飛べ、ホ・ドング  Bunt  
 原題:飛べ、ホ・ドング 날아라 허동구(ナララ ホ・ドング) <2007>

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飛べ、ホ・ドング

学校が世の中で最も好きなIQ60の11歳ホ・ドング(チェ・ウヒョク)と、息 子のドングが無事に小 学校を卒業できるならば何でもするという天下無敵のチキン屋社長のジンギュ(チョン・ジニョン)。

学校に行っても友人たちについて行くことしかできないド ングだが、そんなドングを見るジンギュは、ひたすら幸せだ。

この仲良し親子の共同目標は、小学校を無事卒業すること。

だが世の中は、そんなにやさしくな い。この二人の親子の目標を遮るタックルが次々と仕掛 けられる。まさにドングが大好きな学校を辞めさせ、用語学校へ転校させようとするたくらみだ。

チキンを賄賂として食べさせても、土下座して頼み込んでも、 気が焦る状況だ。果たしてジンギュは、小学校を卒業したい息子の希望を叶えることができ るだろうか。

【予告編】


再生されるまで、しつこ くクリックしてください
監督 パク・ギュテ <2007>飛 べ、ホ・ドング

出演

チョン・ジ ニョン(鄭進永)

出演作品一覧

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【レビュー&ネタバレ】
2007年4月韓国公開。
2007年12月に韓国映画ショーケースにて、3日間だけ限定上映。

韓国での観客動員数は、約37万5千人。
えー そんなにいったんだー?10万人程度くらいにしか思えない。
台湾のベストセラー小説「私は白痴だ」を映画化。
白痴の息子ドングと父の、心温まるハートフル・コメディー。
なんですが、息子と父中心のストーリーが、どんどん中心から反れて行ってしまいます。
最後には、何の映画だったのか???
「飛べ、ホ・ドング」というタイトルは、公開直前に「バント」というタイトルから変更されたもの。
ですが、やはり作品としては「バント」でしょう。
「飛べ!」というベクトルには、全く向かってませんから。
単に息子がバントができるようになった、それで終わっちゃってます。

涙の感動作というよりも、コメディー色が強いです。
それでも、mocaはなかなか笑えませんでした。
観ている最中に、飽きて飽きて仕方がなかった映画は、久々ですね。
このような低予算的なヒューマンドラマは、絶対にmoca好みだと....
かなり期待して、気合を込めて観たんですが.......
やっぱり、韓国人の笑いのツボは、mocaには合わなかったのか......
それもあるかもしれませんが、
基本的に、志村ケンやダチョウ倶楽部のような古典的笑いのネタ。
(mocaはお笑いキラいなので、最近のはわかりません.....)
mocaにとっては、こういった類のネタは、苦痛でしかないんです.....
なので、バラエティーやお笑いが普通に好きな方には、楽しめる映画かもしれないですね。

moca的には、ロケの行われた全州の風景だけが癒しでした。
自然に囲まれた昔ながらの風景。美しい。
ホワイト・バレンタインの ロケ地も 一瞬映ってビックリ。

ジンギュとドングのエピソードには、心温まるものがありますし
チョン・ジニョンの演技は、さすがとしか言いようがない。
かなりの親バカぶりで、けど、一本筋が通ってる。
それでも、養護学校に行くべき息子を、自分の一存でゴリ押しする身勝手さに、
どうも共感できなくなる。
息子ドングが学校がそんなに好きだとも思えず、
きっと養護学校に行ったら行ったで、今の学校のことなどスッカリ忘れ、
すぐになじんでしまうだろう...そんな子だからだ。
父ジンギュは、息子を「他人を傷つけない優しい子」だと言うけれど、
それはたまたま欲の対象となるものがなかっただけで、
自分が何より好きな給水係をミネラルウォーターのサーバーに奪われると
癇癪を起こして投げ倒してしまう。
なんだか、矛盾しててしっくりいきません。

何よりも、この映画の最大の見所であろう
「最愛の息子に小学校を卒業させるために父子は奮闘する」ということだ。
これがスッカリ他力本願なんだから、言葉を失う。
父は立ち退きを迫られている家のことしか頭にないし、
それで最後に「息子のためなんだ」って言われても、「そうだったの?」と、驚くばかり。
小学校を卒業させるための手段としての野球部入部。
息子に野球をさせるために、父が息子をとことん教え込む.... それが映画であろう?
なのに、気が狂いそうになりながら奮闘するのは、父でなく野球部コーチであるクォン・オジュンであり、
ドングを見捨てられずに自ら志願した級友ジュンテだ。
最後には、主役はドングでなく、ジュンテだろう?という気にさえなってくる。
ドングは小学校を卒業するために奮闘するわけでもなく、
野球部に残るために奮闘するわけでもない。
ただ、ひたすらフリーダム。
ドングの頑張りを全く感じないので、感動のラストにはなりません。

ジュンテのドングへの思いやり、サンチョルのジンギュへの思いやり、
友情というものの素晴らしさを改めて実感しますが、
それだけに、主役の親子が色褪せて見えてしまう。

【ホ・ジン ギュ】
チョン・ジニョン
【ホ・ドング】
チェ・ウヒョク
【キム・ジュン テ】
ユン・チャン
【クォン・サン ギル】
クォン・オジュン
【サンチョル】
シン・ジョングン


ドングを演じたチェ・ウヒョクは、子供ながら、かなりの実力派。
奇跡の夏では小児ガンの子供を演じ、泣かされ ました。
この作品でも、<ドング>そのもの。見事白痴の子を演じております。

それに比べると、ユン・チャンはちょっと未熟かな?
チェ・ウヒョクが天才的すぎるのか?

他にも子役はたくさん。
↓のポッチャリくんも、よく見かけますね?
マウミ...の物乞い、彼女を信じないでくださいなど。



学級委員の女の子は、静かな世界 で、殺されてしまう女の子。
サンチョルの娘ミナは、赤い靴のキム・ヘスの娘。



友情出演のイム・ウンジョン。
一瞬のシーンでありながらも、すごい存在感。



この人、最近よく見ますね。キム・ダニョン。
しかも、全部脇役........
ラジオスターのプロダクション社長、同い年の家庭教師 レッスン2の警官。


* * *

ストーリーですが、あらすじを補足する程度で。
基本的にコメディーですから。

IQ60のドング。
クラスではいじめられ、学校側は養護学校へ転校させるという。
父は学校が大好きなドングを、何としても転校させたくない。
ヤカンを持って水を配る給水係が生きがいのドング。
ある日、クラスにはヤカンの代わりにミネラルウォーターのサーバーが設置される。
役目のなくなったドングは悲しみに暮れる。
そんな時、大きなヤカンが目に入る。
野球部の部員がヤカンを持って水を配っているのだ。
目が輝くドング。
授業そっちのけで、校庭へと駆け出してしまう。
そして、水汲みの下っ端はイヤだと野球部を辞めてしまう給水係に遭遇。
給水係をしたいドングと、
部員が一人辞め8人になってしまい困る監督。
かくして、ドングは野球部に入部することに。
ドングから野球部に入部したと聞かされたジンギュは、監督に挨拶に。
野球部に入れば、学校も辞めなくてすむか?というジンギュの言葉に、
監督は頷かざる得ない。
しかし、IQ60のドングには、野球のルールすら理解できない。
ボールはキャッチできない、ボールは打てない、
監督は気が狂いそうだ。
「明日から来なくていい」
とうとう監督の堪忍の緒が切れる。
給水係ができなくなるドングは、悲しくて泣き出すが、
それを見ていたジュンテは、いたたまれず自らコーチ役を買って出る。
それから、ジュンテのドングへのコーチが始まる。
心臓が悪く走れないジュンテ。しかし、野球はスキだ。
自分ができない代わりに、ドングに教えよう。

その頃、ドングの父ジンギュはチキン屋と住まいが一緒になった家の立ち退きを迫られていた。
元々はドンギュの所有であったが、妻の入院費のために売ったのだ。
大家は必ず後でジンギュに売ってくれると約束したが、
大家は意識不明で、息子が相続税が発生する前に他に売りたいのだという。
その上、ジンギュは病院でガンの疑いがあると宣告される。

↓ 結末ネタバレ↓


家を買い戻す当てが全くないジンギュ。
そんな時、生命保険を解約しようとしたジンギュは、
ガンなら保険金1億ウォンは下らないという話を聞かされ、笑いが止まらない。
本当にガンなら?家を取り戻せる!
ジンギュは病院に行き精密検査を受ける。

とうとうドングの野球の試合の日がやってきた。
ジュンテとの訓練の成果など、まったく見られない。
監督も頭が痛い。
父ジンギュは、病院に結果を聞きに行く。
しかし、ガンではなかったのだ。
悔し涙を流しながら、ドングの試合会場へと向かう。
最終回。ツーアウト満塁。
なんと、打者はドング。
みな、勝利を諦めかけたその時、
ドングのバットにボールが当たった。
目を見開き、バントを決めたのだ。
いつも目をつぶってしまうドングが。
奇跡の逆転。
父ジンギュも、さっきまでの悲しみもどこへやら、喜びを抑えきれない。

時が流れ─

通学路を覚えるのに3年もかかったドング。
しかし今では、新しい家までの道もすぐに覚えた。
大好きなヤカンのおかげだ。
父もドングも、新しい家であっても、幸せなことに変わりない。







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