんて・・・
「サンミン、ミアナダ・・・」って、ボタンをはめてあげるシーンを見て、
死んでしまうのでは?と、心配で、心配で・・・
なのに、あれは既に死んだ後だったなんて・・・・・・・
キ・ジュポン兄が「何言っているんだ・・・」と真実を告げた瞬間、涙が溢れて・・・
大切な人が死ぬって辛いことよね・・・・
mocaはまだ味わったことがないけれど、映画の中だけでも辛いです・・・

ハ・ヒョンス刑事も、’昇進’のことしか頭にない刑事だったのに、
最後には’刑事としての正義感’に目覚めたり・・・
この映画、けっこう面白く見せてくれるわよ。

ラストは、完全にヤラれたわ。あんなオチだとは・・・
ハングルが逆になった街並みを観た瞬間、ゾクゾクしたわ。
’精神の動揺から来る自己嫌悪は、人格の分裂を促す要因となる’
同僚を自分のミスで死なせたことで苦しんでいたヨンミンは、
チェ部長を撃つ時に、鏡の中で自分の’弱さ’を殺したのよね。
けれど、殺したのは’弱さ’だけではなく・・・・
もう一つの人格・・・ 鏡の外で生きていた自分をも殺してしまうことに・・・
イ・ジョンヒョンも妹のためとはいえ、裏金のことで苦しんでいたから
人格が分裂し、鏡の中にもう一人の自分がいたということよね。
ボタンをはめてやった社長も・・・
鏡の内外どちらかの人間だったということかしら・・・
完全に死ぬより嬉しいけれど、それなら、鏡の中のヨンミンとの再会が見たかった。
そういえば、退院する時に左利きだったヨンミンが右利きでサインしていて・・・
これは’鏡の中の人間’だからということでしょうけれど、
それなら、チェ部長を銃で撃つ時、あの時既にもう一人の自分を撃ち殺していたのだから、
右手で銃を撃たないとおかしくないでしょうか?





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