自殺同好会 11 人、死の記録。  4days 
 原題:4曜日 自殺を呼ぶ曜日 4요일 자살을 부르는 요일 (4ヨイル チャサルル プルヌン ヨイル)<2008>

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怪我をして引退した元野球選手、時限付き人生を宣告された癌患者、成績を悲観 した女子高生など、インターネット自殺同好会で出会った11人が「自殺」のために廃校に集まる。

希望する死に方に必要な道具と順序まで、徹底した準備を終えた彼らは、最後の晩餐をしながら、互いのメッセージに耳を傾ける。

いよいよ最初の自殺申請者が首をくくった瞬間、綱は力なく解けて、自殺は失敗に終わる。そして同じ時間に、10番目の自殺申請者が屋上から落ちて死ぬ 事故が発生する。

徹底した準備をしたと考えた彼らは、ざわめき始める。結んでいた綱は、どのように解かれたのか。同じ時間に起こった死は、どのように説明するのか。人々 は、自殺ヘルパーを疑ったが、彼らすら死に至り、殺人だとしか説明できない。

孤立した廃校。彼らのほかには、誰もいない。それなら犯人は私たちの中に。慌てるうちに、一人二人と殺人は続き、人々は、互いを疑いながらます ます狂っていく。

平穏な終わりを望んだ者たちの最後の夜は、残忍な血に染まり、自ら命を絶つために集まった人々は、何とか生きるために地団駄を踏む。
【予告編】
監督 ソ・ミニョン <2008>自 殺同好会 11人、死の記録。

出演

チョン・ウンテク <2001>友 へ チング、 <2001>マイ・ボス マイ・ヒーロー、 <2002>ボス上陸作戦、
<2006>マ イ・ボス マイ・ヒーロー2、<2008>自殺同好会、 <2009>遺憾な都市




【カン・ジュニ】
鬱症と不眠症の悲観論者
チョン・ウンテク
【イ・ジュニ】
時限付き癌患者
イム・イェウォン
【コ・ギョンテ】
事業失敗借金だらけの人
イ・ジェヨン
【オ・ジョンソ ク】
スキャンダル大学教授
イ・ウォンジェ
【キム・スク チャ】
子供がすべてのお母さん
ホン・ヨジン
【ヤン・ジェホ】
怪我して引退した元野球選手
ユン・ソヒョン
【キム・スジ ン】
鞭で打たれる妻
オ・ジヨン
【パク・ソンボ ム】
自殺ヘルパー
イ・ジョンハン
【ナム・ヨンソ ン】
精神分裂症患者
キム・ソニョン
【チョ・ガヨ ン】
拒食症の芸能人志望生
ユ・ソウン
【チェ・ヨン ジ】
成績悲観女子高生
チン・ミンジュ
【イ・ヒョヌ】
失恋した財閥家の息子
パク・ヨンヨン

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【レビュー&ネタバレ】
2008年12月公開。観客動員数は、たったの約2万7千人!!
なのに、またもや日本でDVD化。
「コリアン・ホラーは破綻している」と言いながらも、萌香のような奴が観るからか?(笑)
前半は退屈で仕方ありません。
単に人が次々と死んでいくだけです。
「これは単なるスプラッター映画か?」と、思っていたら、
強いメッセージ性を持った問題提議映画でした。

犯人はすぐわかるものの、動機がわからない。
結末まで動機は明らかになりませんが、ちょっと独善的な動機です。

長い人生を生きてきて、「死にたい」と思ったことがない人はどれくらいいるのでしょうか。
神様に愛された羨ましい人々です。
萌香は年に何度も「死」を考えます。
でも、「考えているうちには死ねない」ものなんです。
自殺するほどの苦痛に陥った時には、何も考えられないほどの絶望感に襲われます。
その瞬間に死んでしまうか、
「死ぬ」と思った瞬間に、生きたくなるか.....

「死にたい」と思う人だって、生きたいんです。
でも、生き地獄だから。
「死にたい」のではなく、その「果てしない地獄」から逃れたいのです。
その唯一の方法が、「死」でしかないことは、悲しいことです。

この映画のラストには、「死にたい人」へのメッセージが残されてます。
ただ、独善的な結末の後に訴えられても心に響きませんね....


自 殺は最も罪深い殺人です。
あなたの命を、あなた以上に大切に思う人が います。
その人が、そばにいることを忘れないで下さ い。
自殺のない社会になることを願います。



萌香は、自殺には否定的ではありません。
この世の苦しみから逃れるのに、「死」しかないのであれば、「死」により楽になる方法は有だと思うからです。
でも、「自殺」は悲しいことです。
人間は、「幸せ」になるために生まれてきたからです。
皆が幸せになり、自殺がなくなるのであれば、それが最も望ましいことです。
自分を大切に思う人、死を悲しむ人がいても、苦しみから逃れられるものではありません。
でも、「一瞬の苦しみ」ならば、耐えて欲しい。
「絶望」に陥らないで欲しい。
今を耐えれば、明るい未来が待っている人だっているのだから。

「自殺同好会」があるのなら、萌香も入りたい。
ただ、そんな理由でこの映画を観た萌香が言うのも何ですが(笑)
でも、「死にたい」と思いながら生きている萌香だから、理解できることも多いです。
ですが、最近、その自殺に「どうして!」と叫びたくなるような自殺が多いです。悲しい自殺....
「死ななくちゃいけなかったの?」と。
その代表的な方が、故パク・ヨンハさんです。
あれだけの魅力と才能を持ち、あれだけ多くの方に愛され、好きな仕事をし、愛し愛される家族がいるのに、
それでも「死」を選ばねばならなかった彼の苦しみが理解できない...
生きて欲しかった。
萌香からすれば、羨むほどの人。
なのに、なぜ死を.....
彼の死を思い出すたびに涙が止まりません。
彼のような人が死ななければならないならば、萌香なんて、とうの昔に死んでなくちゃいけません...
彼の苦しみは、彼にしかわからないけれど、そう思えて仕方ありません。
彼のような人間が死に、自分が生きていることに、疑問を感じざる得ません。

三流映画ですが、「自殺」を考えてしまう方はご覧になるといいかもしれません。
「死」の先にあるのは、「幸福」なのか?

韓国の自殺増加率は、OECD(経済協力開発機構。「先進国クラブ」とも呼ばれる)加入国の中で
最悪だそうです。
年々、国民の貧富の差が開く一方であり、それが韓国の自殺率の高さの要因の一つだと語っています。
生活苦と未来への不安が生きる意欲を削ぎ続けると。
日本も他人事ではありません。
「生活苦」を理由にした自殺は、これからますます増加することでしょう。
世の中がそれでは、生活苦でない理由での自殺も増えるのでは?
世の中にストレスが充満し、傷つけ合うことも増え、生きていくことがますます苦しくなるでしょうから。
この映画を日本でDVD化したことに意義はあると思います。
苦しくても耐えろ!
それは厳しいメッセージですが、やはり「人の死」は悲しいものですから。


主演俳優からして二流俳優のこの映画。
出演陣は無名俳優ばかりですが、演技力は問題ありませんのでご安心を。

チョン・ウンテクはちょっとコミカルなイメージが強すぎるので、ちょっとミスキャストかな。
イ・ジェヨンといえば、ドラマ【ピアノ】の毒蛇を始め、ヤクザ役専門と言っていいほど。
でも、ドラマ【太陽を飲み込め】の人情刑事役を観てから、その実力を知ったように思います。
今回凡人役ですが、独特の存在感があります。
そして、冒頭の方で、足の折れた銅像を直してあげる優しいオジさん。
「こんな優しいオジさんも自殺しちゃうんだぁ」と、悲しくなっていたら....
イ・ジェヨン同様、【悪役専門】と言ってもいい、イ・ウォンジェじゃないですかー
イ・ウォンジェは、ドラマ【ラブストーリー・イン・ハーバード】くらいしか良いイメージがないです。
でも、実力のある俳優は、そんなイメージも実力で払拭しちゃいますね。

原題の「4曜日」ですが、「死の曜日」というような意味です。
日本で、「4」が「死」を連想させるということで忌み嫌われる数字であるように、
韓国でも全く同様に、「4(サ)」は「死(サ)」を連想させる数字です。


↓  ただの殺し合いの映画なので、ちゃちゃっと紹介。結末までネタバレ!ご注意を!! ↓




少年は絶望に襲われるたび、生まれてきたことを責めた。
そして、いつしか自分を取り囲む地獄を見ていた。地獄から抜け出せれば、少年は幸せになれるのか?




20代の女性が人生を嘆き首吊り自殺を図りました。
年々、我が国の貧富の差は開く一方で、この状態が来年も続けば、市場経済構造の崩壊を招くと、
一部、専門家は懸念しています。
所得に関しても、中流層が没落し、生活苦と共に未来への不安が生きる意欲を削ぎ続け、
自殺率が高まっています。
昨年に比べ自殺者の数は2.8%増加しています。
この我が国の自殺増加率は、OECD加入国のうち最悪です。
政府は庶民経済の安定化対策を講じると発表しましたが、形だけの対策に国民の不満は隠しきれず、
新しい政策の必要性を訴えています。

ニュースは報じる。




人は皆、それぞれの地獄を持って生きている。
そして自分の地獄をみつけると彼らは、その地獄から逃れるため取り返しのつかない選択をする。
そうして集まった11名。
皆、自殺するためにバスを貸切り、山奥の廃校へとやってきた。




最後の晩餐を済ませ、申請順に自殺する準備に入る。まず一人目、イ・ジュニ。彼女は首吊り自殺を希望した。
二人の自殺ヘルパーが見守る中、首を吊るイ・ジュニ。




しかし彼女が首を吊っている最中、窓の外から何かが落下する。
それは10番目の自殺希望者である女子高生だった。
その上、一人目の自殺者イ・ジュニのロープがほどけ、自殺は失敗に終わる。
予想外の出来事に混乱する自殺志願者たち。
女子高生が靴を履いていることに疑問を持つ自殺者。
「自殺ならば、普通は靴を脱ぐものだ」と。これは殺しではないかと。




そんな混乱の最中、自殺ヘルパーの一人が殺害される。




疑いをかけられたのは、もう一人の自殺ヘルパー。自殺ヘルパーは、兄妹だった。
「兄を殺した奴を許さない」と、自殺ヘルパーは訴えるが、自殺者らの不信感は拭えず軟禁されてしまう。




その最中、また一人死者が。子供を失った婦人が、血を吐いて死に至った。
死者の血で血まみれになった精神分裂者ヨンソンは錯乱し、外へと逃げて行く。
皆はヨンソンの後を追うが、ヨンソンはナイフを振りかざし、「死ぬ」と、わめき散らす。
婦人の死は、ペットボトルの中に仕込まれた毒薬であることが判明した。
犯人は誰か?
そんな時、何とか逃げ出した自殺ヘルパーも何者かに殺されてしまう。




そして、集団自殺を断念し、愛する人の元へ戻り共に死のうと決意した教授までもが
窓ガラスに喉を切られ殺されてしまう。
錯乱する自殺志願者ら。
「この場にいない者は怪しい。これからは団体行動だ」
ギョンテは指示する。
そして、ギョンテの傷を手当てするために保健室へ向かう自殺志願者ら。




保健室にやってくると、灯りが洩れていた。
「犯人かもしれない」
皆が注意深くなる。そこには、カン・ジュニが一人でいた。
「頭痛がしたので」と、言い訳するカン・ジュニに疑いの目が向けられる。
「あんたが加わってから、おかしくなった」
DVで苦しむスジンが言い放つ。




実はカン・ジュニは、当初からのメンバーではなかった。
サイトを見てこの計画を知ったカン・ジュニは、自分も「苦痛から逃れたくて」参加したいと、
当日に希望してきたのだ。
ともかく、ここから出ようという結論になり、バスの鍵を探すことに。




そんな中、またもや死者が。逃げようとしたスジンをブルトーザーが押しつぶした。




一人錯乱しながら逃げ惑うヨンソンのそばに、屋上から飛び降り自殺したヒョヌが落ちてくる。
錯乱するヨンソン。
そして、単独行動で逃げようとしたヨンソンは、先に一人帰ろうとした
元野球選手ヤン・ジェホの遺体を発見するが、その瞬間何者がに撲殺される。




そして、倒れ掛かってきた銅像の下敷きになり溝に落ちた歌手志望生ガヨン。
そこにカン・ジュニが現れる。
ガヨンは過食と拒食を繰り返していた。
必死にカロリー表をつぶやき気持ちを静めるガヨンをバカにして笑うカン・ジュニ。
「ダイエットに苦しんだ後、うつ病になり拒食に。自殺を図るが失敗し、二度目も失敗」
バカにしたカン・ジュニに、「くそったれ」と罵倒するガヨン。
助けようと手を差し出すカン・ジュニ。しかし、ガヨンが手を伸ばした瞬間手を引っ込める。
「くそったれだと?夜空を見ながらゆっくり考えろ。自分がなぜそこにいるのか。また来るよ」
そう言ってカン・ジュニは立ち去る。




しかしカン・ジュニは水道の蛇口を全開にし立ち去る。
溢れる水はガヨンが落ちた溝の中に溜まっていく。結局ガヨンは溺死してしまう。




一方、数少ない生き残りのイ・ジュニは、森の中を必死に逃げていた。
そこへ「助けてくれ」と呼び声が。
それは、ケモノ用の罠に足を挟まれたカン・ジュニだった。イ・ジュニはカン・ジュニを助け、二人は共に逃げる。




そこへ、ギョンテが斧を片手にイ・ジュニに襲い掛かってくる。
ついさっき、バスの中でイ・ジュニに殴打され、イ・ジュニが犯人だと思い襲ってきたのだ。
イ・ジュニを庇ってカン・ジュニがギョンテに襲い掛かる。




奪い取った斧をギョンテに振り落とすイ・ジュニ。またもや一人死んだ。
残った二人のジュニ。




カン・ジュニが犯人だと悟ったイ・ジュニ。
次々とカン・ジュニが自殺志願者を殺害した事実が明らかになる。




カン・ジュニは、自分の計画通りに自殺志願者らを殺害したのだ。




自殺志願者が集まったサイトを見て、カン・ジュニは志願者らを殺害する計画を立てたのだ。
「どうして、こんなことを?」
イ・ジュニは恐る恐る尋ねる。
「自殺する奴は殺してやる。おまえらは、ゴミだ。社会にとっても、家族にとっても」
カン・ジュニは殺気立った目で言い放つ。
「あなたも死のうとしたじゃない」
イ・ジュニは反論する。
「違う。おまえらを殺すために来たんだ」
カン・ジュニは否定する。




事業に失敗し自分だけが死のうとすれば、残された家族はどうなる?
家族が苦痛を感じる分、おまえも苦しむべきだ。

友達の冷やかしや親からのプレッシャーが自分をダメにしたと考えるのは甘えだ。
それくらいの苦痛に耐えられないクズに、楽な死は与えない。




全てに恵まれながら、小さな試練にも耐えられない弱い人間だ。
忘れられない苦痛と恐怖の中で死ね。

虚栄と欲望で腹の中を満たし、拒食と過食を繰り返す。
死んで楽になろうとしか考えないおまえには、本当の苦しみを教えてやる。




「おまえらは死ねば終わりだが、残された者の喪失感が、それがどれほどの恐怖かわかるか?」
実は、ジュニの両親はジュニを残して同伴自殺(心中)したのだった。




「みんな殺してやる!!」
カン・ジュニは叫ぶ。
「なぜ私を助けたの?放っておいてくれれば」
イ・ジュニはとがめる。
「ダメだ。クズには自殺すら贅沢だ。殺されるべきだ。恐怖に脅え、叫びながら....
死のうとしたことを後悔しながら....
そうすれば、残された者の苦痛が少しはわかる。いや、わからないか....
少しの苦痛に耐えれば、それで終わりだからな。
でもな、残された側はずっと忘れない。
幸せだったその記憶が!
俺に笑いかけて抱きしめてくれたあの人が.....
『ジュニ、元気だった?ジュニ、大きくなったわね。母さんや父さんがいなくても泣いちゃダメよ。お利口だものね』
そう言って死んだんだ。なぜ、そんな苦痛を!!」
カン・ジュニは泣き叫びながら、イ・ジュニの首を絞める。
「そうね、気持ちはわかるわ。望むなら、殺しなさい」
イ・ジュニは涙を流す。
「それじゃダメだろ?楽に死なせちゃ。そのための地獄だ。おまえの望み通り殺してやる」
カン・ジュニはイ・ジュニの首を絞める。




その瞬間、イ・ジュニの目に、錆びて鋭利に尖ったシーソーが目に留まる。
カン・ジュニを抱きしめるイ・ジュニ。




(冒頭に戻ったわけですね)

「あの日、あの子が来たのは、私たちでなく、地獄の中で苦しんできた自分を殺すためだったのか」
イ・ジュニはそう考えながら、線路の中にでなく、未来へと一歩を踏み出す。
(生き残ったイ・ジュニは、抗癌治療を受けている様子ですね)
カン・ジュニの部屋へやってきたイ・ジュニ。




そこには、カン・ジュニが描いた地獄絵があった。一部、完成されずにいた地獄絵。
(それとも、イ・ジュニが新たに描いたのか?)




地獄絵を前に、苦痛にもがき苦しむカン・ジュニの姿を思い浮かべるイ・ジュニ。
「苦痛から解放されたくて」
あの日、カン・ジュニが語った言葉は、本心だったのではないか?




イ・ジュニはそう考えながら、最後の地獄絵に筆を入れる。それは、尖った金属に貫かれるカン・ジュニの絵だった。




体を金属に貫かれながらも、カン・ジュニは微笑んだ。
「ようやく、この果てしない地獄から抜け出せるよな?そうしたら、幸せになれるのかな?」




そして、カン・ジュニは死んだ。幼い頃の幸せだった日々を夢見て。
地獄絵を仕上げながら、イ・ジュニは考えた。

人は皆、それぞれの地獄を持って生きている。
生まれてくるべきでなかったのは、彼か、それとも、地獄を作り出した私なのか....

END



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