イブの誘惑 [良い妻]  Seduction of Eve [Good Wife]
 原題:イブの誘惑 [良い妻] 이브의 유혹 [좋은아내] (イブエ ユホク [チョウナネ]) <2007>

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映画監督のジニョン(キム・テヒョン)は、彼のシナリオでは映画化が難しいとい う話を映画会社で 聞き、すごすご歩いて帰る。そして、映画会社の駐車場で偶然出会った魅力的な女性イネ(チン・ソヨン)の誘惑に導かれ、一夜を共にする。

その日の夕方ジニョンは、3年間音信不通だった制作者のサンホ(アン・ネサン)から連絡を受ける。サンホに会いに江原道へ行ったジニョンは、轢き逃げ事故 で下半身が不自由になり、車椅子生活をしているサンホの姿を見て驚く。

サンホは、妻がこっそりと男に会っているところを写真に撮って欲しいとジニョンに頼み、やむを得ず頼みを受け入れたジニョンは、その日からサンホの妻の日 常を撮るようになる。

しかしジニョンは、サンホの妻が、一夜を共にしたイネであることを知り慌てるが、拒むことのできないイネの魅力にますます陥り、写真を口実にイネとまた一 夜を送るようになる。

しかし、イネが心からサンホを愛しているということを悟ったジニョンは、サンホを訪ねてその事実を伝えるが、サンホから別の話を聞かされる。

【予告編】

監督 カク・チョンドク <2007>イ ブの誘惑 -良い妻-

出演

キム・テヒョン

出演作品一覧
チン・ソヨン <2007>イ ブの誘惑 -良い妻-
アン・ネサン <1997>バッド・ムービー、<2000>ゴーストタクシー、<2000>不 朽の名作、<2002>公共の敵
<2002>ジャングル・ジュース、<2002>オアシス、<2002>2424
<2003>菊花の香り~世界でいちばん愛されたひと~ 、<2003>大韓民国憲法第1条、
<2003>黄山平野、<2003>マルチュク青春通り、 <2004>欲望、<2004>僕が9歳だったころ 、
<2004>時失里2km、<2004>Rポイント、 <2005>マラソン、<2005>おまえを逮捕する
<2006>恋の罠 -淫乱書生- 、<2006>フライ、ダディー(友情出演)、 <2006>明るい家族計画、
<2007>イ ブの誘惑 -良い妻-、<2007>極楽島殺人事件、<2007>二 人だ、<2007>宿命

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【レビュー&ネタバレ】
この作品は、TV映画としてOCN(日本のOCNとは違います)が制作。
全4作のエロチック・スリラー・オムニバス。
8月より順次公開し、8月末には、ケーブルTVの映画チャンネル’OCN’にて放送。
劇場公開の興行成績は以下の通り。

公 開日 動 員数 劇 場数
エンジェル 2007/08/01 136 5
良い妻 2007/08/01 619 5
キス 2007/08/13 221 4
彼女だけのテク ニック 2007/08/22 633 6

劇場数が劇場数ではありますが、悲惨な数字....
しかし、TV放送では、ケーブルTVにしては異例の視聴率を記録したそうです。
大成功を収めたのが、この良い妻
最高視聴率は、3%だそうで...
ケーブルTVですから....

既に発売されている韓国版DVDですが、何と!日本語字幕つきです!
日本発売を待たずに見れますので、興味のある方はどうぞ。
(念の為、日本語字幕があるか、確認してから購入してくださいね)

キム・テヒョンが出演しているので、見たいなぁ.... とは思っていましたが、
なんせ、↑あの動員数.....
しかも、エロティック・スリラーだなんて.... 興味が湧かず.....
ですが、この良い妻は、他の3作とは比較にな らないほど完成度が高く、
スリラーとして最後まで楽しめると聞き、それならば!と、かなり期待して鑑賞。
いやぁ、これはなかなか素晴らしい。
最後の最後まで、予想がつかず。
しかも、そんな伏線だったのか!と、唸らせられるラスト!
これは面白い!
意表をつくとはいえ、ラストは正直陳腐でガッカリした面もありますが、
ラストを迎える直前の、あの緊迫した空気は久々に味わいました!
どっちなんだー!!
と、まったく予想がつかず、どうなるのかハラハラドキドキ。
スリラーとはいっても、ミステリーに近いですね。
エグいシーンは特にありません。
謎解きのスリルを味わいたいのならば、なかなかオススメ。
ラストのオチは、ミステリーとしては見事でも、ドラマとしてはゲンナリしますが。
感情移入はできません。

キム・テヒョンは相変わらず演技力不足ですが、いつもながら好感度高し。
どの役を演じても、キム・テヒョンです(笑)
演技じゃなくて、素.... なんでしょうね.... いいのか、悪いのか....
キム・テヒョンが主演ですから、それほどエロくもないだろう、と高をくくっておりましたが、
普通にベッドシーン演じておりました(笑)
それほど激しくもなく、キム・テヒョン自身の露出はありませんでしたが、
きちんと絡んでおります。
チン・ソヨンは映画初出演(映画といっていいのか?)ドラマでは、伝説の故郷などに出演。
チン・ソヨンって、セックス・イズ・ゼロのチ ン・ジェヨンに似てるような?
このオムニバスは、露出の高さがウリのようですから、女優陣は無名に近いですね。
チン・ソヨンも、露出だけがウリで、たいした女優でないと思いましたが、
ドラマが進めば進むほど、どんどんキレイになるし、魅力的に。
演技もどんどんよくなるし、
アン・ネサンに「ヨボ、ミアネ....(あなた、ごめんなさい....」と謝罪するシーンでは、
演技とは思えないほどで、鳥肌が立ちました。
もちろん、ヌード満載で、非常に官能的。
まぁ、エロ目当てならば、AV見ろ!という感じですが(^-^;

そして、アン・ネサンのワザとらしい演技がまた笑わせる!
シリアスなシーンなのに、なぜかおかしくて(笑)
アン・ネサンも老けましたね。
アン・ネサンは知る人ぞ知る、ですが... 代表作がないですね。
とにかく、アン・ネサン演じるキム・サンホは気の毒で....
それは見ていただければおわかりかと思いますが。

それとは別に、ジニョンとサンホは映画監督と制作者という関係で、
3年前の映画で、チョ・ジニョンは興行で失敗したものの何の責任もなく、
出資したサンホは、全ての財産を失ってしまうのよね。
「シナリオ通りに作れば成功したのに、ジニョンが勝手にシナリオに手を入れたから失敗したんだ!」
このセリフは、なんだか生々しすぎて、身につまされる想い......
きっと制作側の間では、このような確執がたくさんあるんでしょうね........
ジニョンだけのうのうとしていて、全てを被ったサンホが気の毒ですね.......

【チョ・ジニョン】 映画監督
キム・テヒョン
【ソ・イネ】 サンホの妻
チン・ソヨン
【キム・サンホ】 制作者
アン・ネサン


とにかく、随時 「そんなわけだったのか!」と、驚かされるような展開の連続。
筋書きを書くと、全てがネタバレになってしまう....(^-^;

イネがなぜ突然ジニョンの前に現れたのか?
ジニョンがサンホから聞かされた別の話とは?

未 見の方には、これ以上はお話できません!


思いっきりネタバレします!!


イネがジニョンと出会ったのは偶然ではなく、
夫サンホがジニョンに送ったメールを見て、
イネが浮気している現場を押さえてくれとジニョンに頼むことを予想し、先回りした。
ジニョンと関係を持てば、浮気現場をバラされないだろうと。

そして、サンホが言うようにイネは浮気していた。
下半身不随で、働くことも、セックスすることもできないサンホ。
ジニョンはイネにサンホと別れればいいのに... と、口にする。
しかし、イネはSexのためにサンホと結婚したわけではない。
愛しているのだという。
世間の夫婦の中で、セックスレスの夫婦がどれだけいるか。
だが、惰性で一緒にいるわけではない。
一緒に暮らしたいと思って夫婦でいる人も多いのだと。

─ この先キケン ─


ジニョンはサンホに嘘の報告をする。
浮気はしていない、考えすぎだと。
しかし、ジニョンの言葉尻から(ジニョンのアホ!)、
ジニョンがイネと関係を持ったことをサンホは悟ってしまう。
サンホに問い詰められ、ジニョンは白状してしまう。
そして、驚く話を聞かされる。
俺の足がこうなったのは、偶然だと思うか?と。
イネが保険金目当てで殺そうとしたのだと、サンホはジニョンに告げる。
イネは再婚で、前夫も、下半身不随になった後、事故死したのだと。
この家は、その保険金で買ったのだと。
そして、俺も保険金目当てに、イネに殺される。
サンホはジニョンに必死に訴える。

─ キケン、キケン、未見は引き返せ! ─


ジニョンからサンホが保険金殺人を疑っていることを聞かされたイネは、逆上する。
疑われて悲しい。
そんなに疑っているならば、一緒に死のう!と、
サンホの車椅子と自分の体を鎖でつなぎ、車道の真ん中に飛び出す。
一緒に死ねば保険金は受け取れないからと。
死に損なったサンホは、イネが本気であることを悟る。
イネの深い愛を知り、サンホはイネと向かい合って生き始める。
しかし、それを知ったジニョンは、嫉妬でやりきれなくなる。
自分が撮りためた浮気現場をサンホに送ってしまう。


─ 結末ネタバレ ─


写真を送ったことを、ジニョンはサンホに謝る、酔っていたのだと。
サンホは全く意にも留めない。
浮気相手が増えたことで、たいして変わりはないと。
ジニョンに調査の礼もしたいから、食事に招待したいとサンホは申し出る。
ジニョンはサンホの言葉に安心し、サンホの家を訪ねる。
しかし、そこには思いがけない出来事が待っていた。
ジニョンは、睡眠薬入りのオレンジジュースを飲まされ眠ってしまう。
目覚めた時には、隣りには同じく眠ったイネがいた!
ジニョンとイネは、腕に注射針を刺され、その先にはボンベがつながっていた。
ジニョンが創った映画のトリック。
血液の中に空気を注入すると、呼吸困難で死に至る。
サンホは、ジニョンはイネの証言しだいでは、命を助けてやると告げる。
ジニョンに証人なるようにと。
サンホはイネを問い詰める。
「俺を殺そうとしただろう!」
ジニョンが送った浮気相手の写真の中に、サンホを轢き逃げした犯人の顔があったのだ!
イネは必死に否定するが、サンホは認めない。
イネは何度も説得し、最後にあることを告げる。
「疑われるのがイヤだから、生命保険は今日解約した」と。
サンホは確認のために保険会社に電話をするが、既に営業時間が終わっていた。
翌朝一番に保険会社に電話して確認するまで、命を永らえた二人。
しかし、サンホがトイレに行っている間に、
イネはタバコの火でジニョンを縛っているテープを燃やし、逃げようとする。
「解約したのは嘘なのか!」
ジニョンは血相を変える。
このままでは、サンホに殺されてしまう!
そして、逃げようとするイネの姿を、サンホは目撃してしまう。
狂乱し、イネを殺そうとするサンホ。
もがきながら、イネは謝罪する。
「あなた、ごめんなさい.....」
ジニョンはイネを助けようとして、サンホの頭に鉄杭を突き刺す。

サンホは亡くなり、助かったイネとジニョン。
二人はしばらくの間、潜水病で苦しみ、共に苦しみを分け合ううちに愛を育み結婚。
イネは、だらしない姿を見せたくないと、ジニョンが起きる前に毎朝シャワーし、
ジニョンのために心を込めて食事を作る、美しくて良い妻だ。

と、冒頭につながる構成は見事です!

そして、驚くべき結末。

イネは本当に保険金を解約していたのだという。
「ヨボ、ミアネ....」
と、涙したイネの言葉は演技には思えなかった。
では、あの涙はいったい?
その答えはすぐにわかった。

膝から下を切断されたジニョンの足。
ジニョンは結婚後、一度浮気をしたのだと。
イネは金のためではなく、他の女と愛する夫を共有するのがイヤで、
下半身を使い物にならないようにしたのだと。

そう、イネは夫を深く愛していた。

END

だったら、浮気するな!
愛じゃなく、執着。そして、独占欲。




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