幼い王子(星の王子さま) Little Prince |
原題:幼い王子 어린 왕자(オリン ワンジャ)<2008> |
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監督 | チェ・ジョンヒョン | <2007>幼 い王子(星の王子さま) |
出演 |
タク・チェフ ン |
<2004>誰に
でも秘密がある、<2005>家門の危機-家門の栄光2、
<2006>裸足のキボン
、 <2006>恋愛、その耐えられない軽さ、<2006>家門の復活-家門の栄光 3、 <2007>キム館長 対 キム館長 対 キム館長、 <2007>私の生涯で最悪の男、 <2007>幼い王子(星の王子さま)、 <2008>夕べのスキャンダル |
カン・スハン |
<2008>幼い王子(星の王子さま) | |
チョ・アン | <2003>狐
怪談、<2004>まわし蹴り、
<2006>ホリデー、<2007>お姉さん
が行く、<2007>ムイ、 <2008>幼い王子(星の王子さま)、 <2008>アンティーク~西洋骨董洋 菓子~(友情出演)、 <2009>キングコングを持ち上げる |
【レビュー&ネタバレ】 |
2008年1月韓国公開。観客動員数は、約8万4千人....... 1万人も越えられない映画なんて.... お話にならないでしょう.... ですが、数字だけで決め付けてはいけません! まさにこの映画は、数字だけでは図れない代表的な例だと思います。 韓国での映画の観客層は、学生中心の若者です。 その若者には、この映画の良さはわからないでしょう。 大ゴケしても仕方ありません。 この映画のターゲットとしては、20代後半以上の女性でしょうね.... しかし、その層は主婦だったりと、なかなか映画を観に行くことも少なそうですね.... 興行には失敗しましたが、良い映画です。 かなり地味な映画ですが、 心に染み入る温かさと、優しさが詰まっています。 ”幼い王子”とは、”リトル・プリンス”..... 日本でいう、サン=テグジュペリの”星の王子さま(フランス語原題:Le Petit Prince)”のことです。 この映画は、”星の王子さま”がモチーフになっています。 ”星の王子さま”を読んだことがない方は、 Wikipediaに、この映画を観る上での下準備に必要なあらすじが掲載されてますので、ご参考に。 いえ、観終わった後に読むと、この映画の趣旨がより理解できるかもしれません。 ”星の王子さま”ヨンウンが、大人が忘れてしまった大切なモノに気づかせてくれます。 ”星の王子さま”は、児童文学ですが、希望を失った大人に贈る童話です。 mocaも買いました。大人になってから(笑) 子供の心を失ってしまった大人に向けての童話です。 そしてこの映画は、疲れたきった大人、希望を失ってしまった大人に贈る映画です。 この物語を世界中の子供たちに、 また自分が子供だった頃を忘れがちな大人たちに、 そして上辺だけでなく物事の本当の美しさを見つめる勇気を持ったすべての人々に、 心からの友情を込めて贈ります…。 まさに、その通りの映画です。 ヨンウンを通し、子供が持ついじらしさと純真さに触れ、心が洗われると共に、 自分が失ってしまった大切なモノを思い出すでしょう。 ヨンウンのいじらしさに、涙なくしては観れません。 孤児の上に大病で苦しみ、その上、養父母にまで捨てられるヨンウン。 それでも、まっすぐな心を持つ天使のような子供。 そして、この映画は童話のような優しさではなく、 人生においての教訓も学ぶことでしょう。 深い映画です。 今、日本でも子供の脳死、移植について論議になっていますが、 この映画を通して、考えずにはいられなくなるでしょう。 感情のままに選択したことにより、後々、深い悔恨に苦しめられる..... ですが、人間だったら、誰しも同じ選択をするでしょう。 その選択をしてしまった人への理解を示唆すると共に、 病気の子、そして病気の子を持つ親への理解を持って欲しい。 この映画のようなシチュエーションはそうそう起きることはありません。 ですが、子を持つ親であれば、いつか遭遇するかもしれない問題です。 ぜひ観て頂きたいです。 この映画は、ワーカーホリックで家庭を顧みなかった男ジョンチョルが主人公です。 なぜジョンチョルが家庭を顧みず、仕事に夢中になってしまったか。 それにも深い理由があるのです。 愛する息子を抱きしめながらも、「ウンギュがいるのに、なぜこんなに寂しいんだろう...」 ジョンチョルのその言葉に、全てが表れています。 家庭を顧みず、仕事人間だった父への確執により、心に大きな穴がポッカリと開いていたのです。 心に大きな穴を抱えたまま生きるジョンチョルにとって、 父親としての義務よりも、自分の心の穴を埋めることが、自然に優先されてしまったのでしょう... 自分の父と同じことを、息子もまた、繰り返してしまうのです。 人間は弱い生き物です。 何か心の支えが必要です。 それが家族であれば、きっと温かい家庭が築けることでしょう。 ですが、温かい家庭を知らないジョンチョルには、家族だけでは心の穴は埋められなかったのです。 後々、深い悔恨に苦しめられますが、気づいた時には既に手遅れ... しかし、”星の王子さま”ヨンウンとの出会いにより、ジョンチョルは様々なことを感じ、学んでいきます。 誰も気づかなかったジョンチョルの心の大きな穴。 しかしヨンウンは、出会ってすぐに、その心の傷に気づきます。 完成度の高い映画です。 導入部で一気に惹きつけるアイディアは見事! 映画にどんな風に効果音をつけるのかを垣間見れ、その面白さに引き込まれます。 導入部で引き込み、しっかりとしたストーリー展開。 こんな良い映画がひっそりと埋もれてしまうのは、勿体ないですね...
タク・チェフンは最近主役を演じるまでになりましたが、スター俳優とは言えないでしょう。 この映画をスター俳優が演じていたら興行は... とも考えますが、 タク・チェフンは、自然ながらも名演技を見せてくれます。 泣き所も、笑い所も、タク・チェフンの良さが溢れています。 カン・スハンは、素晴らしい! 素の愛らしさも生かされていますが、大人顔負けの演技力! 韓国の子役、恐るべし! ちなみに、”ヨンウン”は、”英雄”という意味です。 「名前のように強い...」は、そういう意味です。 チョ・アンは好きじゃないんですよねぇ....(また出た、mocaの女優ギラい) ですが、女優としては見事です! 光州5・18のパク・ウォンサン。 ジョンチョルを立ち直らせようと必死な姿に、心が洗われます。 韓国の情の深さを感じます。 日本なんて、他人を利用したり、蹴落とすことしか考えない人が多いったらありゃしない.... そして、チェ・ジェミン!!!!! 今回のmocaの一番のお気に入り!どれだけ癒されたことかー 頭のてっぺんから、足のつま先まで大好きです! この愛すべき”おバカキャラ” mocaのそばにいて欲しい... マンス&ジュヨンと合わせての三人組。最高ですね! 人を見かけで判断してはいけません。 父親陣には、宮のホ・イジェに、ホワイト・バレンタインのチョン・ムソン。 いや~ん!キム・ボルレ씨よ!キム・ボルレ씨!! 雪の女王のチョン教授よー 最初は目を疑っちゃったわよー だって、キム・ボルレ씨は俳優ではなく、弘益大学の教授なんですものー また俳優としてお目にかかれるなんて思いませんでした。 感涙です(T T) 考えてみれば... キム・ボルレ씨は、音響技術者として韓国で屈指に入るとのこと。 この映画の主人公は音響効果師ですから、その縁で出演になったのでしょうね。 それにしても嬉しいわ。 チョン教授は演技ではなく自然体の素のままだったけれど、 今回のパク博士は、演技してます(笑) それでも、キム・ボルレ씨の個性は、ほんのちょっとだけ感じられるかしら。 やっぱり、素がいいワ!(笑) そして、ウンギュ役の子役ちゃん。チョン・ユンソクくん。 この子も可愛いわねー 髪を結んでるから娘かと思っていたので、「アドルー(息子)」と呼ばれた時にはビックリ。 ドラマでも、いろんな子役をしているので、御存知でしょうか。 可愛いですねぇ。 ↓ 結末までネタバレしますので、ご注意を! ↓
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