ハピネス  Happiness  
 原題:幸福 행복(ヘンボク)<2007>

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幸福

ソウルでクラブを経営しながら、自由奔放な生活を楽しんできたヨンス(ファン・ ジョンミン)。経営して いた店は潰れ、恋人スヨン(コン・ヒョジン)とも別れ、弱り目に祟り目で、深刻な肝硬変まで病むようになったヨンスは、周りには留学に行くという嘘を残 し、逃げるよう に田舎の療養所<希望の家>に降りて行く。

<希望の家>で暮らして8年目。スタッフとして仕事をしているウニ(イム・スジョン)は、息切れすれば死ぬこと もある重症肺疾患患者だが、明るくて楽天的だ。自分の病気を意に介さず、恋愛にも積極的なウニは、初日からしきりに気になったヨンスに先に近付く。

うっと うしい田舎の療養所。未来など見えないみじめな状況で ヨンスは、辛いものも、恐ろしいものも、何もないように見えるウニに頼るようになり、手を握ってキスをし、夜を共に送りなら、普通のカップルのように幸せ な恋愛を始める。そして二人は、療養所を出て一緒に暮らし始める。

1年後。ウニの助けで 健康を取り戻したヨンスは、ひたすら幸せなばかりのウニと違い、二人だけの生活がますます退屈になる。酷く貧乏臭い田舎生活も、 いつ死ぬかもわからない病弱なウニも負担になったヨンスの前に、折りしもソウルから、昔の恋人スヨンが訪ねてくる。
 
公式サイト:http://www.happiness2007.co.kr/

【予告編】

監督 ホ・ジノ(許秦豪) <1998>八 月のクリスマス、 <2001>春の日は過ぎゆく、 <2004>20のアイデンティティ
<2005>四月の雪、<2007>ハピネス、<2009>五感度 segment 2 <私、ここにいます。>、
<2009>きみに微笑む雨

出演

ファン・ジョンミン

出演作品一覧

イム・スジョ ン

<2002>ピ アノを弾く大統領、<2003>箪 笥、<2003>アメノナカノ青空、<2005>サッ ド・ ムービー
<2006>角砂糖、<2006>サイボーグでも大丈夫、<2007>ハピネス、<2009>田禹治(チョン・ウチ)
<2010>キム・ジョンウク探し、<2011>愛してる、愛さない

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【レビュー&ネタバレ】
2007年10月韓国公開。観客動員数は約120万人。

韓国の巨匠ホ・ジノ監督の四作目。
ホ・ジノ作品の中では最も万人に受け入れやすい作品かも。
商業的な映画に近づいております。
淡々とゆったりと流れる美しい時間を映像化したような独特な世界観が薄れ、
どこにでも溢れているような映画ですね。
ホ・ジノ ワールドは感じられません。
それでも、約120万人も動員しておりますので、こういったオーソドックスな恋愛モノというのは、
常に必要なのかもしれませんんね。新鮮味も面白みもないのですけれど。
クランクアップは随分前にしていたのに、なかなか公開されなかったのもわかるかも....
この手の映画はあまりにも有触れていて、コケる可能性が高そうよね。
ムン・ソリとキム・テウの<謝罪>はお蔵入りしてますし...

前半はわりと飽きない展開ですが、後半になるとダラダラと......
ラストに向けてホ・ジノ色になっていきます。
mocaはどういうわけか、ホ・ジノ作品を観ると途中で寝ちゃいます。
どういうわけか、ホ・ジノ作品だけ。
今回は大丈夫だと思っていたのに、後半の退屈さに寝ちゃいましたねぇ.... あはははは。
ある意味、ヒーリング効果。

ホ・ジノ作品といえば、あの淡々とした美しい世界だけでなく、
人間の本質を真っ向から描いたリアリティと言えるかもしれませんが、
この映画の題材である都会的な主人公が重病の田舎娘と恋をし、
女が重荷になり、都会での生活が恋しくなる.....
なんてモノが、まーったく新鮮味がありませんことよ。
描いているものは、リアリティではありますが、人生の酸いも甘いも知っている方には
いまさら.... という感じでしょうか。
それとも、自分を重ね合わせたりして、何かを感じるものなのでしょうか。

人間は、今ある幸せに気づくことができないものだし、
人間が、いかに愚かであるかを思い出させてくれる映画です。
この映画には、本当の幸せが詰まってます。

ロケが行われた全羅北道 長水郡 磻岩面(전라북도 장수군 번암면)の景色や
二人が暮らす古びた家にも、幸福を感じることでしょう。

都会で、酒を飲みタバコを吸い、女と遊び、すき放題の生活をしていた男ヨンスと、
肺を手術で切除し、40%しか残っておらず、息切れすれば死ぬかもしれない女ウニ。
ヨンスが自堕落な生活で肝硬変になり、療養生活を送るために行った田舎の療養所で二人は恋に落ちる。
肝硬変は重症であれば、余命1~3年程度の場合もありますが、
ヨンスはウニの懸命の看護で健康を取り戻し、
それと同時に、みすぼらしくて貧乏くさく、重病を抱えるウニが煩わしくなってしまう。

ヨンスをひどい男と責める人も多々いらっしゃるでしょうけれど、
これが人間というものではないでしょうか。
人は一人では生きていけないけれど、人間とはこんなものだから、
生きることは悲しい。

前作では、ソン・イェジンのベッドシーンに話題が集中しましたが、
今回もイム・スジョンのベッドシーンが話題に。
けど、なんでこんなのが話題になるんだぁーーーーー?
ヤラセとしか思えない。
ど こが過激なベッドシーンなのでしょう?
あれじゃ、べッドの上でのキスシーンです。
↑の予告編で観られます。あれだけです。あれ以上はありません。

さて、主人公ファン・ジョンミンとイム・スジョン。
二人とも実力派ですから、観ていて安心できますわ。
ただ、イム・スジョンの自我がチラホラと見えて、イラっときますが。

映画はほぼこの二人しか出てこないようなもの。
他の出演者はおまけですね。

ファン・ジョンミンの元カノに、<M>のコン・ヒョジン(友情出演)
ファン・ジョンミンの親友に、ドラマ<冬のソナタ>ヨングク、リュ・スンス(友情出演)
療養所の患者に、<クワイエット・ファミリー> のパク・イナン(特別出演)
療養所々長にに、ドラマ<エアシティ>の シン・シネ(特別出演)
療養所の患者に、<八月のクリスマス>のキム・ギチョン



帰ったら連絡するよ。私たち、もう終 わったの、連絡しないで。

自堕落な生活で肝硬変になってしまったヨンスは、
周りに「留学する」と嘘をつき、片田舎の療養所に行くことにする。
恋人のスヨンには、「私たち、もう終わったの」と冷たく突き放され、
ヨンスは踏んだり蹴ったりだ。


女好きのヨンスはウニに接近。ウニはヨンスを意識し始める。

女を見れば声をかけずにいられないヨンス。
田舎の売店で見かけたウニに、からかい半分でちょっかいを出す。
ウニは敬遠しつつも、ヨンスが気になる。

なんで膝を抱えて食べるの?胸が痛い から。

ウニとヨンスは、療養所で再会する。
なんと、ウニは療養所のスタッフだったのだ。
気まずい二人。
食堂で食事を取るが、膝を抱えて食べるウニが気になるヨンス。
ウニは肺が40%しか残っておらず、痛むのだという。
「40%残ってれば、まだまだ使えるでしょ」
明るく笑うウニに、ヨンスは衝撃を受ける。


タバコを吸ったことを後悔しないため に吸うんだ。   

健康的で退屈な療養所生活。
同室のソック(パク・イナン)は、末期の肺がん患者。
タバコは猛毒だと、ヨンスからタバコを取り上げる。
しかし、診察で手の尽くしようがないことを宣告されたソックは、ヨンスからタバコをもらう。
むせ返しながらもタバコを吸うソック。
「タバコを吸ったことを後悔しないために吸うんだよ」
ソックの言葉の意味がわからないヨンス。
翌日、ソックは首を吊って亡くなった。

(ソックの気持ちは愛煙家にしかわからないかもですね... mocaはわかるぞ!)

私、うつす病気じゃないわ。初めての デート、初めてのキス。

ウニとヨンス。二人が恋に落ちるには、時間はかからなかった。
初めてのデート、初めてのキス。そして... 二人は夜を共にする。
二人の関係を悟った所長(シン・シネ)は、ウニを咎める。
自分がケアしてもらわないといけない側なのに、患者と付き合ってどうするのだと。


どうしてキスしてるのに、キスしたく なるんだろう。  

病で気が弱くなっているヨンスは、ウニが頼りだ。
ヨンスの病気は自分が治してあげると、ウニは二人で暮らすことをヨンスに提案。
二人は療養所を出て、二人きりで暮らし始める。
のどかな風景、ゆっくりした時間。田畑を耕し、幸せに満ち足りた生活。
ウニの献身的な介護により、ヨンスの体はすっかりよくなっていた。
生活費を親友に無心する情けなさ、
幸せの絶頂は過ぎ、貧乏臭く病弱なウニに苛立ちを感じ始めるヨンス。


ウニさんキレイね。コイツ、キレイな 子が好きなんだ。

突然、別れた恋人スヨンと、親友ドンジュン(リュ・スンス)が訪ねてくる。
真人間になってしまったヨンスをからかう二人。
「あのヨンスがなんてザマ?」
ドンジュンはヨンスにソウルに一度ソウルに来いと言って帰っていく。


好き。ずっと会いたかった。待てって いったじゃない。

ソウルに行ったヨンスはドンジュンを訪ねる。
ドンジュンはヨンスにソウルに戻れと促す。新しい店の1つをヨンスに任せると。
今朝の新聞に、老後の資金に4億7千ウォン必要だとあったという話を聞いたヨンスは、
今の自給自足の無収入の生活に不安を感じる。

 ヨンスは、スヨンの部屋を訪ねる。
「泊まって行かないの?」
と引き止めるスヨンに、「あの子は俺が好きなんだ」と、突き放す。
「私も好きよ、ずっと会いたかった」
とすがるスヨンに、「お前とは違うんだ」と、相手にしない。
しかし、「待てって言ったじゃない」と、泣き出すスヨンにほだされてしまい、
ヨンスはスヨンの元へ残ってしまう。
懐かしいあの頃の生活。ヨンスは、ウニの元へ帰る足が遠のいてしまう。


ソウルに行ったきり帰らないヨンスを 待ち続けたウニ。

ウニの元へ帰っても、今までのように暮らすことができないヨンス。
ヨンスの心境の変化を感じ取る。
ある日、ヨンスはウニに遊びに行こうと誘う。


別れることを決めたヨンスは、ウニを 遊びに行こうと誘う。 

酒におぼれ、自暴自棄な生活を送るヨンス。
「お前から別れてくれ。俺からは言えないの、わかってるだろう?」
ついにヨンスは別れを切り出す。
「新しい女ができた。お前と一緒にいるより楽だ」
ウニはヨンスの言葉に怒り悲しむ。
「あの女より、もっと尽くすから。お願い、自信があるの」
ウニは泣きすがるが、ヨンスにとっては重荷なだけだ。


このまま死んでしまったらいいにの に。ウニは狂ったように走る。

悩み苦しんだウニは、ヨンスと別れることを決意する。
ヨンスが眠る間に、ヨンスの荷物をまとめるウニ。
「出てって。あなたのせいで辛いの」
ウニはヨンスのため、心を鬼にして強がる。


さよなら、ヨンスさん。ヨンスは頷 き、家を出て行く。 

二人で暮らした家を出て行くヨンス。
ウニの泣き咽ぶ声が聞こえても、振り返りもせずに。


↓ 結末ネタバレ。ご注意を↓


何をしても虚しいヨンス。こんなはず じゃなかったのに....

都会のきらびやかな生活。
スヨンとのゴージャスな毎日。
あれほど望んだ生活なのに、なにか虚しい.....
「こんなのが本当に楽しいのか?」
バカみたいに夜遊びを楽しむスヨンに言い放ち、ヨンスは部屋を出て行く。


昔と同じ生活に戻ったヨンスは、結局 病気をぶり返す。  

再び自堕落な生活に戻ったヨンスは、病気をぶり返し入院。
そこへ、療養所の所長が訪ねてくる。
ウニが入院したと。


ヨンスが何も言わずとも、ヨンスの心 がわかるウニ。

ベッドの上のウニを見たヨンスは、言葉に詰まる。
何も言わずとも、ヨンスの気持ちを汲み取るウニ。
そして、ウニは息を引き取る。


ウニ、すまない....             

ウニの骨を散骨し、二人で暮らした家へ戻るヨンス。
ウニの着ていた服を抱き、泣き咽ぶヨンス。

結局ヨンスは<希望の家>へと帰って いく。




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