愛してるから、大丈夫  Fly High 
 原題:愛してるから、大丈夫 사랑하니까 괜찮아(サランハニカ クェンチャナ)<2006>

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愛してるから、大丈夫

踊りも歌も上手で、顔までそれを彩える完璧なキンカー(킹카:モテ男)ミンヒョ ク(チ・ヒョヌ)。彼 は、女子トイレが満員 だと男子トイレに入ってきたしっかり者の女子高生ミヒョン(イム・ジョンウン)に心を奪われる。花柄の座布団をくくりつけた自転車で下校時に迎えに行った り、 ロッカーいっぱいにバラの花を満たしたり、ミヒョン専用トイレをセッティングしたり、雪が降った日 には、雪掻きし、道を作ってやったり、ミンヒョクの純情は時間と場所に関係ない。しかし、彼女の口から飛び出してきた言葉は「さようなら」。理由のわから ない失恋で、笑うことを忘れてしまったミンヒョク。

2年後。嘘のように彼女が現れる。
「私、死ぬの。もうすぐ死ぬ女と恋愛しない?」

【予告編】


監督 カク・チギュン(郭志均) <2000>プ ライベートレッスン 青い体験、<2006>愛してるから、大丈夫

出演

チ・ヒョヌ

<2006>愛 してるから、大丈夫、<2006>オール ドミス・ダイアリー 劇場版
<2009>アタック・ザ・ガスステーション! 2

イム・ジョン ウン

<2002>ひ とまず走れ、<2006>愛 してるから、大丈夫、<2007>宮女、 <2007>私の恋

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【レビュー&ネタバレ】
前作プ ライベートレッスン 青い体験から6年ぶりとなるカク・チギュン監督の10作目の作品。
今回は、過激なのはポスターや予告編などのみで、劇中はわりとノーマル。
濃厚なキスシーンがあるのみ。
前作は、文学作品なのに’エロス’扱いしかされないものね.......

そして、<メロー映画の金字塔>と謳ったこの作品。
動員は25万人.................. お話にならない数。
けれど、2006年作品を観て思ったこと。
2006年は、タチャ イカサマ師や、美 女はつらいよという、歴代記録を塗り替える作品が多出。
けど、観終わった瞬間。あまりのつまらなさに絶句。
どこか破綻しているような、新人の作品としか思えないような映画。
韓国映画はどうしちゃったんだ?韓国人の価値観は理解できん。
その他にも、つまらない2006年作品をいくつか観続け.....
まったく観客に相手にされない映画などを見始めた。
そして、ある法則発見。
興行で惨敗した映画の方が面白い!
この映画もその中の一つ。

すっごいオーソドックスで、ベタな映画。
今更こんな映画に誰も振り向かないでしょう。
けれど、しっかりと’人間’が描かれている。映画の中で、登場人物が生きているの。
近年のヒット作には、それがないのよね......
新鮮で目新しいだけで、テンポも悪く、人間が死んでいる。

この映画は、ごくごく普通の、どこにでもいるような高校生たちの物語。
平凡でつまらないキャラクター。
そんな、どこにでもいるような人間を、最後まで飽きさせずに見せるのである。
これが、mocaにとってはたまらないの。
観終わった後には、その人物たちに情と愛着を感じ、別れが惜しくなる。
それが、mocaにとっては最高の映画。

この映画には、スター俳優が一切出演していない。
主人公ミンヒョクには、チ・ヒョヌ。
2004年に<The Nuts>というバンドでデビューした、本来歌手。


잔소리 (Badger) 何と!' 世界中の誰よりきっと ' のリメイク!

ヒロイン・ミヒョンには、<ひとまず走れ!> で、紅一点の女の子。
ジノンがネットで知り合った女の子ユジンで出演したイム・ジョンウン。

この二人を取り囲む出演者も、無名の俳優ばかり。
ミンヒョクの友人に、チュホと、パク・キョンホ。
ミヒョンの友人には、カン・レヨンとキム・ソンヒ。
カン・レヨンが、<マドレーヌ>のシン・ミナのルー ムメイトとして見覚えがあるくらい。
ドラマでは、<このろくでなしの愛>のミソン。

この無名の俳優たちが、愛する親友たちを自然に熱演。
大好きになってしまったわ。

チ・ヒョヌは、チャ・テヒョンを彷彿させるような風貌と癒しの笑顔。
(’ヒョヌ’って芸名。’猟奇的な彼女’を意識したわけじゃないわよね?本名からよね?)
第二のチャ・テヒョンにもなれそうなのに....
ちょっとインパクトが足りなすぎ... すぐに顔を忘れそう...
なんて思っていたら....
' メリー&テグ 恋のから騒ぎ(原題:メリー・テグ攻防戦 [메리대구공방전]) ' では、こんなことに....

こういうことじゃなくてぇぇぇー

この映画で、イム・ジョンウンだけが、ちょっと残念。
’シム・ウナのできそこない’のような顔が気になって、気になって。
絶対に’シム・ウナのように...’と言って、失敗したとしか思えない...........
そしたら、<第二のシム・ウナ>ですって!
それはシム・ウナに失礼よー
パーツを見れば悪くないけれど、全体的に見ちゃうと全く可愛く見えず、
その上、演技からも魅力を感じず.......
チ・ヒョヌがいなかったら、大変な映画になってたでしょうね....
ヒロインというよりも、チ・ヒョヌを引き立てさせるためのオマケのような存在。
その後も出演作はないようで、終わった感じ。(いえ、終わってください)

バンドマンのヒョニル役パク・キョンホ(박경호)は、かなり期待できそうですが。
1982年6月16日生まれ、180cmのイケメン。この映画が’初’と言える出演。
ただ、かっこいいだけで印象薄いかも。

moca的には、カン・レヨンに期待したいわ。
というよりも、もっと見たい!

美しい風景も魅力的。
江原道の江陵(カンヌン)や寧越(ヨンウォル)などで撮影。
ミヒョンがアメリカに行く前に同級生たちと別れを惜しむ高校は、
全州市(チョンジュシ)孝子洞(ヒョジャドン)銅岩(トンアム)高。
プロローグのミュージカル(?)が行われたのは、
ソウルの鷹岩洞(ウンアムドン)にあるチュンアム(충암)初等学校。
その他の学校シーンは、延世大学や、仁川にある仁荷(イナ)大学などでも撮影。
ラストシーンは、ニュージーランド。


前半は、とにかく一目惚れした女の子に猛アタックする男子高校生の物語。
けど、なかなかイケメンで(映画の設定ではかなりのモテ男)
そんな男に好きだ、好きだ、と、
学校のロッカーにいきなり薔薇の花が溢れていたり、
雪が降れば、自分のために道ができていたり、
その上、突然濃厚なキスをされ、
「一人でいたら俺みたいな奴に襲われる」と、いきなりタクシーに乗せられ
「これで頼むよ」
と、運転手に金を握らせ、見送るのである。
これで好きにならぬ女はいないだろー!

が、しかし.........

ミヒョンは「あんたなんて興味ない」と、思いっきりフルのである。

その上、「さよなら。ごめんね」とだけ言い残して姿を消してしまう。
理由もわからずフラれ、姿を消され、傷つくミンヒョク。

そして、2年後。
「私死ぬの。もうすぐ死ぬ女と、恋愛しない?」
女は突然現れる。

わけもわからず姿を消す、という設定...... <永遠の片 想い>にもありまし たね。
入院しているから、会いに来れなかった。
あちらは、ヒロインが死ぬことを知らぬままだったけれど、
こちらは、<死ぬ>ということを宣言されるの。
後半は、死にゆく愛する女のために、全身全霊で愛する物語。

<バカップル>のごとく、どこでもキスして、ラブラブな二人。
韓流の王道<不治の病>と<死>をテーマにしたラブストーリーですが、決して暗くない。
ヒロインを、いかに幸せに見送るか... そんな映画。


↓結末↓

<オーロラ>に魅了されるミヒョンのために、<オーロラ>を見につれて行く、と決めるミンヒョク。
それを知った友人たち。
ヒョニルは大事なギターを、ヨングも大事なバイクを売り、
キョンニムは、アルバイトに明け暮れる。
このシーンには、涙、涙。
そして、二人のために飛行服をプレゼント。
ミンヒョクは、ミヒョンを抱き、オーロラの中をハングライダーで飛ぶ。
ミヒョンは幸せに包まれたまま、天国に一番近い場所から旅立った。

ニュージーランドは、<天国に一番近い島>と謳われておりますが、
オーロラまで見れるとは知らなかったわ。
ラストは、死に行くヒロインとの涙の別れ.....かと思いきや、
ミンヒョクのナレーション1つで、ミヒョンの死が伝えられるだけ。
けれど、このラストは不完全燃焼でもなく、温かく、この映画には合っているように思えるわ。





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