お熱いのがお好き Like It Hot |
原題: 熱いのが好き 뜨거운것이 좋아(トゥゴウンゴシ チョア)<2008> |
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監督 | クォン・チリン(權七仁) | <1995>愛するのにいい日、<2003>シングルズ、<2004>20のアイデンティティ-Race-、 <2008>お熱いのがお好き |
出演 |
イ・ミスク |
<1979>モモは世間知らず、<1985>桑の葉、<1998>情事、<2000>燃ゆる月、 |
キム・ミニ |
<2000>純
愛譜-じゅんあいふ-、<2002>サプライズ、
<2008>お熱いのがお好き、<2009>女優たち、 <2010>モビーテック |
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アン・ソヒ | <2008>お熱いのがお好き | |
キム・ソンス |
<2005>赤 い靴、<2006>モノポリー、 <2007>お熱いのがお好き | |
キム・フンス |
<2000>イ
ルマーレ、<2002>オーバー・ザ・レインボー、
<2003>浪漫刺客、<2008>お熱いのがお好き、 <2008>父とマリと私 |
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ユン・ヒソク |
<2006>ア ドリブ・ナイト、<2007>なつかしの庭、 <2008>お熱い のがお好き、<2010>義兄弟 | |
チョ・ウンジ |
<2008>お熱いのがお好き | |
キム・ボム |
出演作品一覧 |
【レビュー&ネタバレ】 |
シ ングルズは、1994年の山口智子主演<29歳のクリスマス>のリメイクでございます。 この映画は、人気漫画<10、20、そして30>と、それぞれの世代を描いた人気漫画が原作です。 しかし、この映画は、シングルズの「挽回作」と思って観 て頂ければ、と思います。 シ ングルズ は、 「恋愛も仕事も、どっちも中途半端だけれど、30歳前にきっかけができたから、ま、いいか」 というように、締めくくっております。 それでも、なんだか不完全燃焼で、納得のいかない、心の中にくすぶったものが残ったような印象。 今回、それを解決しようと、作られた映画。 しかし、企画から、上映まで、4年もかかってしまった...... 最初はヨンミ(イ・ミスク)主演での映画だったものを、 映画の観客層である20代前後の若者たちには、理解を得にくいということで、 アミ(キム・ミニ)を主演にした内容に練り直したそうで..... そんな、こんな、で、4年。 確かに、シ ングルズよりは、すこーし、納得のいく終わり方でしょうか。 それでも、アミに関しては、シ ングルズのナ・ナンのラストの心境をよりわかりやすく描かれているらしいですが、 それでもねぇ...... この監督、映画作りはうまいけれど、登場人物たちの心情を描くのが下手なような気がします。 自分を 愛せなければ、他人を愛せない。 その言葉を胸に、この映画を観れば、納得もいくかもしれません。 けれど、それは映画から感じなければいけないのでは? 正直、映画からその気持ちを感じるには、少し心理描写が足りなかったかな、と思います。 すんなり、映画からその心情を感じ取れたら、スッキリと観終えられたのになぁ.... と、残念。 シ ングルズについてもね、この心情表現が足りなかったわけね。 mocaとしては、シ ングルズは、わりと好きな映画。 監督のセンスはいいと思うの。 きらく~に観るには、まぁまぁの映画。 この映画も、シ ングルズのような映画でございます。 監督が一緒、と聞けば、納得できるはず。 シ ングルズの「パート2」と言われてもおかしくない内容。 今回は、笑いどころも満載で、コメディー感覚でも観ることができます。 居酒屋で偶然キム・ソンス(スンウォン)に再会したキム・ミニ(アミ)が、 キム・ソンスの頭をなでるシーンは最高! キム・ソンスの表情なんて、名演技! イ・ミスク(ヨンミ)が、診察室で「閉経」だと告げられるシーンもスキ。 なんでだろうなぁ.... あぁいう古典ギャグはスキじゃないハズなのに............... 完成度は高い方ですし、3組の主人公の恋愛を描いていても、 無理がありません。 あとは、主人公たちの心情に共感できるか、ということでしょうか。 フツーに恋愛映画を観たいなら、不完全燃焼に終わってしまうかも。 とにかく「お熱いのがお好き」というタイトルから、もっと恋愛にガツガツした映画かと思ったけれど、 わりとノーマルに、10代、20代、30代の恋愛を描いております。 イ・ミスクは、クールなキャリアウーマンを演じさせたら、うまいわよねぇ。 エデンの東の演技で、かなりうんざりしておりましたが、 久々に本来のイ・ミスクを観たような気がします。 キム・ミニは本当に演技がうまいとしか言えない。 自然。 mocaは、女の酔っ払い演技が大嫌い。 特に、イ・ヨニの酔っ払い演技は吐き気がしそう。 ブってるっていうか、媚びてるっていうか..... 酔っ払い演技って、見ていると不快な気分になっちゃうのよねぇ.......... けど、キム・ミニの酔っ払い演技は自然で、「可愛い」とさえ、思ってしまうほど。 「アミは、私なら演じれる」 そう思って出演を決めたそうですが、本当に「アミそのもの」っていう気がしてしまいます。 今回、乳首スケてます............. そこまで必要な映画か??? キム・ミニは演技はうまいのよね。 イ・ジョンジェと交際した頃から、ぐんぐん成長しました。 ただ、あんまり「主役」の風格がないのよね。 それがちょっと残念。 mocaは、どうしても韓流スターくらいのレベルじゃないと、納得ができないらしいわ。 どの女優も、不満で仕方ないんですもの。 だから、まぁ、これは.... mocaのひとりごと。 ソヒは、ホント可愛い。 けど、やっぱり、ソヒはワンダーガールズでこそ、輝くのよね。 エンディングで、三人で腕組みして歩くソヒが一番可愛かったわ。 女優としても、面白いと思うけど。 ワンダーガールズをご存じない方は、一度「Tell me」を<聴 いて&観て>くださいませ。 曲もダンスもハマります! さて、男性陣。 mocaのだーいきらいなキム・ソンス。 けど、フルハウスや、今回のような紳士的な役どころを演じると、かっこいいのよねぇ 最初にガラスの華を観たのがいけなかったのでしょうか。 とにかく、現代版「白馬に乗った王子様」のような役どころでございます。 ユン・ヒソクは、顔から、仕草から.... 何から何まで、moca好み! しかも、演じるキャラクターまで、moca好み! もう、パーフェクト! キム・ボムはかっこいいわねー エデンの東の、カリスマ溢れる熱演も見事だったけれど、 こういう、ちょっと弱気で、優しくて、平凡な役も似合うし、うまいわよねー どんな役でも、かっこよすぎちゃうんだけど(笑) 花より男子のキム・ボムは、ちょっと不満。 「リアルさ」を求めたのかもしれませんが、 女性陣には、魅力的なキャラがおらず、 男性ばかりがかっこいい...... 男性客から観たら、この女性主演陣のキャラクターも魅力的なのかしら??? 女性の感じ方と、男性の感じ方は違うのかしら? まぁ、漫画が原作ですから..... 女性目線であり、女ウケするような男ばかりなのは当然!かしらね。 このような、現代の女性たちを受け止めてくれる「白馬の王子様」だわね。 * * * で は、ネタバレしちゃいますので、ご注意を! * * * 【アミの場合】 まだデビューすらできないフリーのシナリオ作家、アミ。 同じ作品のシナリオを、「書いては直し、書いては直し」という作業がもう1年も続いている。 しかも、企画すら流れてしまうという最悪の展開。 姉の家に居候し、姪にさえも、「居候のくせに!」と、小言を言われる肩身の狭い生活。 恋愛でも、ミュージシャン志望でウダツの上がらない甲斐性なし男ウォンソクに、 尽くして、貢いで、支援して...... ひたすら結婚する日を待ち望んでいる。 しかし、そのウォンソクの浮気現場に遭遇。 さすがのアミも、堪忍の緒が切れた。 三行半を突きつけ、悔しさで涙が止まらない。 そんな時、最近お見合いした男、スンウォンに偶然再会する。 真面目を絵に描いたような、七三ヘアのつまらない男。 けど、経済力は文句なしの公認会計士。 ウォンソクへの恨みから、酔いつぶれてしまったアミを、 スンウォンは仕方なく自分の家へと連れ帰る。 しかし、その途端、アミはスンウォンに唇を押し付け、無理やり押し倒してしまう。 朝目覚めたアミ。 ことの次第に青ざめる。 そそくさとスンウォンの家を抜け出し、逃げ帰る。 もう二度と会うこともないだろうと思っていたスンウォン。 しかし、スンウォンからメッセージが......... 「渡したいものがある」 仕方なくスンウォンと会ったアミ。 「責任取ってくれ」 と、いきなり言われ、うろたえるアミ。 しかし、スンウォンはアミがあの晩忘れていった、髪留め(ウォンソクからの誕生日プレゼント) を渡しに来ただけだった。 それから、アミはスンウォンに度々会うようになる。 辛い時、悲しい時、悔しい時、 スンウォンはアミに心地よい魔法の言葉をかけてくれる。 「君はいい女だから、なかなか落ちないんだ」などと。 スンウォンの優しさから、アミの心も次第に安定を取り戻し、 スンウォンへと心が傾き始める。 そんな頃、別れたウォンソクが、「あれは過ちだった」と、アミに付きまとう。 何度つっぱねても懲りないウォンソク。 諦めたウォンソク。最後の最後..... 「一度だけ抱きしめてくれ」と、涙ながらに訴える。 情にほだされたアミは、抱きしめるだけでなく、思わずSEXしてしまう。 後悔に打ちのめされるアミ。 そんなこととは裏腹に、スンウォンとの結婚話が着々と進んでいく。 アメリカ移住権を持つスンウォン。 アミには、家事など一切しなくていい、アメリカでシナリオの学校に行き、夢を叶えるようにと。 しかし、フリーのシナリオ作家で、貯金すらないアミには、ビザさえ取ることが難しい。 スンウォンの配慮で、スンウォンの友人の勤めるスクールの講師として、 貯金も、スンウォンから3000万ウォンをアミの講座に振り込むことで、 職業と、貯金の問題もクリアとなる。 けど、何かが違う.... 解せないアミ。 私は講師じゃないし、貯金もない...... それは、アミじゃない。私じゃない........... このままじゃダメ。 アミはスンウォンに、素直な気持ちをぶつける。 そして、ウォンソクはただの友達ではないことを打ち明ける。 「過去のことだ」 スンウォンは水に流そうとするが、 「最近もウォンソクと寝たの」 アミのその言葉には、さすがのスンウォンも大激怒。 「そんな言葉聞きたくなかった」 「今、言わないといけない気がしたの」 二人は決別。 そんなある日、監督から呼び出される。 「シナリオに手を入れてみた。けど、完成させるのはお前だ。お前の子供だろう?」 そう言って、監督からシナリオを手渡されるアミ。 監督の言葉から、自分の進むべく道を見出したアミ。 シナリオの仕事を再開するアミ。 そんなアミの元へ、スンウォンが「アメリカに旅立つ」と、別れを告げに現れる。 スンウォンに抱きしめられ、心が揺れるアミ。 「君と付き合っている間、本当に幸せだった。これは君のだ」 と、アミはスンウォンの家に置いてきた指輪を、スンウォンはアミに手渡す。 「俺達、もう会わない方がいい」 そう言って去って行くスンウォン。 後ろ髪引かれる想いのアミ。 その瞬間、 「ずっと後に、また会おう!」 スンウォンはそう笑って、去っていった。 アミは嬉し泣きしながら、頷く。 【カンエの場合】 三年間付き合っても、指一本触れない彼氏ホジェに苛立つカンエ。 親友ミランの恋愛指南を受け、準備万端。 「家に誰もいないの」 ホジェを呼び出し、ムード作りもバッチリ。 しかし、カンエの苦労も空しく、ホジェは逃げ帰ってしまう。 「何が悪いの?」 ミランはカンエを褒め称えるように、1つ1つチェックしていく。 見詰め合う二人。 その気になってしまったカンエは、思わずミランにキスしてしまう。 驚きで、言葉を失うカンエとミラン。 それからというものの、ぎこちない空気が流れるカンエとミラン。 カンエは、ミランとキスする妄想から逃れられない。 ミランは他の女の子とじゃれ合っていれば、気に食わず怒鳴りつける。 何かがおかしい..... 私、どうしちゃったんだろう...... カンエはホジェを呼び出し、無理やりキスをする。 しかし、何度キスをしても、何も感じない。 「私、おかしい.....」 ミランへの気持ちのやり場に困り、ミランを避けるカンエ。 そんなカンエの行動に対し、ミランはわけがわからず、腹立たしいばかり。 そんなミランが、父の病状が悪化し、ブラジルへ帰国することになってしまう。 「私がいなくなっても、なんとも思わないの!」 ミランの言葉に、「なんで私が!」と、カンエは冷たく当たってしまう。 出国の日、カンエはいつものようにバイトに励んでいた。 ホジェに見送りに行くよう促されるが、聞く耳も持たない。 そんな時、ホジェはミランに預かった手作りのキーホルダーを渡す。 ブラジル語で、「愛は勇気」と刺繍されたキーホルダー。 それを見たカンエは、バイト先を飛び出し空港へ向かう。 ミランをみつけたカンエ。 「行かないで.... アマル.... アマル ガロッタ....」 カンエは、愛の言葉をミランに伝える。 「アマール エッテッコラ センガロッタっていうのよ、バカね」 ミランはカンエを見つめる。 抱きしめあう二人。そして、キスをする......... 【ヨンミの場合】 経済力もあり、仕事も順調のシングルマザー、ヨンミ。 舞台セットのデザインの仕事で出会った劇団員キョンスから、いきなりアプローチ。 「年上の女性、好きなんだ」 最初は冷たくあしらうヨンミだったが、キョンスの猛アプローチにより、ついにホテルへ。 「明日からは、また他人に」 と、「はい、タクシー代」と、お金を渡して立ち去るヨンミ。 それからもキョンスとの肉体関係は続くが、どうも気持ちが乗らない。 生理も遅れている...... 産婦人科に駆け込めば、「閉経です」と、冷たい一言...... 「閉経=女が終わった」 ヨンミは深いショックを受け、傷つく。 その苛立ちをぶつけるかのように、まるでキョンスを強姦するかのように押し倒す。 それには、さすがのキョンスも怒りを露にする。 しかしヨンミは、本音を少しも見せることなく、 「あんたとは遊びよ」 と、冷たく言い放ち、立ち去って行く。 キョンスへの態度を後悔したヨンミは、キョンスへのプレゼントを買い、会いに行く。 しかし、思いもよらず、キョンスから別れを切り出され、動揺してしまう。 ある日、いつもキョンスと訪れていたカフェを訪ねるヨンミ。 キョンスが「今度飲んでみて、マズイから」と言っていた、泡たっぷりで、砂糖なしのカプチーノを注文する。 しかし、支払いをしようとすると、マスターは「お代は頂いております」と、告げる。 キョンスが、ヨンミが来たら飲ませてやってくれと、有り金すべて置いて行ったのだと。 「あと、何杯でも飲めますよ」 と、マスターは微笑む。 唖然とするヨンミの前に、キョンスが現れる。 キョンスのキスを自然に受け入れるヨンミ。 ようやく素直になれたのだ。 そしてある日、トイレに駆け込んだヨンミが奇声を上げる。 「来た!生理が!あっはっは」 喜びを隠せないヨンミ。 三人三様、でも、みんな、お熱いのがお好き。 |
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