永遠の片想い  Lover's Concerto  
 原題:恋愛小説 연애소설(ヨネソソル) <2002>

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永遠の片想い


ある日、 カフェでアルバイトをしている大学生ジファン(チャ・テヒョン)のカメラのファインダーにだしぬけにスイン(ソン・イェジン)とギョンヒ(イ・ウンジュ) が入ってくる。似てるようで似ていない2人スインとギョンヒは、無二の親友。スインに一目惚れしたジファンは、勇気を出して告白するが、丁重に断られる。

しかしジファンは、彼女たちとの縁を逃したくなくて、友達になろ うと提案する。こうして3人は、20歳という年齢で青臭くて美しい友達となる。

とても良い友達として生涯最高の日々を送るジファン、ギョンヒ、スイン。と ころが、ある日から友情ではなく、抱いたことのない感情が次から次へと広まり始める。

彼らの間に微妙な感情が混ざって、3人はそれぞれ愛と友情との間で 混乱する。そんな感情は、自分たちでもわからない距離を作ってしまい、ついにギョンヒとスインは、ジファンと何だか気まずくなった・・・という言葉だけを 残して 消えてしまう。

【ミュージック・ビデオ】

監督 イ・ハン <2002>永遠の片想 い、<2006>青 春漫画~僕らの恋愛シナリオ~、<2007>私の愛

出演

チャ・テヒョ ン

出演作品一覧

(故)イ・ウンジュ(李恩宙) <2000>秘 花 スジョンの愛、 <2001>バンジージャ ンプする、 <2002>THE KISEI 寄生
<2002>永遠の片想い(恋愛 小説)、 <2003>愛と、死を見つめて(空の庭 園)
<2004>オー!マイDJ、<2004>ブラザーフッド、<2004>スカーレット・レ ター
ソン・イェジ ン(孫藝珍) <2002> 醉画仙(チファソン)、<2002>永遠の片想い、 <2002>ラブストーリー
<2003>君に捧げる初恋、 <2004>私の頭の中の消しゴム、 <2005>四月の雪、<2006>ナンパの定石
<2008>ファム・ファタール 、<2008>妻が結婚した、 <2009>白 夜行-白い闇の中を歩く
<2011>不気味な恋愛

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【レビュー&ネタバレ】
2002年公開の<永遠の片想い>
視聴したのは2年くらい前だったと・・・レビューを書く前にもう一度観てみましたが・・・
こんなにいい映画だった?
評価はかなり低くしていたのですが、思わず訂正しちゃいました(笑)
なぜこんなに感じ方が違ったのでしょう。
この2年間にmocaが大きく変わった・・・ということもあるでしょう。
鼻についた不自然なトリックがもうわかっていたので、気にならなかった・・・
最近はゴミのような映画ばかりだったので、
韓国映画らしさを堪能できるこの作品に新鮮さを感じた・・・
いろいろあるとは思います。

なにより、この3人の演技がよいのですよね・・・
この3人でなければ、同じ感動を味わえたかどうかは不明でございます。
ソン・イェジンは、か弱い清楚なスインを見事に演じていたし、
イ・ウンジュは、姉御肌でボーイッシュ、感情豊かでキュートなギョンヒがハマってたわ。
最初は誰でもソン・イェジンを選ぶだろうけれど、
いつしかギョンヒに惹かれてしまうんじゃ?
だから、ジファンにカタルシスを感じ・・・せつないラストに泣けるのよね。
チャ・テヒョンは、この手のキャラを演じさせたら、右に出る者はいないわね。

【イ・ジファ ン】
チャ・テヒョン
【キム・ギョン ヒ】
イ・ウンジュ
【シム・スイ ン】
ソン・イェジン
【イ・ジユン】
ムン・グニョン
 
【チョリョン】
カフェのオーナー
パク・ヨンウ
【ソクチン】
貸し本屋
キム・ナムジン
【ミンシク】
郵便局員
シン・スンファン
 


特別出演のイ・ムンシク!この挙動不審さ がもう...たまらん!サイコー



結末に向けて、せつなさが漂い、ラストでは涙なくして観れなかったわ。
前はそれほど泣かなかったはず・・・
過去と現在が交差する映画は、わかりづらいものが多いけれど、
この映画はうまく絡み合って、すごくよいです。
ジファンの妹ジウン(ムン・グニョン)の恋もサブストーリーとして展開するのだけれど、
本編を邪魔せず、見事にまとまっているわ。

また何年かしたら、絶対に観てみたいと思っております。

この映画の監督イ・ハンは、クォン・サンウとキム・ハヌルの青春漫画の 監督です。
青春漫画は、なぜあんなにゴミ映画になって しまったのか・・・
あちらは、一つ一つのエピソードが鼻について、
こちらは、一つ一つのエピソードが心に染みる・・・

映像も少しノスタルジックで、mocaにとってはたまらない映画。
ロケ地もいいのよね。

では、ストーリーです。
最初からかなりネタバレですので、ご注意を。

タクシーの運転手をしながら大学に通うジファン(チャ・テヒョン)
住所も差出人の名前もない、手作りの和紙の封筒に入った手紙が届く。
写真に一言、白い絵の具で書き添えられただけの手紙。

そして、5年前に遡る。

ある日、先輩が営むカフェでバイトをしていたジファンの目に、
ある女性が目に留まる。
花の香りを芳しそうに嗅ぐスイン(ソン・イェジン)に一目惚れしてしまうジファン。
手に持ったカメラのシャッターを思わず押してしまうが、
その瞬間ファインダーの中に、スインの連れの友達ギョンヒが入ってくる。
スインに一目惚れしたジファンは二人を追いかけ、
カフェでお茶している二人をみつける。
スインに勇気を持って告白するが、
「本当に申し訳ないのですが、こういうことされると迷惑です」と、
すげなく断られる。
「迷惑」と言われたことが頭から離れないジファンは、時計屋で掛け時計を買い、
「時間を1時間前に戻すから、さっきのことは忘れてくれ。
もしまたどこかで出会ったら、俺たち3人友達になろう!」と言って去る。

なんてステキな出会いなのー

サンタフェにギョンヒとスインが訪ねてくる。
お互いを知るために、様々な話をする三人。
二人は高校の同級生で、頭が悪くて卒業後は家にいるのだという。
高校もギリギリ卒業したのだと。

その日から、友情を深め合う。
遊園地に行ってバイキングに乗ったり、映画を観たり・・・
映画館で、座席に足を乗せる客に
「足をどけてください。僕の友達が困ってます」
と男らしく注意するジファンに、スインもギョンヒも感動する。
(この後、かっこつけず「俺は震えてるよ」というジファンだからよいのよね」)

映画館で観ていた映画「イル・ポスティーノ」でのセリフ。
「人を愛しているんだ。胸が痛い、でも、この痛みを持ち続けていたい」
そのセリフを、スインは両親の前で、ギョンヒはバスの中で、
ジファンはシャワーを浴びながら呟く。

ギョンヒが最初に「足をどけ ろ!」と呟き、
それを聞いていた隣りの乗客 が自分のことだと思い、ビ ビって座りなおすのだけれど、
この乗客はイ・ムンシク(カ メオ出演)なのよ。
彼らしさ全開で、ホントに 笑ったわー
このセリフを三人が繰り返す瞬間・・・
それぞれが恋に落ちた瞬間を見事に表現しているわよね。
この「イル・ポスティーノ」の主人公も、実はラストで死んでしまうと・・・
それがこの映画の伏線になっているのだと・・・
「イル・ポスティーノ」を観てから、この映画を観てみたいわ。

ジファンは、サンタフェに先輩を訪ねる。
2人に会いたくないのか?と問う先輩に、
「会うべきなのだろうか?」と、答えるジファン。

俺にとって時間が流れるということは、2人を忘れることだった。
1日に100回だったのが99回に、次の日には98回、次は97回・・・
そして回数を忘れた頃に
突然、髪の色が黒だったか、茶色だったか、思い出せなくなるんだ。
本当に好きだったのか、
本当にあの二人と会っていたのか、
そう思うようになった。

このセリフが感動的・・・
よくもこんなセリフが考えら れたものね・・・詩人だわ。

ジファンは、封筒の消印の郵便局を訪ねる。
郵便配達員のミンシクは、何かを知っているという反応を見せるが、
「何も知らない」と、とぼける。

俺の名前はミンシク。村の郵便局員。
最近おかしな手紙を配達している。
ここは彼女の部屋。
俺は彼女を愛している。
出しもしない手紙を書く彼女が理解できないが、
とにかく俺は郵便配達員だ。
今日も彼女は写真を撮る。

いきなりミンシクが語り手に なって・・・凝ってるわー
面白い、面白い。

過去に戻り、
スインとギョンヒは、占いに夢中になる。
ギョンヒはスインを追いやり、こっそりジファンと自分の相性を調べる。
ジファンの仕事を手伝うスイン。その光景を見た先輩は、
「お似合いだと思わないか?」と、ギョンヒに話しかける。
ギョンヒの心境は複雑だ。

ある日、明け方の5時にギョンヒとスインがサンタフェに押しかけてくる。
旅行に反対され、家出をしてきたのだと。
二人を連れ旅行に出るジファン。

この旅行がまたステキ。
母校を通り過ぎ、「入ってみたい」という二人の言葉に、
「何でもしてやるさ」と、車で強行突破したり。
ホタルが見たいと言われると、炎でホタルを作ってあげたり・・・
田んぼで立小便するジファンが、二人がやってきて・・・
慌てて何事もないフリをするけど、しっかりバレてて
「ジファン、前に人が・・・」ってセリフをスインが言うのもおかしいし、
そのセリフと共に、一人、二人と・・・どんどん田んぼから人が現れて・・・
ホント、笑えるところも満載。

海ではしゃぐギョンヒを見て、
「可愛いわよね?」と、スインはジファンに同意を求め、
「時々ギューッと押しつぶしてポケットに入れたくなる。癒されるために」
と、ジファンは愛しそうにギョンヒをみつめる。

蚊帳の中で眠る中、スインはこっそり抜け出す。
ジファンが起き出すと、ギョンヒが腕を掻いている。
眠るギョンヒの腕に痒み止めをそっと塗ってやるジファン。
赤ん坊のように眠るギョンヒに思わずキスしそうになり、
そんな自分に驚くジファン。

外のベンチで一人ボーッとしているスインに声をかけるジファン。
二人で初恋の話をする。
幼い頃入院して、ワンパクな男の子に恋したと・・・
今思えば笑えるんだけれど、周囲にその子の名前で呼んで欲しいとお願いしたの。
二人の名前を取り替えれば、もし離れ離れになっても相手のことを思い出すから、
いつも一緒にいられる気がしたのだと。
「よぉ、ジファン」と、スインを呼ぶジファン。
「何よ、スイン」と、答えるスイン。

三人は、丘の上にそびえる1本の木を見に行く。
雨に濡れたスインは、そのせいで具合が悪くなる。
二人きりになったジファンとギョンヒは、キスをする。

劇中でTVを観ていたギョン ヒが「キスシーンもないんな んてつまんない」
と言うセリフがあるのだけれ ど、
このシーンで二人は、実際に キスしていないのよね (フェードアウト)
よい映画というのは、実際に してなくても伝わってくるも のだと実感。
ちょっと風刺しているようで 面白いわ。

スインの風邪が治らないと、二人きりで会うジファンとギョンヒ。
「周りに恋人だと誤解されちゃう」などと、ジファンを突き放すギョンヒ。

先輩が主催するパーティーに、
ギョンヒとマスクをして具合の悪そうなスインがやってくる。
スインは、具合が悪いと先に帰る。
送っていったジファンに、「目をつぶってて」と、
ジファンの顔を丹念に触っていくスイン。
まるで、ジファンの顔を指に記憶させるかのように。
「幼い頃に友達とした遊びを思い出しただけ」と、スインははぐらかすが、
ジファンはスインの自分への想いに気づく。
「ごめんな、やっぱり俺はギョンヒが好きだ。俺たちの仲を取り持ってくれないか」
と、スインに書いた手紙をギョンヒに託す。
ギョンヒは、スインへのラブレターだと思い込み、
ジファンと別れた後に破り捨ててしまう。

病室。無菌室の中のスイン。
ギョンヒに手紙を書いたというスイン。
ギョンヒに頼まれ読み上げるが、居た堪れなくなって途中で止める。
スインはジファンにも手紙を書いたと、ギョンヒに託す。
絶対に渡して、と。

時が流れ──

すっかり二人はジファンに会いにこなくなった。
そんなある日、手に包帯を巻いたギョンヒが訪ねてくる。

ジファンには悪いけど、なんとなくジファンが重荷になったの。
俺も、今は二人が重荷になった。

その言葉だけを交わし別れる二人。
自暴自棄になったジファンは暴れ、手に怪我をする。
朝起きると、手に包帯が巻かれていた。首を傾げるジファン。
その日以来、ギョンヒとスインは姿を消した。

現在に戻り──

ギョンヒとスインの母校を訪ねるジファン。
二人と同級生だったいう先生に、二人が病弱だったと聞き驚く。
そして、卒業アルバムを見たジファンは、
二人の名前が入れ替わっていることに更に驚く。
そして、ギョンヒは5年前に亡くなったと聞かされる。

名前を取り替えたというスインの初恋の相手はギョンヒだった。
そして、「사랑해(愛してる)」という言葉を残してスインは息を引き取る。
悲しみに暮れるギョンヒは、掛け時計のガラスを手で叩き割り、
血だらけの手で、時計の針を戻す。

眠っているジファンの部屋に忍び込み。
怪我したジファンの手に薬を塗り、包帯を巻いてやる。
ジファンにキスをして、別れを告げるギョンヒ。

スインが亡くなり、時計の針 を戻すシーンはせつない わ・・・
ギョンヒが包帯を巻いている には、そんな理由があった と・・・
そして、ジファンの手に包帯 が巻かれていたのは、そうい うことだったのだと・・・
冒頭の時計との伏線、包帯の 伏線・・・
見事に生きていて・・・
せつなくて胸が詰まった わ・・・
二人が姿を消したのは、そん なわけだったのね。
ジファンを悲しませたくなく て、別れを告げることができ なかった・・・
冒頭で、二人は頭が悪くて家 にいる・・・と言ってたけれ ど、
ジファンを欺くと同時に、観 客も欺いていて・・・
イ・ハン監督の才能には、た だただ敬服。
ただ、名前を取り替えたト リックは、うまく生きていない ような・・・?

手紙の消印の村を訪ねたジファンは、送られてきた写真の場所をみつける。
そして、子供たちが「ジファン」と呼ぶ声に驚き、振り返るが、
犬につけられた名前だった。
ようやくギョンヒに再会するジファン。
目をつぶり、互いの顔に触れ合う二人。

遠くで見ている郵便配達員ミ ンシクの姿がちょっとせつな いわ・・・

先輩の結婚式に参加するジファンとギョンヒ。
花嫁のベールとブーケを借りて、写真を撮る二人。
まるで結婚写真のように。

郵便配達員ミンシクが、やりきれない表情で、
ギョンヒの手作りの封筒に消印を押す。

ギファンの元にギョンヒから手紙が届く。
中には、いつかスインがジファンに託した手紙が入っていた。

 私はもうすぐ遠いところに行くことになりそう。
 本当に行きたくないの。
 2人に会いたくなったらどうしよう。
 ジファン、ギョンヒのことをお願いね。
 言わなくても全部わかってる。二人がお互いに好きだってこと。
 だから、ギョンヒの秘密を教えるわ。
 一番好きな食べ物はイチゴジュースと黄色いジャムの入ったカステラ。
 バカみたいに明るく笑う男の人が好き。
 一緒にいる時は、目と目の間をよく見ること。
 眉間に三本シワがよっていたら、具合が悪いから早く家に帰してあげて。
 手を握るのが好きだから、たくさん握ってあげて。
 私の愛する友達ジファン。
 今日はどうして・・・こんなにジファンの作ったラーメンが食べたいのかな。

スインは手紙を書き終えると、やってきた父に
「パパはハンサムだけど、何かが足りないわ」と、
ジファンと同じように、耳たぶにホクロを書き加える。

スインの手紙と一緒に、ギョンヒの手紙が・・・

父親に葬式に着るドレスを頼んだと、
最後は美しい姿を見せたいと、
葬式には来てくれるよね?
私は本当に幸せ者だった。
ささいなことにも笑ってくれた愛するスイン。
写真を撮る幸せを教えてくれた、愛するジファン。
ジファンは気が利いて、優しくて、
私のキスも受け入れてくれた。
恥ずかしい話だけど、あの時気分がよかった。
そうだ、伝えたいことがあるの。
これを聞いたら、あなたは怒るだろうけど、
あの時、スインへのあなたの手紙、実は私、破り捨てたの。
悪いと思ってたけど、話してスッキリしたわ。
スインには、直接会って謝るわ。
ジファン。
愛してる。
ずっとあなたを愛してた。
今も愛してる。
さよなら。ジファン。

手紙を書いている頃のギョンヒの映像・・・
鼻血を出して、顔には斑点が出て・・・
ミンシクがやりきれない表情で消印を押していたのも、
ジファンが、やつれた姿で手紙を読んでいたのも、
ギョンヒが亡くなった後だからなのね・・・
「直接会って謝るわ」とは、天国で会って・・・ということなのよね。
せつないわよ・・・

スインのジファンへの手紙は、ギョンヒが生きている間に届かず、
ジファンのスインへの手紙の内容も、ギョンヒは知らずに死んでいき・・・
永遠の片想いになってしまった・・・・
ピッタリな邦題ね・・・

スインとギョンヒの愛も、本当に深いものだったのよね・・・
二人の気持ち、わかるわ・・・
mocaもそうだから・・・
恋愛だけではなく、友情も・・・すごくせつないもの・・・
男女愛だけが愛じゃないわ・・・
先輩に「あの二人お似合いだよね」と言われ、
ギョンヒはスインに冷たく当たってしまうけど・・・
「すぐそういう顔をする」
まるでスインはmocaだったわ・・・
愛しているから、傷ついて・・・
それを隠すこともできなくて・・・
「そんな顔をしないで」ということは、
大切に想わないでと言われることと同じことで・・・
愛することのせつなさを、思い出してしまったわ・・・
ギョンヒのような子がいたら、mocaは愛してしまいそう・・・
もちろん、純粋な友情です。

すごく好きになってしまったわ。この映画。






























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