大誘拐 クォン・スンブン女史拉致事件  Mission Possible: Kidnapping Granny K 
 原題:クォン・スンブン女史拉致事件 권순분 여사 납치사건(クォン・スンブン ヨサ ナプチサゴン)<2007>

 オススメ

 ストーリー

 韓流王道

 泣き

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名作

 映像

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クォン・スンブン女史拉致事件

殴られるのが日常茶飯事の気弱なカン・ドボム(カン・ソンジン)。見た目は野生 きのこで、性格はビニールハウスの中のつぼみのようで、いつも傷つく小心者ムン・グニョン(ユ・ヘジン)。20代半ばだが、勉強も求職も一度もしたことが ない無脳ソ・ジョンマン(ユゴン)。 この屈辱3人組は、刑務所に収容されたまま出産が差し迫ったドボムの妻(ソ・ヨンヒ)の保釈金のため、また、ウズベキスタン見合い詐欺で騙し取られたグ ニョンの母の入れ歯費用のため、そして、プー太郎としての品位維持費(?)のために、大胆な計画を決意する。

目標は、クッパ財閥クォン・スンブン女史(ナ・ムニ)。女だから病弱なドボムより力も弱く、高齢だから小心グニョンよりウブで賢くなく、金は貯め込んで暮 らしているから、無能ジョンマンでも一生暮らせるだろう... と思ったが!

クォン・スンブン女史は、ただ者ではなかった。ドボムは死ぬほど殴られ、グニョンは涙が乾く日がない。そして金は、自分が自ら身代金を 受けとると言い出す始末。しかも、金額は500億ウォン(約50億円)にしろと!とんでもない人質に手を出してしまった。ドリームチーム誕生。
【予告編】
監督 キム・サンジン(金想辰) <1998>トゥ・カップス3、<1999>アタック・ザ・ガス・ステーション!、 <2001>風林高、
<2002>ジェイル・ブレーカー、<2004>天国からのメッセージ、
<2007>大誘拐 クォ ン・スンブン女史拉致事件

出演

ナ・ムニ(羅文熙)

出演作品一覧

カン・ソンジ ン

<1998>チ ム~あこがれの人~、<1999>ア タック・ザ・ガス・ス テーション!、<2001>ヒューマニスト、
<2001>風林髙、<2001>達磨よ、遊ぼう、 <2001>黒水仙、<2002>おもしろ い映画、
<2002>ライターをつけ ろ、<2002>ジェイル・ブレーカー、<2003>人生の 逆転、 <2003>シルミド
<2004>サム~Some~、<2005>美 しき野獣、<2006>アパートメント、 <2007>撃つ、
<2007>大誘拐 クォ ン・スンブン女史拉致事件、<2008>彼女は美しかった、
<2010>夢は叶う

ユ・ヘジン

出演作品一覧

ユゴン

<2006>多細胞少女、<2006>お姉さんが行く、<2007>大誘拐 クォ ン・スンブン女史拉致事件
<2008>最強☆彼女

パク・サン ミョン(朴相勉)

<1998>トゥ・コップス3、<1998>ドク ターK、<1999>新 装開店、 <1999>NOWHERE  情け容赦なし
<2000>反則王、 <2000>な せば成る、<2000>リベラ・メ、<2000>ヒューマニスト、
<2001>花 嫁はギャングスター、 <2001>達磨よ、遊ぼう
<2002>恋する婚活プランナー、 <2002>盗られてたまるか、 <2002>ベイビィ・パニック 僕らの育児奮闘記
<2003>セックス インポッシブル~男はみんな狼だ!~、<2005>恋 の潜伏捜査
<2005>おまえを逮捕する、<2007>浮気日和、<2007>大誘拐~クォン・スンブン女史拉致事件~
<2007>マイ・ボス マイ・ヒーロー3、 <2010>アタック・ザ・ガス・ステーション!2、
<2010>キミの記憶をボクにください~ピグマリオンの恋~(日韓合 作)

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【レビュー&ネタバレ】
2007年9月韓国公開。観客動員数は、約150万人。
(2007年動員数一覧はまぶしい日にに載せており ます)
思いっきり!ハイキックでブレイクしたナ・ムニに期待を賭けた一作。
低迷する韓国映画界。
TVドラマでの人気に 便乗し あやかり制作された映画が最近多いですが、
ファンタスティック・カップルのハン・イェスル主演 用意周到ミス・シン
オールドミス・ダイアリーのイェ・ジウォン主演 死んでもハッピー エンディング
いずれも大コケ。
それに比べれば、この150万人という数字はなかなかのもの。

ナ・ムニ씨大好きのmoca
この映画がどれほど待ち遠しかったことかー!
ですが、監督がア タック・ザ・ガス・ス テーション! のキム・サンジン監督と知り、
かなり意気消失しておりましたの......
ア タック・ザ・ガス・ス テーション! は大ヒット映画です。
でも、mocaにとってはゴミ同然。最悪の映画だったわけで.....

ですが、そんな憂慮など要りませんでした!
素晴らしい!
笑い満載のエンターテインメント!
ア タック・ザ・ガス・ス テーション! がダチョウ倶楽部の笑いだとすれば、
この映画は、ダウンタウンの笑いです。
ウィットに富んだ笑い満載で、ヒーヒー笑わせてもらいました。
街に張られたモンタージュのシーンは必見。
冒頭も見事。思いもよらぬ展開で笑わせてくれますわ。
ユ・ヘジン演じるムン・グニョンって名前からして笑わせてくれるわ(笑)
もちろん、名前にコンプレックスをお持ちです(笑)
首吊りシーンも、笑いすぎて痙攣しそうだわ。
なのに、150万人だなんて... 残念。

涙や感動には縁遠いけれど、
この映画もア タック・ザ・ガス・ス テーション! 同様に、
ラストではじんわりと胸が温かくなるような、せつないような、情たっぷりのシナリオが待ってます。
それぞれのキャラクターがあまりにもハマりすぎていて、
愛さずにはいられない濃ゆいキャラクター。
あまりにも愛着を持ってしまった映画では、映画が終わってしまうのが寂しいけれど、
登場人物たちの未来が幸せであることを想像しながら、気持ちよく終われます。

笑いだけでなく、身代金受取までの筋書きも見事。
どんな手段で受け取るのか、ドキドキワクワク、目が離せない。

原作は、日本推理作家協会賞を獲った(って、スゴいのか?) 天藤真の「大誘拐」
推理小説の傑作らしく、1991年に映画化済。

最近、日本原作の映画が多いわね。
ここ近年では、カンナさん大成功です!黒い家ザ・ ゲーム肩ごしの恋人.....
オールドボーイを含め、日本原作の映画はわり と秀作。
この映画も、ヒットまでいかずとも、秀作だろう。

日本では、女性の呼び名に「女史」をつけることは、実際ほとんどないように思いますが、
韓国では割と使われますね。
有能な女性、特に女性経営者などに使われていたりします。

【クォン・スン ブン女史】
ナ・ムニ
【カン・ドボ ム】
カン・ソンジン
【ムン・グニョ ン】
ユ・ヘジン
【ソ・ジョンマ ン】
ユゴン
【アン・ジェ ド】
パク・サンミョン
警察署長
【アン・ソン ニョ】
パク・チュンミョン
ジェドの妹
【ユ・ミョンシ ク】
イ・デヨン
スンブンの長男
【ユ・ミョン ジャ】
シン・ヨンジン
スンブンの長女
【チョン執事】
パク・ジニョン
スンブンの執事
【ソ・ジョンナ ン】
ソ・ヨンヒ
ドボムの妻
【パク老人】
ユ ン・ムンシク
スンブンの友人



ヒロイン(???)であるクォン・スンブンは、クッパ屋で一財産築き上げた大富豪。
あの毒舌ぶりと、威勢のよさは健在。ナ・ムニの本領発揮のキャラクター。

クォン・スンブンを拉致する三人組。
出産間近の妻が刑務所で服役中のドボム。
農家のオールドチョンガー(適齢期を過ぎた独身男性)グニョン。
勉強も仕事もしたことのない無能なジョンマン。
ジョンマンは、ドボムの妻ジョンランの弟。
この三人組は、やはり絵に描いたようなアホ三人組なわけで(笑)
何から何まで笑わせてくれます。

ここ近年、地味な役柄の多かったカン・ソンジン。
人生の 逆転 でのキャラクターが大好きで、絶対にカン・ソンジンはコメディー向き!
と思っておりましたので、今回のキャスティングは嬉しいです。
期待を裏切らず、最高の演技を披露してくれます。

ユ・ヘジンは期待を裏切ることがありません。
いつも最高の演技を見せてくれます。
ダメ男だけれど、誠実で純朴な田舎青年というキャラクターは韓国映画史上多数ありますが、
また違ったキャラクターを見せてくれます。
首を吊った跡をスンブンに心配された時の表情が忘れられません....
mocaは、ユ・ヘジンが悲しい顔をすると胸が痛んで仕方がないの....
田舎だろうと!農家だろうと!mocaが嫁に行く!
マジでそんな気持ちになりました。
「いつからそんなに力持ちになったんですか?」
「見る目がないんだ」
ソンニョへのグニョンの言葉。このグニョンの表情がまた最高!

最も若く、唯一のイケメン ジョンマンこと、ユゴン。
第二のウォンビンと言われるだけであって、ちょー美形。
ウォンビンを北欧系にした感じ。
ですが、ウォンビンのオーラには、ぜーったいに叶いません。
どうしてかしらね、顔はいいのに。
でも、AB型ってところがお気に入り(笑) ← AB型フェチ

大好きなパク・サンミョン!
けど、最近冴えないわね。
パク・サンミョンが出演すれば、必ず笑える!
そんな伝説もどこへやら。← moca伝説
本人がイメチェンを図っているのか、シナリオ選びがヘタなのか、
それとも、パク・サンミョンの持ち味を生かせる監督がいないのか、本当に残念。
今回も、この映画にとっても、パク・サンミョンにとっても、彼が出演したことでのプラス要素がありません。
パク・サンミョンに関しては、シナリオと演出が悪いのはわかりきったことですが、
こんな役でも、<黒い家>のカン・シニルだった ら、それなりにイイ味出しただろうなぁ...と、思います。

さて、この映画の 最大の目玉 は、 彼女ではないでしょうか!!



パク・サンミョンの妹であり、ナ・ムニに娘のように可愛がられるパク・チュンミョン。
図体は人の三倍?誰もが恐れおののく巨人。
なのに、髪は縦ロール。服はロリィタだったりする(笑)
しかも、それが似合っちゃう(笑)
グニョンがソンニョを可愛いと思う気持ちがメチャわかるー!!
こんな可愛い子いませんて!
グニョン、見る目あるなー
ソンニョ、大好きー
ちなみに、パク・チュンミョンは164cm。巨人ではありません。

ドラマ<復活>の人情刑事を演じたイ・デヨン。
やっぱり、コミカルな役どころが多いのよね。
どんな役を演じても魅力的。
イイ俳優さんなのに、もったいないですねぇ。

執事役には、雪の女王の医者パク・ジニョ ン。
食客の局長やら、地位のあるジェント ルマンが似合います。

そして、特別出演のソ・ヨンヒと、ユ ン・ムンシク
特別出演だなんて、ソ・ヨンヒも出世したわよねぇ。
他にいなかったのか?

茶母のアン録事に負けず劣らず、相変 わらずイイ演技を見せるユン・ムンシク씨
ほんの1分ほどの出演なのに、強烈です!
やはり特別出演だけあるわ。

TV局の局長役で、ラジオスターのチョン・ギュス も出演。

* * * * *

ドボムは、出産間近の妻の保釈金のために200万ウォンが必要だった。
そしてグニョンは、騙し取られた見合いツアーの金がなければ、家にも帰れず死ぬしかない。
ドボムは、金のために誘拐を計画する。
ターゲットは、クッパ財閥クォン・スンブン女史。
苦労の末、女史を拉致するも、女史の背後には、有能なアン・ジェド警察署長がいる上に、
女史の子供たち四人は、いずれも女史の心配などする気配もなく、
身代金を要求することすらできない。
「本当に誘拐されたんだ」
と訴えても相手にされず怒った女子は、必ず身代金を払わせてやると宣言。
女史も金の入用があると、三人組に女史が加わり、ドリームチームが結成される。
しかし、三人組の身代金は500万ウォン(約50万円)だったのに対し
「私の価値はそんなもんじゃない!」
女史は500億ウォンにしろ!と、三人組を脅す。

かくして、ドリームチームは身代金受取作戦に突入。
その頃、ジェドの元に女史が誘拐されたという情報が入り、大規模な操作網が敷かれていた。
ジェドの妹ソンニョの家が隠れ家になっているとも知らずに。

↓ あら、もう結末ね。ご注意を↓



いよいよ身代金の受取の時がやってきた。
女史の子供らは、金のことばかりで女史の心配など一切なし。
500億ウォンもの金を、どう受け取るのか?
女史は、金を貨物列車に積むよう指示。
しかし、もうすぐ終着駅だというのに、何の前触れもない。
ジェドらは気を揉む。
その時、列車は濃霧の中へと突入。
何も見えない霧の中、警察はどうすることもできない。
しかし、それが女史の罠だった。
アホ三人組は、金が積まれたコンテナを分離する作業に入るが、なかなか外れない。
焦る三人。
もうすぐ目的地に突入だ!どうする?
必死にコンテナを押し倒す三人。
グラっ。
そしてコンテナは、川の中へと落ちて行く。

霧の中から列車が現れる。
列車は無事だった。
安堵のため息をつくジェドたち。
金が既に奪われているとも知らずに。
終着駅に列車が到着。
ジェドはコンテナに駆け寄り、唖然とする。
コンテナは、ビニールでできた模造品にすり替わっていたのだ。
しかも、500億を受け取ったという領収書まで置かれたまま。
してやられたジェド。
500億ウォンは、女史が執事に船で運ばせる。

なるほどー
ユン・ムンシク씨に何を頼みに行っ たのかと思ったら、ビニール製のコンテナだったのねー(笑)


任務を完遂し、女史の元へ戻る三人。
そして、金を渡される。
たったの500万ウォン.......
言葉を失う三人。
確かにそれが三人の最初の要求額だった。
けれど、死ぬほどの苦労をしてこれだけの分け前なんて.....
不平を漏らす三人に、女史はあるものを渡す。
それは、誰一人にも教えたことのないクッパのレシピだった。
この金と、このレシピがあれば、人生の再出発ができるはずだと。
仕方なく逃げる三人。
そして、ジェドがやってくる。
「金を払ってくれたから、こうして解放された」と笑う女史。
が、ジェドは見抜いていた。
「あの金、何に使うんですか?」
ジェドの言葉に、女史は言葉を失う。
500億ウォンの領収書の字が、女史の字だったと。
ジェドの鋭さに、女史も観念する。
「シルバータウンを作るんだ。身寄りや家のない老人たちのために」
そして、子供らのしつけをやり直すと告げる。

時が流れ─

クッパ屋で子供らにクッパの作り方を叩き込む女史。
そして、女史のクッパ屋の向かいにできた店を眺め、満足そうに微笑む。
その店は、三人組が開店させたクッパ屋だった。
女史のレシピのおかげで、大繁盛していた。
三人のクッパ屋を見守っていた女子の形相が変わり、店に怒鳴り込む。
息子のように可愛がったジェドまでが、その店で食事をしていたのだ。
「おまえまでここで食うことないだろう!」
しかしジェドはシレっと言う。
「うまいんだもん」
女史の怒りに火がつき、「レシピを返せ!」と、女史は三人を追いかける。
「くれたもんを返せって言うなよ」
「なら、場所を移せ!なんで隣りなんだ!」
「俺らの勝手だろう!」
「今日から戦争だ!」
女史は店の中に突っ込んでいく。

END

最後のオチも最高ね。
けど、女史の言葉じゃないけど、「なんで隣りなんだ!」よねぇ?(笑;)
女史の店は閑古鳥が鳴いちゃって... 可哀想に....

ほとんどの映画が、
出会って... 絆が生まれて...
その後はまた互いに元の人生に戻ることが多くて、寂しくて......
こうしてそばで仲良く(仲良くか?)暮らしてくれて嬉しくて仕方ない。
ただ、女史の店が閑古鳥が鳴いちゃダメぢゃん(^-^;;
グニョンとソンニョの結婚が決まったのも最高に嬉しい!
ベストカップル!





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